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ゲーム感想記㉟ バテンカイトス 終わらない翼と失われた海

 『バテンカイトス』はゲームキューブにて発売されたRPGである。比較的マイナーだが知る人は知る隠れた名作的なRPGであり、2023年にNintendo SwitchにてHDリマスターが発売された。全部で二作あり、時系列上繋がっている(ただし二作目は初代よりも前の話)

本作で最も特徴的な点はその戦闘システムにある。カード(マグナスと呼ばれる)を用いて攻撃したり回復したりしていくシステムであり、一回の攻撃につき一枚使用することになる。敵が攻撃した際も防御としてカードを選ぶことになる。最初は二、三回しか攻撃できないが、クラスが上がっていくにつれ攻撃できる回数も多くなり最終的には七回、八回攻撃できるようになる。あらかじめキャラ毎にデッキを組み、そこからカードが戦闘中にランダムに出てくることになる。

楽しいシステムではあるが、味方のターンが回ってきたり敵から攻撃を受ける際に毎回毎回カードを選ばなくてはならず、それが終わったら綜合ダメージも表示されるのでテンポがかなり悪い。特に六回、七回の攻撃が当たり前になる後半ではそれが顕著になる。
幸いなことにSwitchのリマスター版ではゲームスピードが選べるので以前に比べてストレスが大幅に減った。(上の動画は二倍の速さになっている

このカードを用いるのは何も戦闘中だけでなく、フィールドにおいても特定の対象をカード化し、それをイベントに進めるために用いることもある。

フィールドにおいても特定のものをカード化できる

もう一つ大きな特徴として、本作のプレイヤーは操作している男キャラ(カラス)ではなく、それについている見えない存在となっている。一見どうでもいい要素に思えるが、中盤にその意味が思わぬ形で明らかになる。かなり衝撃的な展開があり、度肝を抜かれるだろう。(ただわりかしその衝撃的な展開もあっさりとおさまってしまうが)

カードは多種多様

 問題点はあるもののかなり唯一無二な戦闘システムでプレイしていて楽しいものとなっている。カードは多種多様なものがあり、収集要素としても大いに魅力的である。ストーリーとしてもお使い的な要素もなくはないが、王道で壮大で、特に中盤の展開が衝撃的。Switch版によってネックだったゲームスピードを上げられるようになったので、これを機にこの名作をプレイしてみてもいいだろう。

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