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好きという感情、アタシには難しいんだ。


「好き」

いいよね〜。

好きから派生する、

「恋慕」の情。

アタシはこの「恋慕」というコトバが大好きデス‼︎
情緒あるって言うか、趣きあるって言うか…
とにかく美しい日本語の中で、特に好き!

このnoteでも繰り返し使わせていただいてます。
美しいコトバの国に生まれたコトを神様に感謝申し上げます、ありがとう〜!



「恋慕」、辞書には「恋い、慕う」とあります。

「恋い慕う」を調べると、「恋しさいっぱいで、寄りすがりたいように慕う」と記されていました。

「恋い」は「特定の相手に心ひかれて、その人を思い慕う」とあり、 

「慕う」は「愛着の心をいだいてあとを追う」とありました。



なんででしょう、アタシはこの「恋慕」という行動に、人間らしさを感じずにはいられないのデスね。

誰かを恋しく思う、ソレって、人間ならでは、じゃないですか?

だから、アタシはこのコトバが好き。



ですが、この感情、あまりにもコントロールが難しく、アタシにはとてつもなく
「難しい行為」
なのデスね。



人を「恋い慕う」事が難しい、と、初めて理解したのは、高校一年生の冬、人生初の彼氏ができた時デス。



自分を「底辺ブス」だと認識し、男子から注目される存在とは程遠い、そう考えていた中学生時代を経て、女子校ではなかったモノの、男女比2:8という、圧倒的女子多数の高校へと進学したアタシ。

クラスには男子は1人もおらず、誰に気兼ねするコトなく自由気ままで楽しくてたまらない高校生活を送っていたアタシですが、中学時代の友達に
「彼氏と彼氏ん家でクリパするからaneも一緒にどう?」
とクリスマスパーティーに招待されます。

「彼氏の友達がクリスマス暇、って言うから、その子も連れてきていい?」

友達、友達の彼氏、その彼氏の友達、アタシ。

なんだかコンパみたいな小っ恥ずかしいノリで始まったクリパ。



友達と彼氏はラブラブで、
「買い出し行ってくる〜」と、
アタシと彼氏の友達を2人きり置いてどっか行ってしまう。

ハナシの流れで、お互いフリーだね、ってなる。

「彼氏いなくて、好きな人いないなら、オレ達付き合ってみない?」

友達の彼氏の友達が持ちかける。


アタシは、

周りに女子しか居ない環境だし、アタシみたいな不細工、このままだと彼氏できるとか、ちょっと難しいかもしれないな〜。

って思ったら、

この人とお試し感覚でお付き合いしてみるのも、あり、なのか?

なんて思って。

幸い、相手もそこまで深く考えてなくて、ノリ、みたいな感じもあるから、

「ありゃ?
コレ、なんか違うかも?」

って思えば、すぐ別れちゃえばイイだけだし、なんて安直に考えてしまって。

気がついたら、
「うん、イイよ」
って答えてた。



さてさて、そっからが、アタシにとっては

「アレ?なんで?どーしてこーなった?」

の連続で。



その彼氏は毎日毎晩、電話をかけてくる。

「今日、オレ何々してた、そっちは何してた?」

え、何しててもアタシの勝手じゃん?

てか、キミが何してた、とか、アタシ、別にキョーミないんだけど?

