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Anizine

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。
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2020年12月の記事一覧

◎支援ご報告:Anizine

パフォーマーのnote記事にサポート 10,000円 パソコンを始める保育園児に 18000円 美容に興味のある小学生へ化粧道具 50000円 パフォーマーのnote記事にサポート 10000円 本を出版した著者へのお祝い 10000円 山形の高校生「AI部」のクラウドファンディングへ 10000円 留学中の中学生へ 10000円 シリア難民の子どもたちのクラウドファンディングへ 10000円 写真展を開催したフォトグラファーに 33000円 note記事へ

文章をお金にする:Anizine

文章を書いてお金をもらうのがプロの作家なのだとしたら、俺はどうなんだろう、と考えることがある。 俺の仕事は写真やデザインなんだけど、いや、もうすでに変なことになってしまっている。この業界では写真かデザインしかやらないのが「普通」なのだ。まあどっちにしても、その専門分野で超一流ってことじゃないから聞き流してもらえばいい。 俺は会社に勤めていたときにはデザインをしていた。CMの演出もやっていたからこれもまたややこしい。面白そうでやりたいことは職種の垣根など無視してやればいいと

向かいの部屋:Anizine

ひとり暮らしの部屋。引っ越してきて数日が経った。 このフロアには4つの部屋がある。僕の部屋はA。 BとC、ふたつの部屋には挨拶にいき、住人と会った。向かいの部屋「D」だけがずっと留守なのか、インターホンを押しても返事がない。 深夜、コンビニに行こうと思ってドアを開けると、「D」のドアの奥からガチャリと音がした。開けようとしたがやめたような音。エレベーターを待つ間、様子を見ていたが人が出てくる気配はない。 翌日の夜、また同じことが起きた。僕がドアを開けるタイミングで向こ

変化のない変化:Anizine

この時期になると「今年はこんな一年だった」と書きたくなるものですが、2020年に関して言えば、世界中の人々が同じような感想を持つんじゃないでしょうか。 休日に昼寝をしていたつもりが気がついたら夜だった、ような時間経過。 何もしていないのに一年が終わるような焦燥感があります。時間は天体の動きに合わせて同じように過ぎていきますけど、私たちはなすべきことができぬまま、家の中にいました。数年の服役を体験したとすれば、こんな気持ちなのかもしれません。我々は今年の初めから自由を奪われ

空気の立方体:Anizine

前回の『ロバート・ツルッパゲとの対話』は27の断片からできている。どの項目にも関連はなく、共通点があるとすればその目次の中身を書いたのは俺だということくらいだ。長い無駄話をしているように話はあっちに飛びこっちに戻り、最終的には「いい時間つぶしだったけど、何の話をしたかは憶えていないね」という感じの本。 本当は順を追って丁寧に整合性を取ることもできた。でもそうしなかったのは「対話」にしたかったからだ。友だちと深夜のファミレスで起承転結の整った話をするヤツはいない。そんなヤツが