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Anizine

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。
¥500 / 月
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2020年8月の記事一覧

ドライブ:Anizine+写真の部屋

皆さん、停滞してますか。俺はしています。 過去に味わったことがない、先の見えない「移動制限」に苛立つことで、いかに移動によって精神の安定を図っていたのかと、今更気づかされます。 気分よく、美しい風景を眺めながら写真が撮りたい。外国に行くことは不可能なので都内かちょっと郊外でもいいから、見たことがない風景を見たい。というわけで、Anizineと写真の部屋のメンバーの皆さんに協力してもらえないかと思いました。

ふたつの部屋:Anizine

数年前にクアラルンプールに遊びに行った。 ペトロナスツインタワーは、行ったことがない人でも一度は写真などで見たことがあると思う。452m、88階建ての双子ビルで、タワー1の建設を日本のハザマ、タワー2を韓国のサムスン物産建設部門が手がけた。 夜になると柔らかく幻想的なライティングで、ビルの優雅な存在感が際立つ。建物の照明設計としては世界でもトップクラスの美しさだと思う。そのタワーを見上げた時、古い記憶がよみがえった。ペトロナスタワーとは比べものにならないが、若い頃に行った

世界の皮膜:Anizine(無料記事)

 ソファに男が二人。向かいには若い女性が座っている。  女性が着ている黄色いTシャツのアップには、わけのわからないアメコミのキャラクターが描かれている。男二人は、なんとなくそのTシャツを見ている。 男A: 「今じっと見ているこのTシャツ。お前はその中身のことも想像してるだろう。社会性というのは、この布一枚だ。もしこれを強引にめくったら、お前はその瞬間に犯罪者になるだろう」 男B: 「はい、そうなりますね」 男A: 「でもな、彼女がお前のことを好きで、自分でめくって見せ

時計の止まった喫茶店:Anizine

夕方に駅を降り、大きな公園を挟んでいつもとは違う道を歩いた。 ここに引っ越してきてから初めて通る道。公園の右でも左でも、どちらを通っても同じ場所に出る。今までは賑わっている商店街のアーケードの方を自然に選んで歩いていた。今日は工事をしているらしく、そちらが通行止めだった。 初めての道を行くと、数軒の古い店がぽつぽつと並んでいた。いつもの道と合流する直前に古い喫茶店の看板が見えた。レンガ造りの建物にツタが絡んでいていい雰囲気だ。僕はコーヒーが飲みたくなって、古くて重い木製の

◎支援ご報告:Anizine

コロナで苦境の飲食店へ 10000円 自主映像制作者へ 10000円 d design travel クラウドファンディングへ 10000円 青山ブックセンター・本屋ロカンタンで本を買う人へ 35000円 第一回ぱっぷこーんとnote公演 1500円 石井さんへ(項目が何だっかた忘れちゃった) 5000円 ライカを買った岸田さんへ 10000円 ライカを買ったDOLLYさんへ 10000円 合計 91500円を「Anizine」の定期購読料から支援しました。

感情と納得の沸点:Anizine

先日、友人と「我々は感情や納得の沸点が低くなっていないか」という話になった。感情と納得は別のものだから、ふたつに分ける。 感情は体験の蓄積によって変化する。極端な経験を持つ人はちいさなことで驚かないし、感情が動かない。ある中東の内戦地から日本に逃れて来た難民家族が、打ち上げ花火が怖くて見られなかったと聞いたことがある。それは花火の爆発が持つ意味のスライドだ。 これは彼らが、我々が頭で理解している「打ち上げ花火の風情」とは違って、爆弾が炸裂するのを見た体験があるからだろう。

ケンタロウ、ソロライブやります:Anizine

自分が始める何かのサービスなりイベントを知ってもらうために欠かすことができないのは「ネット」だ。多くの人や企業は「ネットでも告知しておいた方がいいかもね」という考え方なんだけど、それは完全な間違い。 たとえばあなたが知らない街に行って、そこでレストランを探すときにはどうするか。ほとんど全員がネットで検索するはずだ。駅や泊まっているホテルから近いとか、予算とか料理のジャンルとか、あらゆる条件から探すことができる。できるというか、それが現代の最低条件。 ネットに有効な情報を掲