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くだらない結論:Anizine

「ゴールデンウィークが終わったらグランピングに行かないか」
 「また、おかしなことを言い出すなあ」
「だって連休中は混雑するだろう。『この時期は混みますよ』って言われている時期に行くってどういうことなんだ」
 「そこしか休めない人がいるってことだよ。口の利き方に気をつけろ」
「というわけで、グランピング行くか」
 「行かないよ。グランピングなんて概念に納得いかないから」
「何がだよ」
 「野外のテントで寝るんだろう。それをグランにしてみたって変わらないだろうが。ホームレスが高級なテントに替えたみたいなことだろう」
「そういうことを言うな」
 「昔ある作家が『高級お下宿』という看板を見た、と書いていたけど、そういうことだ」
「面倒臭いことを言ってないで、彼女を連れてこいよ」
 「イヤだよ」


「ほら、人間を東京、ゴリラを大阪だとしたら、浜松あたりの顔の彼女、いただろう」
 「お前、顔に拳を強めに当てる結果になるぞ」
「暴力やめろ」
 「じゃあ言葉の暴力もやめろ」
「わかった。お前は八歩譲って、グランピングの楽しさを認めろ」
 「絶対に認めない。ゴージャスなカプセルホテルみたいな矛盾はイヤだ」
「かたくなだな」
 「人生は選択だからな。他人に流されるヤツは後で必ず文句を言う」
「それはわかる。本当は行きたくなかったんだよな、っていうヤツな」
 「それなりに場を楽しんでおいて、『あの集まり、最低』とかいう」
「品がないよね。そういうスタンス」
 「だから行かない」
「そろそろ結論にいくか」
 「いこう」

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143字

Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。