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情報のファンタジー:PDLB

あなたがParisに直営店を出すことを考えてみてください。どこに出したいかと言われたら、シャンゼリゼ、サンジェルマン、マレなど、聞いたことがある地名を答えると思います。しかし、売りたい商品がその三つの地域のどこでも売れるということはまずあり得ないでしょう。それらの場所が持っている特性がまったく違う、違うことを知らないからです。

あらゆる業種で「現在の状況」への対処が試行錯誤されています。私の仕事場がある渋谷と原宿の中間は、もうひとつの点、青山を結ぶと三角形の商圏になりますが、渋谷と原宿と青山は何が同じで何が違うのでしょうか。それはシャンゼリゼ、サンジェルマン、マレと同じように、かなり長い時間観察していないとわからないと思います。

渋谷・原宿の間はかなり特殊なエリアで、現在の閉店と撤退ラッシュを見るとわかるように、一般的な小売業や飲食店にとっては利益率の低い、我慢をしていた場所だったのだろうと想像できます。オンラインショップや新興企業が多くあることにもヒントがありそうですが、それを「ファンタジー」と仮定して話を進めます。

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以前ある不動産業者から聞いた話ですが、地方の企業が都内にアンテナショップを出す相談をしてきた場合、この地域を候補にあげることが多いそうです。情報の価値は何より「精度」にありますが、原宿、渋谷、という外部から見たネームバリューのみを断片的に仕入れてしまうとこういうことになり、特に販売をメインとした業種の場合は「圧倒的にモノが売れない、人が入らない」という現実に直面し、早い場合は半年も持たずに消えていくのを目の当たりにしてきました。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。