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ゲーム感想記㊱ スーパーマリオオデッセイ

 2017年に発売された「マリオオデッセイ」は「マリオサンシャイン」以来のコース探索型になった。「ギャラクシー」「3Dワールド」は一本道でゴールを目指すタイプのものであり、箱庭探索型に戻ったのは実に15年ぶりのことである。
 箱庭探索型に戻った「オデッセイ」だが「64」や「サンシャイン」と比べてもその性格はより強いものとなった。「64」「サンシャイン」はコースを探索するといっても探す目的物(パワースター、シャイン)の数はそこまで多くなくやるべきことは案外決まっていた。だが今作はコースには目的物(パワームーン)が以前より軽く10倍に増えて、コースを隅々まで探して見つけていくというかなり探索型に突き進んでいった。以前の作品とは違い、目的のパワームーンは次々に見つかっていく。

「ゼルダの伝説Bow」をはじめ、オープンワールドゲームが流行していたが、本作は厳密な意味ではその類ではない。通るべきコースは予め決められている。ただ、各々のコースが小さなオープンワールドであるともいえ、そこを存分に探索していくことになる。言うまでもなくワールドはどれも多様であり、森、雪、湖、城等々、オーソドックスながらもマリオらしい個性に溢れている。
 また、各コースボスを倒すことによって次のコースに基本行けるようにはなるのだが、基本的に必要な数のパワームーンさえ集めればボスは倒さずとも次に行ける。この自由さもオープンワールド的とも言えるだろう。
 更にオープンワールド系をはじめ最近のRPGでは装備している武具もグラフィックに反映されているが、本作もその要素を取り入れており、コスチュームを集めてマリオの格好(帽子と服)を変えることができる。能力は変わらないがコスチュームは多様で、過去作を意識したものも多数ある。

本作のもう一つ大きな特徴としては、相手に帽子を投げつけることによって乗り移ることができることである。クリボーやパックンといったお馴染みの敵はもちろんのこと、敵だけでなく物体に乗り移ることもできる。タクシーやばね台等、たくさんのものに乗り移ることができ、それによってマリオに多彩なアクションができるようになり、それでいて世界観を維持しつつそういうアクションでギミックを突破できていけるのは素晴らしい。

 難易度的に見れば、私は以前に比べれば簡単になったと思った。と言うよりパワームーンの探索がメインだから、簡単なムーンだけを集めてもクリアできる。謎解き要素も加わりゲーム内に隠されている全てのムーンを集めようとすればやはり相当難しい。アクション攻略面では死んでも10コインの代償ですぐ再開できるし、イージーモードも整備されており、初心者にも優しい。
 「オデッセイ」は「ギャラクシー」のような壮大さはないが、馴染み感がある。「ギャラクシー」では宇宙と惑星という別世界だが、「オデッセイ」は馴染みのある世界(そうでないコースもあるが)をどこまでも探索していく、とてもとっつきやすいゲームである。遊び心が隅々にまで込められており、とにかくプレイしていて楽しい、実に「マリオらしい」作品である。


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