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無意識にうたうはなうたのように_第4期

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遺すためだけのもの。はなうたもことばも儚い夢の隅
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記事一覧

テイルウィンドを追いかけて

いつかの昨日を待ちつづけるから 夢は色濃くなる 読みかけた本の隙間にいれた指の 隙間から見…

りよう
2日前
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別れみち、のち、帰りみち

ふたつの目で見ても 単焦点 let me see くらいの空白で 永遠のことを おもいだす ふたつの目…

りよう
8日前
73

空も 海も 深く深く蒼い 深く 深く 蒼を持っていると 何もかもを ゆるす 深さを 感じること…

りよう
12日前
86

空白容量の余白

ほんとうを失って ないことをあるようにもせず ないことをないものともせず それをどうともし…

りよう
3週間前
77

1/75ゆれ花弁

風が幾分やわらいできた頃 白い馬の群れが横切るような感覚をおぼえた ゆっくりと煙のようであ…

りよう
1か月前
71

チリヌルヲ

車窓から見える 満開の桜は ラヴホテルの隣で 風に凪いて 愛とは何かの 例え話みたいだった …

りよう
1か月前
75

うつろい

みんなひとりじゃないばしょで みんなひとりになりたがる ほんとうにひとりのばしょにいると ひとりはみんなになりたがる かさなりあえたら じぶんいがいのいばしょがみつかって かさなりあうから かさならないじぶんだけのばしょがみつかる みんなひとりじゃないよなんて きれいごとにすくわれる こともあるのかもしれない けれど みんなひとりだから ひとりとひとりはかさなるし ひとりのひとがなんなのかを しることができる きやすめなんていわないで せなかあわせのうつろいのなかで

インターリュード

曲間の静寂がまるで一生分の寂しさのように 永遠を感じても撃鉄は残酷に引かれてしまう 『一生…

りよう
2か月前
74

花穂

静謐の中にあるひかり 雨が止む前の幕間 花弁が休む薄曇り どんなひかりよりも眩しくて 片目だ…

りよう
2か月前
78

祈るみたいに眠る

窪みは余白 私自身がつくるもの 私の一部が 新しく作られること 自分でつくった両のてのひら …

りよう
3か月前
72

羊飼いの夜想

崩れたバランスのなかの 特異な均衡 坂道だらけの不均衡でも 居るためには それくらいでなくち…

りよう
3か月前
73

アニマ

今日は首を緩く絞められた閉塞感があり 今日という一日に入り込めなかった キーボードを操作…

りよう
3か月前
83

置き手紙

口実をつくって外に出たら Tom Mischが降るような空だった ぜんぶわかったような思い込みで 諦…

りよう
3か月前
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白夜

風景は水面のように揺れ まばゆさが一層揺らぎを大きくする 思考は足を止めて 諦めたかのように五感にすべてを委ねる かなしい夜が明けるのを待っている 確かに先には猫がいるのに 曇り硝子にある静止画みたいに かなしい夜は長く、長くて、長い 少しだけ吸い込んだ煙のように 暗闇は肺の奥を締めつけて 大きく吐き出そうとする息は 水面を揺らして風景を歪ませるばかり 泣き出した夜は長く、うるさくて、静か 弧を描く月はきっと日々こんな気持ち なのだろう と、思った