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もうちょっと、汚れていたら

起業家という道を経て、今は二作目の出版を目指している橋本なずなです。

彼が嘘を付いていた。
嘘を付いて、女性の友だちと食事に行っていた。

それを知ったのは、夜中 丑三つ時を回った頃のこと。
既に眠った彼の隣でYouTubeを観ていた私の耳元で、ピコンッと彼のスマホの通知が鳴った。
画面にはInstagramの通知が一件。

こんな時間に…?と思ったけれど、一度は気にしないように心掛けた。
私の悪い癖で、その疑念や不安な気持ちを性で消化しようと試みた。
自立した24歳の女性として、彼と大人なパートナーシップを育む為に、“お得意な性” で気持ちを切り替えられたらと思った。

彼と、彼のご子息を起こしてセックスをした。

しかし、終わった後もモヤモヤは消えなかった。妙な胸騒ぎがした。

私は正直に言うことにした、
「 さっきさ、インスタの通知きてたんよ。こんな夜中に誰からやろう?って思って。それで、なんかモヤモヤしちゃって、やけくそにセックスした 」と。

それを訊いた彼は、ごくごく自然に、を装ってInstagramを開いた。

『 あー・・・普通に友だちやで? 』

——— 違う、なんか違う。怪しい。
女の勘というものは、どうしてこうも精度が高いのでしょうね。

「 ちょっと貸して? 」と言って彼のスマホを手に取ると、『 なになにっ 』と取り乱すので確定演出。
通知のあった友だち(A / 女性)とのメッセージを遡って見ると、私と交際を始めた以降に、彼から食事に誘っている旨のやり取りがあった。

詳細に書き出すとキリがないので簡潔にまとめると、彼は私に2つの嘘を付いていた。

一つ目は、彼と交際を始めたこの一ヶ月間において、彼は『 女の人とご飯に行くことなんかないし、誘われても断ってる。自分から誘うこともない 』と話していたこと。
そして二つ目は、友だち(A / 女性)とは都合が合わず会わなかったものの、別の友だち(B / 女性)とは彼から誘い、食事に出掛けていた。

彼が食事に行ったその日は、私は女の子の友だちと飲みに出掛けていた。
彼は『 じゃあ俺も、仕事でお世話になっている人(男性)とご飯行ってくるわ 』と言っていたのに。

Bさんとのやり取りから見て、その日は確かに食事だけで終わったようだ。
集合から解散後までのやり取りが1時間の間に行われていたから。

メッセージでは、その後も再び食事に誘っていたが、スケジュールが合わず何度か流れているようだった。
いずれにしても私は聞かされていない話だったし、嘘を付かれていたのだと知った。


問い詰めると、彼はしどろもどろ。滑稽な様で言い訳を並べる。
彼の心臓の鼓動音が、情けないくらいに響いていた。

夜中というか、もはや早朝に始まった話し合い。

「 浮気の本質的な行為やと思うよ、それ 」
「 だって仮に、私があなたに “他の人とセックスがしたいから、しても良いですか?” って訊いてあなたがOKって言ったら。これは浮気? 」
『 違う、ね 』
「 じゃあ、私があなたに内緒で他の人とセックスしてたら浮気? 」
『 うん 』
「 でもこの2つの違いって相手に許可を得ているか、得ていないかでしょ?すなわち “嘘を付いているか、付いていないか” やんね? 」
『 うん 』
「 やったら嘘を付いていたあなたは、セックスとか身体的な浮気はしてへんのかもしれんけど、浮気の本質的な部分である “相手を欺く” っていう行為はしてるよね?」

『 …はい。ごめんなさい 』


結局、今は休戦中なのだけれど、私は思うことがある。

——— 裏切るのは、いつだって男の人が先だ。

彼は、過去の恋愛で浮気をされたことがあったと云っていた。
だから人を信じきれないし、人に期待しないようにしているのだと。

そんな彼の心の傷を癒せるように、微塵の不安も生まないように、私は交際後は徹底的に男性を寄せ付けないように行動していた。
SNSに彼との写真を上げたり、一人飲みを控えたり、断れる誘いは断ったり。
付き合いで男性の居る飲み会に参加せざるを得ない時には、彼の洋服を着てパートナーの存在を匂わせていた。

私は噓を付けない性格で、何でも言葉にしてしまうから、彼にはこれまでの男性・男友達の関係などについても正直に話していた。

「 この世界であなたが一番カッコいい! 」「 やっぱりあなたは良い男! 」「 他の男の人が目に入らなくなった 」「 あなたしかいないよ 」
そんな言葉も、過剰なほどに伝えてきた。

だけど、そんな私の日々の努力が馬鹿らしく思えてしまった。

彼は、私の素直さが他の人には無いところで一番に好きなところ、だとよく言っている。

でも、残念なことに、素直な私は人を疑うことを知らなくて、今回のようにまんまと欺かれるのだ。
正直者は馬鹿を見るとは、まさに私のことだろう。

素直なところが好きだと言ったのに、その素直さに傷を付けて、汚していくのが彼自身だなんて、あまりに悲し過ぎる。

恋愛だけじゃないけれど、私は時々「 この世はあまりに穢れすぎている 」と思うことがある。
素直さや正直さが搾取されて、ズル賢く、自己中心的で、嘘を付くことにも抵抗のない悪い人間の肥やしとなる。

私がもうちょっと、汚れていたら、笑って流せていたのかな。

私が生きるには、この世はあまりに穢れすぎている。

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