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ディティールを意識する上で大事なこと(全文無料)

 今日も今日とて柔術は楽しい。今日はディティールの話。


1.技にはたくさんのディティールがある

 一つの技にはディティールが山の様にあります。トップレベルではディテールを突き詰めないと技が成功しません。

 例を挙げます。全部読まなくていいです。とにかくたくさんあるってことを言いたいだけです。

三角絞めのディティール
・足を締める
・自分の両足のスネの角度
・角度を付けて正面にいない
・角度をつける時のエビの仕方
・相手の頭を下げる
・相手の頭の位置を近づけない
・腕を流し方
・腕を流すときのグリップ
・手を持つ位置(相手の頭か、自分のスネか)
・腰の突き出し
・相手の肩を隠す
・自分の内ももの位置
・スネの角度
・足首の角度
・足の力の入れ方
・使う筋肉の意識
・相手の状況に合わせたバリエーション
→オモへのトランジション、逆組み三角、スイープに切り替え、三角十字
etc…

もう一つだけ例を

ベリンボロのディティール
・エントリーで相手の膝をひねる
・相手の手前の膝を越える
・相手の腹にスネか太ももをタイトにのせる
・膝裏と膝裏を合わせる
・相手の手前の腰(骨盤)に密着する(スネor骨盤)
・グリップを襟グリップかベルトグリップか
・相手の背中が浮いているか、マットについているか
・背中が浮いているときは腰を抱く、腰が軽くなっている状況なので~
・背中がマットについているときは手前の腰にしっかり自分のスネか骨盤を密着させてめくる
・めくったら自分の手を台にして相手の腰を浮かせる
・相手の重心が遠いか近いか、遠いならば、近いならば~
・トップテイクとバックテイクの使い分け
・クラブライドとの連携
・ツイスターフックとの連携
・Xフックとの連携
・かかとを持っている手の使い方
etc…

まだまだありますが、ここらへんで

 「神は細部に宿る」といいますが、トップ選手の技は精度が高くディティールが詰まっています。

2.「じゃあ俺たちもディテールを意識しよう!」なのか?

 どうやってディティールを突き詰めていくのかまとめます。

2-1 最初から全部のディティールを意識するのは厳しい

 「トップ選手のディティールがすごいから俺もそうしよう!」となるのは分かりますが、ちょっと落ち着いて。いきなりトップレベルの技のディティールをすべてやろうとするのは不可能です。白帯が三角絞めで「まず足の組み方は、スネの角度は、自分の体の角度は、相手の頭の位置は、相手の腕を流すときは、・・・」みたいになったらまともに技を出すのは不可能です。

2-2 最初は1~3個のディティールでいい

 「とりあえずこれができていないと技が決まらない」基本のディティールが1-3個あります。最初はそれを意識しましょう。

三角絞め:頭を下げる、相手の肩を隠す、腕を流す
ベリンボロ:膝裏と膝裏のかみ合わせ、下になる足の密着
シザースイープ:相手の重心を引き付ける

 あるあるなのが、youtubeなどで見たディティールを意識したけど、そもそも一番重要な基本のディティールができていないので技が決まらないというパターンです

2-3 「スパーでデータ収集←→打ち込みや技研で確認」

 基本のディティールを意識してスパーで試します。最初からしっくりくることもありますが、たぶん失敗します。そしたら、なぜできなかったのかを考えます。「基本のディティールができていなかったのか」「さらに細かいテクニックが必要なのか」「つかうタイミング(シチュエーション)がまちがっていたのか」これらを考えることで強くなります。

2-4 ディティールを整理、優先順位をつける

 2-3の作業をしていくとある程度基本のディティールが身に付きます。そしてシチュエーションやリアクションごとのディティールがあることが分かってきます。また、別のディティールが実は同じ意味だということが分かることもあります。どの場面でも万能に使えるディティールはありません(あるとしたらそれはディティールではなくサマリー、アウトライン、概要でしょう)。ディティールの意味を理解して整理しましょう。

 ディティールを自分の中で整理して、優先順位をつけて実戦で使っていきます。

4.まとめ コンセプトを忘れない

 ディティール(コツ、ポイント、テクニック、詳細)は大事です。でもこれらが100%できていないと技が成功しないというわけでもありません。極論、「技が決まれば何でもいい」です。

 でもレベルが上がってくるとディティールを突き詰めないと技が決まらなくなります。

 しかし大事なことはコンセプト(技のゴール)を忘れないこと。ディティールはそのコンセプト(技のゴール)を達成させるための手段であり、ディティールができることが目的ではありません。

 「技が決まれば何でもいい」も大事だし、「ディティールができないと技が決まらない」も大事。この二つはコンセプトにたどりつくためのスタンスの違いです。どちらも正解です。

 自分なりにディティールを整理して自分の中に落とし込んで実戦で使えるようにしていきましょう。この記事が参考になればうれしいです。

2024/5/2 アンディ

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