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わたしと音楽

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記事一覧

音楽家は皆、上品な変態である。

音楽家は皆、上品な変態である。

ピアノはただ音を出して指を動かすだけでは上達しない。

私はそう気付いてから、工夫して自分の理想にアプローチしてみる事を意識しだした。

音楽とは瞬間芸術である。いくら録音されたもの、録画された動画を通して鑑賞したとしても、その場の臨場感は味わうことなど出来ない。
空気の流れ、プレイヤーの呼吸、聴衆の熱、反対に冷ややかさ、咳の声、会場の軋む音…、全てその場の偶然が合わさって尚、それが音楽と一体化す

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ドレス負け、したあの日から

ドレス負け、したあの日から

『あなたのドレス、すごく素敵だったわ。』
『あら、あの素敵なドレスの子じゃない』

銀座ヤマハホール。
ドレスだけを褒められたあの日から、私は、女性ピアニストの醍醐味であろう“本番でドレスを着る“ことが出来なくなった。

コンクールには、入賞者にだけ出場権が与えられる入賞者披露演奏会が付随する。
私はあるコンクールで優勝した。そして、そのご褒美コンサートへ出場することとなった。

2位に入賞した子

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スクリャービン

スクリャービン

「スクリャービンという作曲家をあなたはどのように解釈している?」

「彼とは、もし、例えもし私がロシア語を喋れたとしても言葉が通じなかったでしょう。そして私が彼の前に立ったとしても、そして私が彼と目を合わせたとしても彼の瞳は私を捉えないでしょう。更に思うことといえば私が見ている彼はまた、彼の虚像であると思うのです。本当の彼はそこに存在していない。私が例え彼と同時代に生きていたとして、同世代だったと

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私にはチョットだけ才能があった

私にはチョットだけ才能があった

私には天性の音楽的な感覚があった。

初めてのピアノの発表会。恐らく3歳の頃だったように思う。私は特に緊張する訳でもなくステージまで出ていった。

そこにあったスタインウェイのピアノを弾いた時のことを少しばかり覚えている。
「家のピアノと音が全然ちがう、きれい!」
高音を弾いた時、
「会場にすっごくよく音が響く!!たのしい!!」

そして小さいながらに、どうしたら綺麗な音を出せるか、響きを楽しめる

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音大あるある:「楽器ごとの性格」

音大あるある:「楽器ごとの性格」

私は中学から音楽科に在籍したため、沢山のチョット変わったクラスメイト、スクールメイト、先生方たちに囲まれて育った。
この音楽の世界には精通しているつもりだ。

あるある① 圧倒的なB型率
血液型と性格って関係ないと言われているけれど、音高時代の私のクラス、
19人中 A型-1人、O型-3人、AB型-3人、そしてB型-12人の(傍から見たら)とても珍しい比率だった。
ただ音楽の世界では普通である。

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自分を批判しすぎた。

自分を批判しすぎた。

自己肯定感、周りと比べない、自分らしく生きる。
最近よくこういう言葉を聞く。
ただ、何か物事の渦中にいるときって、どうしても絶対的な評価を自分自身にしてあげるのは難しいなと思う。

私は一年前に音楽大学を退学した。
小、中、高、大とかなり厳しい先生に師事していました。

週一回のレッスンはド緊張のイベント。
素晴らしい先生方に習っていたのもあるけれど、もう先生たちの求めるものが高くて高くて。滅多に

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音大を突然退学した私が向かったのはマレーシアでした。

音大を突然退学した私が向かったのはマレーシアでした。

私は昨年6月から約半年間、マレーシアに語学留学した。
なんでマレーシアを選んだのかっていうのは極めてシンプル。大好きな国だから!

この学校で、たっくさんの人に出会い、そしてたっくさんの人にさよならを言った。
帰国するとき、友達と別れるのはこんなにも寂しいんだということには心底驚いたなぁ。

私はずっと過保護ともいえる環境で生きてきた。自分の道を自分で選択したのは22歳にして、これが初めて。

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音大に行かなくてもピアニストにはなれるよ

音大に行かなくてもピアニストにはなれるよ

私が行っていた中学、高校は私立で、お嬢様学校で、伝統を固く守る系のところでした。

そして何より特別だったのは、音楽科があるということ。
しかも、かなり素晴らしい先生方を揃えているというところ。
そして音楽科は六年間(高校から入ってくる子もいるけれど)クラス替えがなく、一クラスしかなく、20人を上回ることはなかったってところ。

これってどうかと思うんだよねー。
私のクラスは中学、14人からスター

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音楽のもつ力って手に負えないと思うんだ

音楽のもつ力って手に負えないと思うんだ

本題を書く前に、私の大好きなクラッシックの楽曲をただただ羅列しようと思います。

~私の好きな曲たち~(ジャンルバラバラ。挙げきれないので本当に好きなもの)
・バッハ 無伴奏チェロ組曲
・モーツァルト 交響曲第38番「プラハ」
・リスト 巡礼の年第一年「スイス」
     巡礼の年第三年 エステ荘の噴水
・ショパン バラード第四番
(これは高1の時コンクール本選で弾きました。聴きたいけれど、恐ろし

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ラフマニノフに「音の絵」っていう曲集があるんだけど、いやぁ、訳した人天才過ぎるよね。音の絵、だよ、音の絵。ひゃー素敵

私の音楽史

私の音楽史

覚えている範囲で、私が音中音高音大時代、年二回の実技試験やコンクールなどで弾いた曲たちをまとめようと思います。

これは誰に見せるブログでもなく。。自分用
本気になる中三まであんま記憶ないですはい。
活躍されているピアニストさんたちと比べたらどうってことない、進みは遅いですが。。。

【中一】
前期 : モーツァルトのソナタ(D-durのやつ。作品番号わからん)
後期 : ベートーヴェン / Op

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わたしが音大を辞めた理由

わたしが音大を辞めた理由

このトピックについて書くのはとても苦しい。過去のことを思い出してはその感情を再体験することになるからね。でも一方で、この人生経験をなにかにまとめたいと思ってしまう自分もいる。

今からそんな、2年前に起きた出来事を綴ります。

音大をやめた理由、これに関しては、一言で○○だから!と言い切きることはできない。私は二歳前からピアノを弾いてきた。経験したことの大きさを考えると、大変な決断で、たくさん悩ん

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またクラシック音楽を愉しめるようになった!!

またクラシック音楽を愉しめるようになった!!

昨日、ふと気が付いたんです。
「わたし、クラシック音楽を以前のように、そして以前よりも増した感受性と共に愉しめるようになっている!!!」って。

今の生活に身体が馴染んできたから?
なにか自分の人生で乗り越えたものがあるのだろうか。

少し前まで、クラシック音楽、とりわけ自分が関わったことのあるピアノ曲を聴くと苦しかった思い出が脳裏に鮮やかによみがえり、普段封印していた筈の、彼方にあるような記憶す

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