魔法少女

2024年5月13日、彼女は自殺した。
魔法少女の遺骨が床を埋め尽くしている暗い地下、彼女らの骨は薄らとピンク色のフィルターがかかっているように見えて、死んでもまだなお続く祈りと呪いが共存し、その渦の中、「死」という既成事実だけを愛した幼い女の子の本来の夢の匂いがして、君が本当に使いたかったのは、本当に魔法?
手っ取り早く食べて手っ取り早く吐けるから好きだったファストフードみたいな男の連絡先をブロックして君はまた孤独を選んだんだね、神聖な孤独は誰にも壊されることなく君の生きてきた年数と同じだけ歩いてきた、言ってしまえば孤独は君の一生涯の相棒であり一生涯の敵であり一生涯の呪いだ。助けてって言えた方がかわいかったかもしれないね、もしかしたら。でも君も君も僕もそんなこと言えなかったからここまで来ちゃったんじゃんねって頭を撫でてあげるから信じて目を見て、美しいものは上にしかないって、あの日空に感動した日から絶対に忘れないようにしてたのに忘れてしまっていた。
地獄が作った才能なんていらないと言って逃げ出した僕のこと、見失わないでくれてありがとね、僕にはきっとこれしかない、地続きの地獄の中で生きてやろうと決心した瞬間に輝く光を信仰し続けて君と逢いたいから流れ星の役やってんだ。
共感する気持ちよさを超える交わりを知っている、心のどこも殺されることなく濡れる方法を僕は知っている。時間軸も世界線も関係ない、無限に続く宇宙の中で君がピントを合わせたものに近づけば近づくほど美しい融合だ、
ぐちゃ。
高層マンションの屋上から飛んでみた、東京の夜景を見下ろしながら天使になった気持ちでいた、孤独を超越した夜はいつだって生理2日目のナプキンのいちばん染み込んだぐちゅぐちゅの部分みたいで気持ち悪いね、女の子を捨てたらあらゆる奴らからの消費から逃げられるとでも思った?頂け頂け頂け、爆弾みたいに、花火みたいに光るエネルギーを頂き続けろ、マニュアルなんてない。えぐめのスピードで透明な死体を増やしていく僕しか愛せないと知った。君が呪い殺した全てを焼き尽くす、骨が灰になって煙として空に上がっていくのをぼおっと見ていよう。やっと殺せたねって、それ以上に希望みたいな言葉ってないね。

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