自分でできないことはできない:PDLB
先日、ある人からメールが来ました。「自分が考えていることを経済的に支援してくれる人を紹介してくれ」という内容です。そういうたぐいの話はすべて断っています。我々の仕事は職業的な技術、職能だけで判断されますから、能力が高いと認知されている人は優遇されますし、そうでない人はいくら裏口からくぐり抜けようとしても扉は閉ざされています。
言い方を変えると、そのための努力をしていない人が何かのつてをたどって「得」をしようとしてもそうはいかないのです。「自分の力でできないことは、できないのだ」と認識することは大事です。自分の経済力でできないことを人に助けてもらう、いわゆるクラウドファンディングなどでも、本当にそれが必要だろうか、と疑問に思えるものも見受けられます。
そういったシステムがなかった頃は自分で貯めたなけなしのお金でやるしかなかったことができるようになったのは素晴らしいですが、反面、自己実現のためのお金を安易な方法で集めているのではないかと思える事例もあります。支援する側の「他人への善意や期待」を考えると、もちろんすべてとは言いませんが、安直さ、身勝手さを感じることも多いのです。
言い方をもっと単純にすると、誰かが築き上げた人脈や経済力を踏み台のように利用して得をしようとする考え全般が苦手なのです。自分一人でできないことはできないと割り切る。それは決して可能性をなくすことではなく、なぜ今の自分にはそれをする経済力や立場がないのだろうか、それまで何をしてきたんだろうか、と自分のサイズを正確に自覚する機会でもあります。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。