産まれたてのあい

黒いリボンできみの太ももをぎゅっと縛った。手作りの赤い糸は思っていたよりもかわいくて度数が高いお酒みたいだった。まだ幼いあたしにあの娘は「愛してるよ」と耳元で囁いた。このピンクにぞくぞくする感覚、なんだろう、この娘って誰なんだろうって知りたくなる、あの娘の脳の中を垣間見たくて全てのアカウントであの娘をフォローした。脳の中は宇宙の構造と似ているって言うじゃん、君の宇宙もみせてよっていやらしい顔で君が言うからパンツを脱いで脚を開いてしまった。ばかみたい、とケラケラ笑う君を見ていた。追いつけそうで追いつけないからすきなんだ、ああ、あああああああ、ぶっ殺したい。経血で染まったお風呂にあたしの頭が沈められていて堕ちたんだと確信した。あの娘の描くかわいいかわいい地獄に。着いてきて、と君は言った。かわいいかわいい甘ったるい声で。君をみつけた瞬間のあたしの鼓動を裏切りたくない。みつけなければあたしこんな地獄みなくて済んだのになんて泣かないでよぉ、一緒に溶け合おう、どろどろに。君の唇からは毒入りの苺の香りがした。

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