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【彼と彼女のものがたり】side Y

「魂」で繋がる彼と彼女のものがたり

現実の光と闇を行き来しながらも

お互いの存在を意識しながら

共に生きていく。
《境界線》〜side Y〜



これだ!と信じてきたものが

(なんか、変わった!?、、、)と感じる瞬間がある。



これまでも、そんな「瞬間」は幾度となくあったと思う。


それはゴルフのスコアがのびるのと似ているな、
と颯太は思っていた。


そこに行くまで、必要な努力は前提だが。


無理に頑張るのをやめた時、

気づいたら

自分が設定していた「境界線」を超えていることがある。


それは
キャリア○年だから、、とか
年齢がいくつだから、、、とかいうものではないんじゃないか?


颯太はそう感じるようになっていた。



「今度ね、
業務委託で外に出ようと思ってるの」

「、、、ここをやめるってこと?」

「ううん、
隙間に出来ることもあるからねー」



薫もコンフォートゾーンから踏み出すことを決めたようだ。

「端的にいうと、

《御用聞き》みたいな感じかな。

個別訪問してお困りごとのお話をうかがうの。

サロンワークじゃ、聞ききれないことっていっぱいあってさ。

それを《具体的行動》につなげるお仕事なの」

「ここにいると、
話だけで終わりで
何にも出来ないのが辛くてね、、、」


(薫らしいな、、、)と思った。


「美容師だからって、サロンワークに縛られるのはなんかちがうでしょう?」

「ヘアの仕事って
カラダがあれば出来るもん」

「時間のやりくりは薫は得意そうだもんなー。
いいと思うよ!」

「颯太さんの言ってた年表、
私もやってみたの!」

「職務経歴書、生まれて初めて書いたよ 笑
年表、めちゃくちゃ使えたー
ありがとう〜」



同じタイミングで
似たようなことをしているのが可笑しかった。


(薫との関係はおそらく普通に説明しても
誰にも理解はされないだろう。)

恋人でもなく。
友達でもない。

恋愛感情に近い感覚もあるけれど、、、

好きだ嫌いだの範疇にはとても収まるものではない。。。

「それ」を薫に当てはめるのは失礼な気もしていた。


だからこそ。

安易にこの感情を
伝えるのはちがうようにも思っていた。


(、、、、薫はそれをわかっているんじゃないか、、、?)

確証はないし、
わかりやすい形ではなくとも。


颯太はこの繋がりを信じていた。









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