沢山生まれ、消えていくVTuber

皆さんはVTuberをご存知だろうか?

僕は個人でVTuberをやっている。
インターネットで活動すると言うことに中学生の頃から憧れ、ようやく手にしたこの居場所について少し考える事があった。
それは表題の通り、沢山生まれ、消えていくVTuberについてだ。
沢山生まれる事については良い事と思うが、何故消えてしまうVTuberも存在するのか。

自分自身と照らし合わせながら少しだけ考察してみようと思う。
特にデータを持ってきている訳でも、実際にインタビューや検証等を行っている訳でも無いので考察に留まることをご承知おきいただきたい。

まず、どうしてVTuberが沢山生まれるようになったのか。
余談にはなるが、VTuberとは「Virtual YouTuber」のことで、プラットフォームがYoutubeの場合に限定して呼ばれる。
Youtube以外のプラットフォームで活動している人のことはVライバーと呼ぶらしい。

最近ではVTuberがとてもポピュラーなものになってきていると思う。
テレビCMに出ていたり、夜のバラエティ番組のようなものに出ているところもたまに見かける。

そしてイラストやlive2dの依頼などもやりやすくなったという点もVTuber普及の一端を担っているのではないだろうか。
値段はピンキリではあるがたくさんのイラストレーターさんやモデラーさんが居る。
そう考えると、VTuber黎明期と比べ格段と生まれやすい環境がそろっていると思う。
僕自身もVTuberというものが普及し、周りでその名前をよく聞くようになったために憧れを抱き、今に至っているのだ。


では、消えてしまう理由について考えてみよう。

①活動以上に楽しい事を見つけた
これは「自分自身が楽しむ」と言うことを軸に置いている場合に考えられる。
より楽しい趣味ができた、習い事を新しく始めたなどで配信をする以上に楽しいことを見つけたのではないだろうか。
引退すると言うことは応援してくれている方からすると寂しいものであるが、前向きな理由なら笑顔で見送って欲しい。


②見てくれる人が居ない
これは「たくさんの人に見てもらいたい」と言うことに軸を置いている場合に考えられる。
VTuber飽和時代、見つけて貰えず埋もれてしまっている方々も沢山居るかと思う。

配信活動をすると言う事にはどうしても数字が付き纏うようだ。否が応でも数字が見えてしまう。
極力見ないように努力するも、放送を終えた時YouTube側からresultを出されてしまい現実を突き付けられることが多々あった。
最初から見てくれる方が少ない、居ないと言うのも当然辛い。
しかしながら最初は沢山居た視聴者がだんだん減っていくと言うのもかなり精神的にくるものがある。
萎靡沈滞という言葉があるが、この活動をするに限っては百古不磨であって欲しいものだ。


③金銭面
これは「収入源」として活動を始めた場合。
もしくは「活動を続けていく上での費用が工面できなくなった」場合では無いだろうか。

まずYouTubeで収益化をするにはチャンネル登録者数及び動画の総視聴時間のハードルがある。
現在ではチャンネル登録者数1000人、総視聴時間4000時間のハードルに加え
チャンネル登録者数500人、総視聴時間4000時間と少しだけ緩和されたものもあるため、段階を踏んで目標とする人もいるのでは無いだろうか。
自分自身もこの収益化のハードルの高さを実感したばかりである。

有難いことに僕自身は総視聴時間のハードルをクリア出来ていたので、残すはチャンネル登録者数の伸び悩みのみとなっていた。
焦る気持ちと、もう無理だと諦める気持ち、どうにか頑張りたいと言う色んな気持ちがせめぎ合い、頭の中は常にぐちゃぐちゃ。
仕事の昇進のために努力し、悩む事はあれど、普通の社会人をしているだけでは経験し得ない葛藤だったかもしれない。
このように収入源のため生まれたはいいが、収益化へのハードルの高さに心折れる人も居たのではないだろうか。

では活動を続ける上での費用を工面出来ない。とはどう言う状況か。
近年のVTuber達は皆クオリティの高いものをポンポンと出しているように感じる。
歌ってみたはもちろん新衣装、様々なキービジュアル…
自分自身で全てできる人もいれば、僕のようにクリエイティブな事が苦手な人は、全て依頼をして作成しなければならない。
僕のような平社員の給料では毎月のように何かをするなんて到底無理な話だと思う。
例えば歌ってみた動画だが、イラスト、音源のMIX、動画作成、以上3種類の依頼を行う。クリエイターさんによって値段はまちまちなので明言は出来ないが、余裕で諭吉が5人くらいはさよならしてしまう。
そう言うコンテンツを高頻度で上げるのは必須ではない。しかしながら高頻度で高クオリティのものを出し続けると言う事は誰かに見つけてもらう為の1つの策なのだ。
そのバランスが難しく、僕みたいに無計画で色々やってしまうと破産コースまっしぐらである。ご利用は計画的に。


