楽しかった

某月某日

最後の歯医者さんの日にうっかり忘れる。しかし、ぎりぎり思い出す。ダッシュで向かうとちょうど予約時間ぴったりに到着。受付で「先生が遅刻していてまだいないんです」と言われる。遅刻理由は寝坊だった。

某月某日

夜、4歳の息子との帰り道。息子が「はやく、走って!追いつくの!」と言って、私の手を引っ張って走り出す。私を引っ張る彼に、「何に追いつくの?」と聞くと、彼は満月を指さして「お月様!」と答えていつまでも走る。なんて素敵なことを言うんだろうと思って限界まで一緒に走った。家に戻って息子は「おにぎりになりたい」と言っていた。

某月某日

息子が音声検索を使って「ディズニー」と言ったら、大量のチヂミの画像が候補に出てきて彼は混乱していた。

某月某日

夫が隣の部屋でB'zの「ultra soul」を気持ちよく歌っていた。せっかくなので合いの手を入れてあげようと思い、夫の「そして輝くウルトラソウル!」の後に全力の「ハイッ!」と送った。その後、冷蔵庫の前でばったり会った夫に、「さっきすごいえずいていたけど、大丈夫?こっちまで聞こえてきたよ」と心配された。

某月某日

片手でいけそうだと思うときは絶対に片手でいけないと最近わかってきた。なんなら両手でもいけないときがあることもわかった。

某月某日

Tさんと蕎麦屋に並んでいる時、Tさんが「ユニセフ」と一言だけ発して黙った。今のは何だったんだろうと思い、「ユニセフがどうしたの?」と聞くと、「うまそう」の聞き間違いだったことがわかった。

某月某日

実家の父と喫茶店に入る。お互い近況報告。父親が「最近、コピ・ルアックを飲んだ」と教えてくれる。
※コピ・ルアック…ジャコウネコの排泄物から採取される希少な高級コーヒー豆。

私「あの値段高いやつでしょ!美味しかった?」
父「自分はコーヒーの味はよくわからないんだけど多分美味しいと思う」
私「すごいなー。私も一度飲んでみたいんだよね。でも高いから中々…」
父「かなり安く提供してくれたお店だけど高かったよ」
私「そういえば、最近はゾウでもあるらしいね。ゾウの排泄から採取するコーヒー豆」
父「ああ、聞いたことがある。ゾウは大きいから沢山取れそうだね」
私「うん。でもやっぱり手間がかかるからゾウでも値段高いのかな?」
父「うん。それにゾウはやっぱり全部消化しちゃうんじゃないかな?」

だとしたら、ただのうんこだと思った。

某月某日

中華料理屋の回鍋肉弁当を買って食べる。中華弁当は安いのにタイトル(回鍋肉弁当)に含まれない脇役のおかずが豪華すぎる。回鍋肉弁当に入っていた名前がよくわからない料理の美味しさに感動する。私は料理名がよくわからないままのものが多い。自分が人生で一度も食べたことがないと思っているけど本当は食べたことがある料理が何個かあるかもしれない。そんなずれはきっと生きていて他にもある。

某月某日

息子が「戦いごっこする!」と言って、「ママ!手伝って!」とお願いされる。何をすれば良いのか聞くと、「味方チームに入って!」と、言われる。敵は誰なのか聞くと、

息子「敵のおちんちん!」

相変わらず、おちんちんが好きな息子。

息子「敵のおちんちん10人対味方のおちんちん100人」

ちょっと味方のおちんちんずるくないか?と思いながら、ママはおちんちんの一人なのか、それともママのままで良いのか確認すると「こっちのチームは味方のおちんちん100人とママと僕!」と、そんなことも説明しないとわからないのかという顔で息子に呆れられる。戦いが始まり、息子が「どこだー」と真剣な顔で敵のおちんちんを探し出す。

息子「上だー!」

敵のおちんちんが上から攻めてきて、息子はビームで敵のおちんちんを倒し、「危なかったね」と言った。

某月某日

息子が自分を指して「僕がアンパンマン!」と言うので、「じゃあママは?」と聞くと、息子は「ママはコキンちゃんでパパはしょくぱんまん!」と言ってくれて嬉しくなる。どう見てもママはホラーマンでパパはジャムおじさんだ。

某月某日

大切なものを大切に扱うともっと大切になると知った。そういうことを学びながら老いていきたいと思う。

某月某日

夫が冷蔵庫を開けながら、「なんだこれ!敵か!」と言ったので(敵?!しかも冷蔵庫に?!)と思いダッシュで確認しに行くと、「柿」の聞き間違いだった。

某月某日

息子「自分でやる!」

4歳の息子は自分でやりたい期に突入していて、うまくできなくても自分でやりたがる。35歳の私も今、うまくできなくても自分でやりたい期だから気持ちがすごくわかる。

某月某日

今年がもうすぐ終わる。楽しかった。

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