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嘘のないブランディング:PDLB

昨日は渋谷駅のホテルに泊まって、下を見下ろしていました。普段見慣れた街の様子とは違うことと、新しいオフィスビルや商業施設がどんどん建っていくのを見て不思議な気持ちになりました。その名前も渋谷をイメージした「S」がつくものが多いのですが、悲しいことにそういった熟慮のない会議が目に浮かびます。

「今回、このビルができることにより、今までとは違うシブヤの人々の大きな流れを作り出すことでしょう。それをstreamと呼びます。SはシブヤのSでもあります」

(実名を出して恐縮ですが)、ストリーム、スクランブルスクウェア、シークェンス。待ち合わせやタクシーに場所を伝えるときに極めて不便ですし、それもこれも「渋谷なのでS」などという、プレゼンテーションの前日に考えたようなアイデアを出し、さらにそれを採用していまうからいけないのではないかと感じます。

唯一ネーミングが特徴的なのは「ヒカリエ」ですが、名前が渋谷に寄りかかっていませんから埋没せず、あまり間違えません。マークシティもそうなのですが、一般名詞ですから記憶に残りにくいのです。

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名前は「ブランド」です。そもそもブランドというのは牧場で牛などに押す焼き印のことをあらわしています。それが押されていることが、「私の牧場の牛である」という証になります。それが転じて今の表現になったのですが、この主客転倒にポイントがあります。私のものである、という主張と、あの人が手がけたものである、という価値の変化です。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。