④他人と比べて辛くなる
僕なんかは周りを見て、他人と比較しないと自分自身が現状どこに居るのか分からなくなってしまう人間であるから、しょっちゅうこのような事をやってしまう。
しかしながら絶対に比較なんてしない方がいい。
何もいい事などない。
と、頭では分かっていてもつい比較し辛くなってしまう。
精神衛生上良くないし、配信のモチベーション低下にもつながってしまうのは言わずもがなである。

この人はこんな事も出来てこれも出来るんだ…
この人もうこんなに伸びてるんだ…
この人はこんなイベントに誘われてるのか…
などなど

他人と比べて自分自身の無能さ、面白みのなさ、頭の回転の悪さ、秀でた何かがない、という直視したくなかった現実を突きつけられたような気がして、今までの自分を否定された気持ちになってしまう。
この気持ちをどうにか払拭したり別のパワーに変えられるならきっと大丈夫だとは思うが、この思考に捕らわれ続け、活動をすること自体が怖くなってしまう場合もある。僕自身もこの思考に捕らわれ過ぎないよう重々気を付けていきたい。


⑤誹謗中傷や謂れのない暴言を浴びせられる
これはあってはならないことなのだが、稀に見かけてしまう。
何が気に食わなかったのか、匿名サービスや捨てアカなどで攻撃的な言葉を投げつけたり、毒を吐き続けるのだ。

実際蓋を開けてみると、そんな酷い事を言っている人は1人だけなのかもしれない。それでもマイナスな声は思っている以上に大きく見え、ずっと心に刺さって抜けない。
毒を吐かれるとジワジワとスリップダメージを受け続けることになるのだ。

何かをするにしてもその毒が、言葉の棘が、ダメージを与えてきて手が止まってしまう。
自分が何のために活動をしているのかさえ分からなくなってしまう。
そして消えてしまいたいという気持ちに蝕まれていくのだ。

幸い僕のところには今のところそんな毒や棘は届いていない。
しかしいつ届くか分からないのが怖いところである。
もしも、今後僕がスリップダメージでつらいと思うようなことがあったらその時は吐露させてほしい。
もちろんメンバー限定配信でな。


さて、なんとなく僕が想像できる理由を考えてはみたが、現実問題、上記の理由には当てはまらないないものも多々あるだろう。
何はともあれ、今画面の前で楽しそうにしている君の推しが明日も明後日も"絶対に"そこに居るとは断言できない。

いろんな感情を孕みながら葛藤し生きている可能性があるということを頭の片隅に置き、推しは推せるときに最大限の愛を持って推して行ってほしい。
後悔の無いよう、素敵な推し活ライフを楽しんでいただきたい。



今回このnoteを書くに至ったのも④の思考から逃れるためだった。
寝ながらつい考え事をしてしまう。そして先述の思考に陥って抜け出せなくなる。そんな時に文字にこの気持ちを起こそうと考え付いたのだ。
僕は文を書くのが好きで、学生時代もよく現実逃避のためWordに向かってキーボードを叩いたものだった。
とは言え上手な文章を書けるわけではないので、所詮は自己満足程度のものにしかならなかったわけだが…。

僕はまだまだ消えるつもりなんて毛頭ないし、自分自身のどろどろとした思考の波に飲み込まれてもちゃんと自力で浮かび上がってくるから、どうか安心して欲しい。
僕自身もオタクであるからこそ、みんなにも後悔することなく推し活をして欲しいと思っている。
そしてお互い楽しく、幸せに、そして依存しすぎないよう適度な関係を保っていこう。



追記
もちろんこの記事で誰かを悪くいうつもりは毛頭ない。僕の周りにいる人はみんなとても努力していてキラキラ輝いているよ。とっても眩しいくらい。
だからこそ常に憧れて、その背中を追いかけているんだと思う。

そして僕自身も夜な夜な頭の中でグルグルと考えていたことが、文章に起こすとこうも簡単に客観視できるのかと学びを得た。
これからも僕は色んな人に見つけて貰うための方法を模索して、また頭の中で考えてしまうと思う。それでも見てくれている人、応援してくれている人を第1に考えて活動を続けると言う事に変わりはない。
こんな長文を読んでくれてありがとう。
これからもよろしく。

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