第71回NHK紅白歌合戦でMr.Childrenを観ました。
Mr.Children「Documentary film」
事前の発表の際にTwitterのトレンド入りはしたが、もっと注目されても良いと思ったアーティストのうちの1組。
何しろ紅白へは12年ぶりの出演。そして「紅白に出ないのが当たり前」と長年言われている大物アーティストの1組でもある。
12年前は「NHKの北京オリンピックテーマソング(「GIFT」)を担当」という圧倒的大義名分で出演を行ったMr.Childrenだが、今回は
・そもそもテレビ出演自体が5年ぶり。
・新アルバムリリースはあるがNHKのタイアップはなし。
・4年前に朝ドラ主題歌をやったときも出演しなかった。
という今年の紅白歌合戦に出演する意義のようなものがイマイチ見当たらない状況だが、特別枠でもなく最初の発表アーティストに白組としてしれっと混ざっていた。
松任谷由実やYOSHIKI、玉置浩二といった大物が次々と特別枠での参加を表明するなか、普通の枠で他のアーティストと同列で参加するMr.Childrenからは「出演はするけど特別扱いはされたくない。」という意思や現役アーティストとしての矜持のようなものすら伝わってくる。
楽曲は「Documentary film」。2020年12月に発売されたアルバム『SOUNDTRACKS』のリード曲である。
個人的には「終わりなき旅」や「HANABI」、「innocent world」あたりを白組トリとして披露し、あらためてミスチルの存在を令和に知らしめるのもアリだと思ったが、そこは新譜のプロモーションに徹するのがミスチル。ブレない。
だがもちろん、当日のパフォーマンスはただ新曲を披露というわけではなかった。
12年ぶりの紅白出演を知らせる映像では、2017年に行われたスタジアム公演などの映像が使用されており、ファンとしてはコロナ前に満員の会場で行われていた彼らのライブを懐かしく思った。
総合司会の内村光良がMr.Childrenの登場に興奮しているのが少し楽しく映るなか(大泉洋はこのときオーケストラスタジオにいたが、12月中旬の「Mr.Childrenスペシャル」といい今回といい、ミスチルと大泉洋は絡めないという不文律でもあるのだろうか。)画面は桜井さんのソロショットへ。
「Mr.Childrenです。今年はいつもと違う異常な年だったと思います。でも、何の変化もない、いつも通りのことなんかこの世にはないのではないかと、考えたりもします。だからこそ、今まで当たり前にあった日常を、いつもすぐ近くにあったものを、今生きているということを、切実に慈しみながら次の曲をお届けしたいと思います。」(2020.12.31 「第71回NHK紅白歌合戦」より桜井和寿コメント。)
桜井さんはこのようにMCを行った。2020年は今まであった当たり前の日常の崩壊を多くの人が感じたと思うが、そんな年の瀬にだからこそ桜井さんもといMr.Childrenは今生きられていることや日常を強く肯定してくれるこの「Documentary film」を歌ったのではないだろうか。
演出もMステや他の番組同様派手なことは一切行わなかった。(4人のほかにピアノのSUNNYさんやストリングスがいたことは例外。)
主役は「歌」。自分たちが本当に届けたい歌をただ一生懸命披露する。
2008年の「GIFT」と違い、紅白だからこそのパフォーマンスとは言えなかったが、Mr.Childrenは彼らが今まで当たり前のように奏でてくれた「歌」にこれまで以上に寄り添い、Simpleに届けてくれた。
てなわけでミスチルのステージは最高だったので、早急に最新作『SOUNDTRACKS』のストリーミング配信をよろしくお願いします。←(追記:2021年2月14日、ダウンロード&ストリーミング配信開始。本当にありがとうございます。)
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