少年とシベリア鉄道:PDLB
ホテルのエレベーター前。私と同じタイミングで、お父さんと7歳くらいの男の子がやってきました。このフロアは4階です。お父さんが問題を出しました。
「エレベーターがふたつあって、ひとつは1階、もうひとつは今、7階に停まっている。ボタンを押すとどっちが来るだろうね」
男の子は指を折りながら、どちらも同じ階数の差だとわかったようです。ボタンを押すとエレベーターは7階から降りて来ました。エレベーターの中で男の子はまだ考えています。
「上げるより、降ろす方がエネルギーを使わないからかな」
「それもあるかもしれないね」
男の子はなかなか聡明そうでしたが、お父さんはまだ正解を言いません。1階に降りてドアが開いたときに男の子は言いました。
「わかった」
チーンという音が鳴ったことで、男の子はまるでクイズ番組の回答者のように見えました。さて、男の子は見事に正解を言えたのでしょうか。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。