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常識外れの数字:PDLB

30年ほど広告の仕事をしてきて、数多くの業種と関わってきました。もちろん自分ではまだまだ未熟であると思っていますし、世の中で大々的に話題になるほど目立った広告も作ってきていません。しかし制作の方法はどんな仕事であってもまったく同じです。

やや強引に「医療」にたとえると、美容整形医と漢方医のあり方と似ています。健康である人(業績が好調な企業)と問題を抱えた患者(低迷している企業)では当然のことながら処置が違うのです。問題はないが健康であり続けるために現在の健康の根拠を洗い出し、そこを維持していく広告があります。また、マイナスをプラスに戻す大がかりで外科的な処置など、すべてのアウトプットは異なっています。

広告の効果は媒体規模の大小で大きな差がつくものですが、業種によっても媒体の計画が違います。日用品(家庭用洗剤など)のように、細く長くインパクトの低い広告を継続する方法もあれば、新規サービスの開始時には短期間に集中して多くの出稿量をプランニングすることもあります。テレビのCMを見るときは「いかにたくさん目につくか」に注意して観察してみてください。今まで大量出稿で目立っていたのは雑誌の創刊や新しいクルマが出るときなどだったのですが、この頃目立つものはスマホの料金体系や通信サービスなどです。

業種の趨勢も時代によって大きく変化していることがわかります。雑誌を買う、クルマを買い換える、などのポジティブな消費行動と違って、現在の広告の訴求ポイントが、「いかに他社よりも安いかの節約表現」に向かっているという意味では、あきらかに経済の衰退を感じます。

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若い企業のネーミング・サービス訴求について、ひとつの事例から考えてみます。このドイツの企業が2017年に発表した数字に広告やブランディングに関わる人々は驚愕しました。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。