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ゲーム感想記㉛ ファイナルファンタジーXVI

日本を代表するRPG『ファイナルファンタジー』シリーズの第十六作目。
今作では完全なアクションRPGになっており、基本的に操作できるのは一人のみとなっている。全部で六体いる召喚獣の各々にある複数のアビリティを駆使しながら敵を攻撃していく。

本作ではいいところと悪いところがかなりはっきりしている。

いいところ:
グラフィック、演出等総合的に美しい映像
グラフィック自体も美しいが、召喚獣同士のバトル等演出的にもとても圧巻であり、ゲーム業界のグラフィック技術が頭打ちになった今作でも『ファイナルファンタジー』シリーズの映像技術を見せつけた
また、中世ヨーロッパ風になっていてかつてのシリーズへのリスペクトがそこかしこに感じられる

・召喚獣バトル
上と関連して召喚獣同士の戦いも大迫力。召喚獣自体を操作できるということもあって、とてもゲームに没入できる

多彩なアビリティ
使える召喚獣アビリティは実に多彩。上級者ほど多彩な魅せプレイができるだろう

キャラのかっこよさ
キャラデザイン個人的にすごい好み。クライヴとかバルバナスとか、『タクティクス』を連想させるジョシュアとか

盛り上がるストーリー
ストーリーで盛り上がる部分はとことん盛り上がる。全体的にダークな感じになっていながら、熱いところは熱い


他方で悪いところもはっきりしている

色々な意味で自由度が薄い
ストーリーは一本道だし、探索要素は薄い。ストーリーのために自由度をバッサリカットした感じだ。フィールドも進んでいくだけ

単調な装備
基本的に攻撃力・防御力が違うだけで、ただストーリー進行から付け替えていくだけである。昔のFFもそうではあったが攻撃演出は結構個性的だったのに対して、武器の攻撃はどれも同じで本当に装備の個性がない。

戦術がマンネリ化する
戦い方は後半になると基本的に同じなる。上級者なら様々なアビリティを駆使して多彩な攻撃を仕掛けられるのだろうが、同じアビリティで攻撃→テイクダウン→同じ大技を叩き込む、の繰り返しだった。

ストーリーが意外と陳腐
盛り上がり、壮大さも見せるストーリーだが、どこかチープさを感じるところもあった。特に後半になると良くも悪くも定番のJRPG的なセリフ(「想いを一つに」「人が人で生きられるる世界」等)や展開があって、残虐さもある前半さと結構な落差を感じた。個々の見せ場はいいが、総合的に見てストーリーには疑問符がつく。

総合的にみれば良作以上なのは間違いない。凋落気味だったシリーズの貫禄を取り戻したと言っていいし、プレイする価値は大いにある。他方でどこか手放しで絶賛できない部分もある。
エンディングを迎えて面白かったと思いつつも、「ようやくクリアできた・・・」と肩の荷が降りたような気分もある。あのファイナルファンタジーシリーズだからちゃんとクリアしないと、と思いながらクリアしたことは否定できない。二週目として敵が強化されたモードがあるが、とてもプレイしようという気にはなれない


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