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4つの欧州ブランド:PDLB

自分はどんな人で、他人からどう思われたくて、どう振る舞うか。それが広告やPRといった仕事の本質です。自分が経営者であろうと一社員であろうと、会社を代表する意味での対外的な印象にはすべて責任がついてきます。トップが設定したブランディング・モデルがいくら高尚で理想的であろうが、実際に顧客がブランドの印象を受け取るのは末端の売り場からです。

ここ数日、渋谷や銀座、青山にあるヨーロッパのハイブランドと言われる店を回ってきました。現在の社会情勢の中、閑散とした店内の様子を見ても仕方がないので、クリスマス前の混雑した状態を見てみたかったのです。

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まずは青山にある「A」というフランスの靴ブランド。路面店です。エレガントなブランドイメージとは違ってカジュアルな接客ながら、全体的には好感が持てました。客がそれほど多くなかったので判断はできませんが、丁寧でした。次に渋谷のデパートの中にある「B」というフランスの高級服飾ブランド。ここはかなりの混雑でしたが、入場制限の方法などはまるでファミレスの順番待ちのような客の扱い方です。本国のブランディング・ディレクターが見たらおそらくがっかりすると思います。「B」では以前別の場所にあった店で驚いたことがあります。世界でもトップクラスのブランドとは思えませんが、客が通る店頭の床に潰された段ボールの空き箱が山積みになっていたのです。なぜそれが許されるのかがわかりませんし、そんな店で10万円近いTシャツを買いたいとは思いません。上質なブランドというのは、たとえ同じようなものであってもそこにある哲学を買っています。コットンや革の原価が算出できたとしても、です。

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PDLB

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。