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テクニッククラスの効果を倍にする方法。氷山の一角

 今日も今日とて柔術は楽しい。今回はクラスの内容の話。昨日娘が生まれました。めでたい。1週間くらい入院、その後もしばらくは妻の実家の方にいるのでちょっとのんびりしてます。週末は会いに行くのでワクワクです。


 個人的にクラスが大好きなので、効果を上げるための方法を考えました。

クラスの効果を上げるためには〇〇する

 毎回記事で書いてますが、「考えること」です。素直に先生の言っていることを吸収することも大事ですが、自分の頭で考えることも大事です。その考えることの内容について以下の章で深掘りしていきます。

クラスの内容は氷山の一角


クラスで伝えられるのは、氷山の一角
柔術の技術体系のイメージ。ごく一部を切り取っているのがテクニッククラス

 柔術のテクニックは膨大です。そしてそれらは体系的なものでつながっています。単独で存在するものはありません。例えばスイープなら、入る前のセットアップ、決まった後の形からのパスアタック、サブミッションとの組み合わせ、耐えられた後の対応、別のリアクションに対するアタックなどあります。

 教えてくれる先生の脳内ではそれらのテクニックが体系的に存在していて柔術の技術のネットワークみたいなのがあります。いわばそれが氷山。

 クラスの時間は限られているので、関連するすべての技術を伝えることは不可能です。クラスはその氷山の一角を切り取って伝えてくれているものです。

「考えること」で隠れている氷山の部分を補足して、解像度を上げていく。

 教えてもらっている内容を身に付けるだけでも十分なのですが、その技の背景や組み合わせなどを自分の頭で考えることでクラスに出る効果が増加すると思います。

・技の前(前提条件)を考える
→例えばハーフパスのクラスだったら、いかにして相手の足を跨ぐか、という部分を考えると実戦的になります

・技の後を考える
→パスやスイープは技によって技を成功させた後の形が違います。その形からどう処理するかを考える

・様々なリアクションを考える
→「相手が膝をついて耐えたら」「相手が手で肩を押して来たら」などを考える

・自分の使える技との組み合わせを考える
→技術は単独では使えません。組み合わせることで効果が生まれます。

 「!」→「?」→「!」→「?」・・・の繰り返しで技術や知識が厚くなっていきます。考えましょう。

クラスを受ける時のポイント

・できれば最初から参加する
→クラスには流れがあるので途中参加だと効果が落ちる

・ボソッとサラッと言うことを聞き逃さない

→例えばクラスの最初に「この技は相手が〇〇な時に使います。」といったりしてます。時間にすると5秒くらいだったりしますがこの一言が実は大事だったりするのです。

・打ち込みを集中してやる、受け手をしっかりやる
→打ち込みをすることで理解が深まるし、学校のテスト直後の復習が効果的なように教えてもらった直後の打ち込みはクラス内容を理解するためにめちゃくちゃ大事です。2~3回ちょろっとやって座って休んでいるのはもったいないです。
→試合ではやらないような不自然なリアクションがあります。多くの場合倒れる場面でないところで倒れたり、脱力しすぎたりしてます。しっかりとリアクションしましょう。技の理合い(理屈)を理解している強い人は受け手がうまいです。

・先生の考えや意図を想像する
→先生が脳内の半分も実際のクラスでは伝えきれていないと思います。指導中の言葉は重要な部分だけにグッと濃縮されています。その伝えきれていない部分を自分なりに想像して技術を体系的にイメージするとより深くクラスの内容を理解できると思います。

・素直に内容を聞く、「自分は使わない」の思考停止をしない
→「自分は使わないな」「MMAでは使えないな」「実際は決まらんだろ」みたいなことは考えてもクラスの効果を下げるだけです。吸収力を下げるフィルターは取り払いましょう。技の取捨選択はまた後日に。クラスではそのテクニックに集中しましょう。
→「使わない理由」を探しても上達しません。これは考えているというよりも、「自分は使わない」と決めつけることで考えることを放棄してます。「どうしたら自分のスタイルに組み込めるか」「MMAでもこうしたら使えるんじゃないか」とどう使えるかを考えるのが大事です。もしくは「なぜできないのか」「どうしてほかの人は使わないのか」を考えましょう。最終的に自分のスタイルではそのテクニックを使わないとしても、最初から「俺は使わない」と思考停止するのはNGです。クラスの効果が下がります。

全部教えりゃいいってもんでもない

 ここまで読んで「氷山の一角だけじゃなくて、氷山全部説明してくれよ」と思った方もいるかもしれません。しかしそれはテクニッククラスでは不可能です。

 まず時間が限られています。その時間内で前提部分や技の後の処理すべてを伝えるのは難しいです。また、すべてを伝えたから分かりやすくなるかというとそんなことはないです。以下の例を見てみてください。(②は全部読まなくていいです)

例:三角絞めの指導
① 三角は、「腕を流すこと」「頭を下げること」「角度をつけること」の三つを意識してください

② まず三角を入るときの前提条件として相手の姿勢が座っているパターンと立っているパターンがあります。そのまえに相手の体重が自分よりも3階級以上離れていたら極めるのは難しいです。立っている相手への入り方は~、三角締めは腕を流すことが大事です。腕の流し方は4種類あって・・・、腕を流せない場合のアタックは3つあります。一つは逆三角で、二つ目は・・・、入るときのエントリーのポイントは相手の襟を・・・、頭を下げる時はどこを持つといいかというと・・・、角度の付け方についてはまず相手の右手を中に入っているとしたら自分から見て右側にだいたい45度くらいの角度で、この時の注意点としては相手の担ぎを警戒する必要があるので・・・

全部読まなくていいです

 ①と②どっちが分かりやすいですか?たぶん①でしょう。氷山のすべてを伝えようとすると②のようになってしまいます。

 まずは、先生が抽出してくれた重要な氷山の一角をしっかり聞く。そのうえで隠れている部分も自分で考えて解像度を上げていく、というのが効率がいいと思います。

まとめ

 例えば週3回同じようにクラスに参加した2名の初心者がいても、1年後同じような強さになるとは限りません。センスや才能もありますが、クラスをどれだけ集中して考えて受けているかで差がつくと思います。
 先生は大事なことを必ず伝えています。こちらが気づかないだけです。
 柔術はうまくなった方が楽しいです。クラスを集中して受けてより柔術を楽しみましょう!

2023/12/26 アンディ






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