田辺さんタクロース

ある日、田辺さんから

「みたらしちゃん(私の息子です)にクリスマスプレゼントを贈りたいんだけど一緒に選んでくれないかしら?もし良かったらその前に一緒に昼ご飯も食べましょう!」

と素敵なお誘いがありました。

田辺さんが夕方から仕事の日があったので、その日に買いに行くことにしました。当日は田辺さんが「表参道で待ち合わせで!」と待ち合わせ場所を広範囲で指定してきたために、私は駅の改札、田辺さんはAppleStoreと各々の表参道で待つという失敗をして少し時間をロスしました。

田辺さん「ああ、美味しかった!さあ、みたらしちゃんのプレゼント選びよ!」

私「ね!美味しかったね!プレゼントはどこで見る予定?」

田辺さん「キディランドはどうかしら?」

私「あ!良いね!あそこ楽しいよね!」

美味しい昼ご飯を食べ終わった後、田辺さんと私は原宿にあるキディランドというおもちゃ屋さんまで歩いて行くことにしました。歩いている途中、田辺さんと私はこの一年のぼる塾の振り返りなどを話しました。

田辺さん「私さ、この一年は本当に頑張ったと思うけど反省点もあるのよね」

私「反省点?」

田辺さん「今年は沢山テレビに出させてもらったじゃない?スウィーツの仕事とかも増えてさ、色々コメントとかしたりして、」

私「うん」

田辺さん「そんなとき、私、自分が芸人だって忘れちゃってるときがあったのよ・・・」

驚いて田辺さんの横顔を見ると、苦しそうな顔をしていました。

田辺さん「そんなの駄目よね。自分が悔しいの」

私「田辺さん・・・」

田辺さん「本当に私、たまに自分が芸人じゃなくて革命家気取りになってるなって思ってて、見てて思わない?田辺さん最近革命家みたいって、革命家ぶってるって、・・・あら、革命家であってるかしら?」

私「もしかして文化人って言いたい?」

田辺さん「それだ!」

田辺さんは立ち止まって膝叩いてました。そんなことを話していると無事キディランドに到着しました。店内に入ると、田辺さんも私も大好きなちびまる子ちゃんとコジコジの期間限定コーナーがあり、早速私たちは目的を忘れてじっくりそのコーナーを楽しみました。

田辺さん「はっ!駄目よ!みたらしちゃんのプレゼントを探しに来たのよ!!」

私「そうだった!フロアガイド確認しよう!」

田辺さん「あら、フロアガイドに階ごとに扱っているキャラクターが書いてあるわ。みたらしちゃんはどのキャラが好きかしら?」

私「アンパンマンが好きだよ」

以前、息子はあんりちゃんのことをアンパンマンだと思っていましたが、最近はアニメのアンパンマンにもハマり、どうやらこの世にアンパンマンは二人いるらしいというところで彼は落ち着いたようでした。

田辺さん「あら、アンパンマンは書いてないね」

私「え、アンパンマンないのかな?」

田辺さん「困ったわね。

とりあえず三階に私が好きなコナンとセーラームーンがあるから三階に行きましょう」

とりあえず私たちは三階に行きました。三階に着くと、偶然アンパンマンの商品も置いてありました。

田辺さん「あら!アンパンマンあったよ!」

私「本当だ!良かった!」

田辺さん「アンパンマンのおもちゃ沢山あるよ!みたらしちゃんどれが好きかしらね?」

私「アンパンマンは基本全部喜ぶと思うよ」

田辺さん「私今日みたらしちゃんのクリスマスプレゼントに気合入れて10万円おろしてきたから」

私は気合入れすぎだろと思いました。

私「大理石のアンパンマンでも買うつもり?」

田辺さん「私はこんなにみたらしちゃんを好きなのに、みたらしちゃんはよゐこさんのほうが好きなのよね。伝わらないもんだね」

以前、息子がよゐこさんの動画を見ている時に「お母さんにぼる塾見せて」と画面を変えたら田辺さんに切り替わった瞬間息子が泣いたことを田辺さんは気にしているようでした。

