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パニック障害になった原因について本気で考えてみた


通い始めた鍼灸院の院長先生から、パニック障害が起こった原因についてヒアリングされたのですが、私自身本当に全くと言っていいほど心当たりがありませんでした。

とにかく早くこの症状を治すこと、元の状態に戻すことだけが念頭にあったので、何故パニック障害が起こったかの理由なんて深く考えていなかったのですが、院長先生に聞かれて初めて「原因」について本気で考えてみました。

この「原因」が、まさか遡ること1年も前の自分の生活にあるとは、その時の自分は考えてもみませんでした。


遡ること丁度1年前に自分に起きていた出来事

私は丁度1年前、大手広告代理店の営業の仕事に就いていました。

今考えれば本当に恐ろしいですが、朝から深夜までかなり過酷な長時間労働で、残業は当たり前、土日の休み等皆無、少しでも早く仕事が上がれるとなればたちまちクライアントや上司の接待(飲み)に強制的に参加させられ、浴びる程お酒を飲まされ、プライベートの時間は0。

毎晩夜中の2時までほぼ半数の社員がデスクに残っており、1時に仕事が終わればかなり早い方で、その時間から必ず残っているメンバーで食事に行く→飲んで食べてまた会社に戻る→1時間程仕事をしてやっと帰宅できる、という、NOという選択肢は与えられないかなり体育会系の会社でした。

深夜帰宅して家に着くのは大体深夜の3時〜4時半の間。

シャワーなど浴びる体力は残っておらず、そのまま玄関で倒れて就寝(気絶?)し、朝起きてシャワーを浴びまた出社という恐ろしい労働環境でした。

過酷な労働環境ゆえ、女性社員は非常に少なく、特に私の所属する部署は男性が8〜9割だった為、接待には必ずと言っていいほど参加させられました。

身体も頭も完全に思考が麻痺していて、自分が何がしたいとか何が好きとかいう意志なんてはるか昔に消え去っており、とにかくお金を稼ぐことだけにフォーカスし、日々生きているような毎日でした。

精神的にかなり辛い出来事やパワハラなんて当たり前のように起こり、相談できる人は一人もおらず、でも業務だけは毎日恐ろしい程沸いて出てくるので悩む暇すらも与えられないような状況でした。

そんな中、ある日突然下腹部に痛みを感じ病院に行ったところ、婦人科系の疾患が見つかりました。その時私はどうしたらいいのかまともに判断すらできず、泣きたい気持ちで猛烈な不安に襲われましたが、その日の夜にも当たり前のごとくクライアントの接待が入っており、「接待に行かなきゃ。仕事をしなきゃ。働いてお金を稼がなきゃ。」というおかしな感覚に脳みそが丸っと飲み込まれ、現実逃避の為に私は仕事をし続けました。


初めて心の底から出た本音「会社に殺される」

しかし、本当にその数日後に某大手広告代理店勤務の女性社員過労死のニュースがメディアで報道されました。

それを機に、私の勤めていた会社にも労働時間の改善含む、働き方改革のメスがようやく入るようになったのです。

その時初めて自分の本能の部分がやっと覚醒したというか、長い眠りからようやく目が覚めたという感覚だったのですが、「人の命が無くならないと変わらない社会のシステム」に猛烈な不自然さを覚えました。

人が死なないと変わらない会社なんておかしい。

自分が今病気になったって、死んだって、会社は助けてくれない。

このままでは、私もこの閉塞された世界の中で死んでしまうかもしれない。

もはや会社が良いとか悪いとか以前の問題で、私はとにかく生きていくために4年半勤めていた会社を辞める決意をし、とにかく当時の全ての環境を変える為に会社から電車で1時間以上かかる自然環境の良い海の近くの街に引っ越しをしました。

パニック障害の発症は1年前の自分に原因があった

私がパニック障害を発症したきっかけは、この1年前の自分の過酷な労働環境が原因でした。

院長先生にヒアリングしていただいて、自分でも初めて気づいたことです。

人間の身体とは実に不思議なもので、大きなストレスを感じたその瞬間やその直後はアドレナリン等の様々な脳内刺激物質が分泌されているので、精神的な疾患が唐突に出てくることはあまりありません。

しかし、多大なストレスを感じる状態が過ぎた半年〜1年後。

精神が安定を少しづつ取り戻し始め、アドレナリンも分泌をやめた頃に、身体が或いは自分の魂が「あ、もう出して大丈夫だな。」とでもいうように、抑圧され溜め込んできた感情や身体のストレスが一気に流れ出てくるのです。これがパニック障害やうつ病、あるいは精神的なもの以外の疾患となって出てくるのです。

私が受診した鍼灸院の院長先生がおっしゃっていたのですが、患者さんにもパニック障害になった原因について身に覚えのない方が多く、よくよく1年前まで遡った話を聞いてみると、半年〜1年程前に母親の看護で壮絶なストレスを受けていたり、大事なご家族を無くされて大きな精神的ショックを受けたりと、パニック症状が発症した半年〜1年程前の出来事に原因を抱えている方が多くいらっしゃるようです。

私の場合も1年前の膨大なストレスの蓄積が、仕事を辞めて落ち着いた今になってどっと溢れ出た状態。つまり、「パニック障害という症状として」それが身体に現れた可能性が考えられるとのことでした。

自分の病気の原因が1年も前の自分にあるなんて、普通だったらあまり想像できないと思います。もちろん、その他にもその時の免疫の低下や細々した複合的な理由によるものもあるとは思っています。

ただ、何より自分の中で、結局4年半貯め続けてきた精神的ストレスを解消する場所がないまま、今となって一気に溢れ出た、という感覚をかなりしっかりと実感していました。

自分の中ですでに終わった過去の悪夢が、顕在意識上では終わっていても、身体や潜在意識の中にはしっかりと残っていたのです。


理由無くパニック障害になることはまず有り得ない

至極当たり前のように思われると思うのですが、パニックになると本当に様々な症状が出ます。

症状自体がかなり辛いので、とにかく病気を早く治すことにフォーカスしすぎてしまい、そもそも何故自分がパニック障害になったのか、という原点をきちんと理解しないまま症状だけ抑えることに注力してしまう方がかなり多いんじゃないかと思います。


私も最初はかなりアバウトで、「疲れが出た」とか「ストレスが溜まってた」とか、「なんとなく」や「たぶん」を原因としてとりあえず脳に理由づけし、とにかく早く病気を治さなきゃ!と治療することだけに囚われていました。

根本の原因を自分できちんと理解すれば、まず安心すると共に治療の概念が変わってきます。

パニックになった原因を本気で考えてみてください。
これは自分自身と向き合う最大のチャンスでもあります。
何よりもまず、あなたの身体が、やっと面と向かって私と話してくれる気になったのね〜と安心します。心と体は本当に繋がっています。

他の誰でもない「自分」に焦点を当てて、自分自身に対して一生懸命になることは、自分に命を懸けること=自分自身への信頼を取り戻すことでもあります。

遠回りなようで、これが治療の一番の近道だと私は感じています。

心と身体の治し方については、それぞれ個別に自分が実際に実践した(今もしている)ことを中心に一つづつ記事をアップしていきます。


一部ネガティブな内容が含まれており大変申し訳ありません。

必要な方にこの記事が届きますように。






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