「部活だよ」

それぐらいしか答えられないし…

この毎晩掛かってくる電話が、だんだん、アタシにとって重荷になってく。



それと同時に、相手の
「aneちゃんのコト、大好き」
っていう感情も重荷になっていく。


どうしてそうなったのか、まったくアタシには理解できないケド、気がついたら、彼氏、アタシにドハマりしてたんデスね。

大好きでたまらなくて、毎日、何してるか気になって仕方ない

んだ、と。

えー…
そんなふうに始まった2人じゃなかったハズじゃーん…



アタシは、アタシの生活がとても大事。

部活も楽しい

友達とはオールで遊びたい

彼氏との時間は、空いた時間で工面するモノ

アタシの彼氏に対する優先順位がとてつもなく低かった。

彼氏のコト、考えてなかったワケではありません。

でも、常に優先順位の第一位にはできなかったんデス。



アタシは、一緒に時間を過ごせば、彼氏のコトを少しずつ好きになっていくのだろう、そう思ってました。

特別な恋愛感情を抱いて始まった2人ではありませんでした、少なくとも、アタシはそう感じてた。

ソレなのに、どうして彼氏はアタシのコトを
「世界一カワイイ」と言い、
「死んじゃいそうなくらい好き」と言うのか。

ハッキリ言って、
「ワケ、わかんない」

だけど、そこまで深い情を抱いてくれてるんだから、一緒に居れば、アタシもそのウチ、だんだんと情が湧いてきて
「好き」
っていう感情を抱くコトになっていくのだろう。

そう簡単に考えていたのデスが…



人間のココロって、そんなに簡単なモンじゃない。

少なくとも、アタシにとっては。

「相手が好きでいてくれるんだから、そのウチ自分も同じ気持ちになるだろう」

なんてコトにはならなかったんデス。

ただ、

「重た…」

そうとしか思えなくなっていく。



公演前でめちゃくちゃ部活が忙しくなって、帰宅が11時を過ぎちゃう、なんて日があって、彼氏からの電話に出られないコトがあって。

当時、携帯なんて無くて、連絡手段なんて家電しかないからそんな時間に折り返しの電話なんてできないし。

次の日、部活途中抜けして彼氏に電話したら、電話口で
「どうしてすぐに電話折り返してくれなかったの⁈
そんな時間になるまで部活とかフツーじゃない!」とか言われて、挙句、泣き出されて、「部活にオトコいんのか?」とかめんどくさいコト、言い出して…

あ、アカン、マジでダリぃワ

って思ってしまって。




彼氏と同じだけの
「好き」
の感情を返せない。

なんなら、アタシは彼氏に対して「恋慕」の情を抱いてないんだナ、ハッキリとそう認識してからは、急速に冷めてしまう自分を止めるコトはできませんでした。

アタシはアタシなりに、彼氏を「好き」になろうと努力を重ねていたつもりではいたのデスが、

「努力で自分の気持ちなんて変えられるモンじゃない」

そう悟ったアタシは、別れを選択します。

これ以上、彼氏の時間と気持ちをアタシに拘束するのが偲びないし、アタシ自身も彼氏の為に割く時間がもったいないと感じたし。

そもそもに「お互いの時間を拘束し合う」などと、その考え方自体が、恋人同士として間違いだヨナとも思ったし。

好きな人と一緒に居たい、そう思い合えるからこそ、恋人同士として良い関係が保てるハズなのに、一緒にいたい、という気持ちをどちらか一方が持ってない、だなんて、ソレってもう破綻してる、じゃん?って。

「ごめんなさい、キミがアタシを思ってくれるだけの『好き』を、アタシはキミに返せません。
別れよう」

そう言って、別れました。




アレから28年の月日が流れ、元カレの通ってた高校に我が家の長男が進学致しまして。

当時は男子校でしたが、今は共学になっているにも関わらず、男子の制服は当時とまったく変わっておらず…

昔っから、かなり特徴的なデザインなので、地元では、見ればどこの高校か一発でわかっちゃう、そんな制服。

元カレに比べたら、ウチの息子氏はかなりオシャレに制服を着こなしていたので、もしかしたら地味〜にマイナーチェンジはしてたのかもデスが。

ウチの子、長身足長のイケメンなので、ただ単に何着てもカッコいいだけ、かも〜。
スンマセン、親バカなんデス、テヘペロ。


友達の元カレも、同じ高校だったので、飲み会の時に友達にウチの子の入学式の写真を見せて

「ねぇ、ねぇ、ウチの子、めっちゃカッコよくない〜?
おんなじ制服着てんのにサ、元カレ達とは大違いだよね〜」

なんて親バカっぷりを発揮してた時に、元カレのハナシになって。


「ane。
アンタと別れた後、あの子、大変だったんだよー?
ずーっとaneと別れたコト引き摺りまくって、ずーっと『aneちゃ〜んaneちゃ〜ん』って泣いててサ〜。
私の元カレも、私も、あの子宥めるのに苦労したんだからネ〜」