田辺さん「みたらしちゃんに田辺さんは10万円おろしてきたよって伝えてくれないかしら?」

私「多分二歳児には言っても伝わらないよ」

田辺さん「そうよね」

私が田辺さんに気合を入れすぎるなと注意すると、「酒寄さんがまともで良かったわ」と自分がまともじゃないことを認めたようでした。

田辺さん「これ、みたらしちゃん喜ぶかしら?」

田辺さんはひとつひとつを指さしながらそう確認するので、私は全部の商品に「喜ぶよ」と答えました。田辺さんは自力で「これよ!これはみたらしちゃん喜ぶよ!これにする!」とアンパンマンのおもちゃを一つ選び、

田辺さん「じゃあ、ちょっとコナン見るね」

とコナンコーナーに移動してアンパンマン以上にじっくり見ていました。

田辺さん「満足したわ!じゃあみたらしちゃんのプレゼント買うわ!」

そう言って田辺さんはレジに向かって行きました。

田辺さん「このアンパンマンのおもちゃと、

コナンのラッキーくじを五回お願いします!」

田辺さんはコナンのラッキーくじも五回引くようでした。

田辺さんは真剣に五枚のくじを引き、

田辺さん「あら、C賞!ぬいぐるみ!やった!次も・・・C賞!やった!

次は・・・

やだ!A賞だよ!!すごい!!生まれて初めて当たった!!やばいっ!!

うわっ!!次もA賞なんだけど!!すごすぎない?!」

田辺さんはなんとA賞を二つ連続で引き当てました。

田辺さん「最後は・・・F賞か。まあA賞二つ当てた私には痛くも痒くもないね」

私「田辺さんすごいじゃん!」

田辺さん「すごすぎるよ!!A賞二つだよ!」

私「こんなことあるんだね!」

田辺さん「前回のドラゴンボールの一番くじのときと全然違う!」

私「良いの当たらなかったの?」

田辺さん「いいえ!うっかりミスして一回も引けなかったの!」

私が思った以上に今回とは違う結果でした。

店員さん「おめでとうございます!すごいですね!」

田辺さん「ありがとうございます!」

あまりの田辺さんの喜びに店員さんも祝福メッセージをくれました。

田辺さん「嬉しいよ、私いつもこの手のくじはそんなに良くない結果で終わるのに」

私「本当に良かったね」

田辺さん「きっとみたらしちゃんのおかげだよ!みたらしちゃんがお返しに私にもクリスマスプレゼントくれたんだよ!」

私は自分の息子はそんな超能力者ではないと思いましたが田辺さんが本当に嬉しそうなので黙っていました。

店員さん「お待たせいたしました。本当におめでとうございます」

田辺さん「うふふ、ありがとうございます!」

田辺さんはクリスマス用にラッピングされた息子へのプレゼントとコナングッズを両手で持ってとても幸せそうでした。

田辺さん「はい!これはみたらしちゃんに!田辺さんからだよ!ってしつこく言ってね!」

私「もちろんだよ!100回は言うよ!」

田辺さん「1000回言って!」

田辺さんから息子へのプレゼントを受け取って、私も何か田辺さんに恩返しというかクリスマスプレゼントを贈りたいと思いました。

私「私も何か田辺さんにクリスマスプレゼントしたいんだけど、何か欲しいものある?」

田辺さん「あら、」

私「食べ物だと田辺さんのほうが詳しいし、何か本当に欲しいものあげたいんだけど」

田辺さん「あら、良いわよ!頭脳で返してくれれば!!」

田辺さんは「あら、良いわよ!何もいらないよ!」と言いそうな顔で「頭脳で返して。それが一番」とはっきりと言いました。

私「わかった!頭脳で返すよ!」

田辺さん「めちゃくちゃ助け求めるからよろしくね!ねえ!それにしてもA賞二つはすごいよね!私!」

私「すごいよ!そういえばA賞って何もらえたの?」

田辺さん「さあ?よくわからないわ!」

田辺さんは何がもらえたのかよくわかっていませんでした。




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