見出し画像

踏み越えられない境界線:PDLB

消費を考えることは、何が世の中で求められているか、に通じる。

あなたがたとえばアパレルの販売を仕事にしているのだとしたら「自分が普段どんな服をいいと思っているか」という考えとズレがあってはいけない。あなたが買わない服を、客が買うはずがないからだ。

これは自社ブランドの服だけを買えばいいというのではなく、もっと抽象的に「服を買うという行為」をリアルに分析できるかということ。多くのブランドがそう強制しているように、自社の最新コレクションを販売員が着用するということで見えなくなっていることもあるだろう。

自分が着ている自社ブランドの服を勧める根拠を、他のブランドの競合商品と比べたことがあって言っているのか、ということかもしれない。

我々の仕事で言えば、飲料のCM撮影現場には出演者とスタッフ用の飲み物が置かれている風景がある。その場にあるのは当然クライアントの商品であることが大前提だ。もしお菓子やほかの商品であってもクライアントが販売している品物があればそれを用意する。別におべっかを使っているわけでもないだろうが、業界の慣習だ。

たとえば「サントリーの烏龍茶」のCM撮影現場であれば、楽屋にはサントリーの烏龍茶があるだろうし、缶コーヒーならBOSS、お茶は伊右衛門が置いてあるはずだ。

これはまだ簡単な例だが実際はもっと複雑で、旧財閥系など巨大グループ企業の場合は扱っている会社の商品が多岐に渡る。三菱の仕事であれば用意する飲み物はキリンであり、撮影はNikonのカメラを使うなど、グループ企業のラインを知らない人にはさっぱり意味がわからないだろう。

画像1

ここから先は

848字

PDLB

¥5,400 / 月

PDLBについて。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。