と愚痴られてしまった。



多分ネ、あの子、友達たちみたいな恋愛ができる恋人が欲しかったんだと思う。

2人は超ラブラブだったから。

そういう超幸せラブラブな関係を、アタシと築きたかったんだろナ〜

そう思いました。

そう、軽いノリでお付き合いを決めたアタシとは、根本から違ったんだと、初めて気がついた瞬間でした。

あの子は、超ラブラブな毎日を過ごせる彼女が欲しかった、そして、ソレをアタシに求めた。

だとしたら、そんな関係を望んでなかったアタシは、カレの言う
「付き合おうよ」
に軽々しくオッケーしちゃダメだった。



申し訳ないコトしたなぁ。

アタシみたいなシャッバシャバ空気のオンナなんかに捕まって、傷つけられて、ホントに可哀想。

でも、しゃあなし、や。

そういう紆余曲折、失敗を繰り返して、人は大きく成長するモンや。

きっとカレは
「次こそは、幸せな時間を過ごせる恋人作るゾ」
と立ち直り、アタシを反面教師として、素敵な恋愛を幾度か繰り返し、どこかで幸せな家庭を築いているコトでしょう!

てか、そうであってくれ!
と願うばかりでございます。

って、自分本位な解釈で都合よくあの子の幸せとか願ったり、ホンマ、アタシって、つくづく勝手が過ぎんな〜。


でもね、彼氏と別れて何年か経ってできた新しい別の彼氏。
アタシはその子のコト大好きだったんだけど、その子はあんまりアタシに感情なかったように見えてて。

あの子の事あって、一方的な「好き」の気持ちを伝えるコト躊躇ってたら、

「自分のコト好きかどうかわかんないオンナと一緒にいてもネ」

って、別のオンナにあっさり寝取られてしまい。

きーーっちり、神様によって、あの子のしっぺ返しくらいましたとサ、ってオチ付きのお付き合いをアタシが経験したので、コレで「おあいこ」ってコトにしてつかあさいや!

おあいこ、て。

ホンマ自分勝手…トホホ、ごめんヨ、こんな残念ポンコツなオンナでヨ…




自分のコトを好きになってくれる男の子なんてこの世にはいない、そんなとんでもなく卑屈にしか考えられなかったアタシを、あの子は劇的に変えてくれました。

こんなアタシのコトでも、ちゃんと好きになってくれる、だなんて、なんてありがたいんだろ、

何度そう思ったコトか。

そんなあの子に、恋慕の情を持てなかったコトは、非常に残念なコトです。

でも、人に恋焦がれるコトはコントロールできるモノじゃなかった。

だけど、あの子には伝えきれないほどの感謝の気持ちが確実にアタシの中にありました。

あの子がいたから、アタシはアタシらしくありのままでいて良くて、そんなアタシのコトを大切に思ってくれる人は必ず居る、ソレを知るコトができたので。

アタシにとってあの子は、大事なコトをアタシに教えてくれたとてもとても大切な人なんデス。

それは31年の時を経ても変わらない。



今夜だけは、こんな勝手なアタシをお許しいただき、あの子の人生のご多幸をお祈りするコトといたしましょう!

Y君!
キミの人生が光輝き、幸多き日々がこれから先ずーっと続いていくコトをココロからお祈りしてるよ〜!
いつまでも元気でいてねー!

どこで何をしてるかもわからないキミに、アタシなりの感謝というカタチの愛を込めて…

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