見出し画像

無痛分娩

出産は無痛分娩を選んだ。

子どもを宿すぞ!と決意してから、無痛分娩が可能な病院を調べた。
家からはかなり遠方ではあったが、無痛分娩歴が長く、麻酔科医が常駐しているところに決めた。
出産時に「麻酔科医が不在で無痛分娩は不可!」となるのは避けたい…

検診を数回受けたところで、「出産時の痛さに対する予期不安が強い、怖い。だから無痛分娩を希望したい。」と産婦人科医に告げた。
すると、無痛分娩を快諾後、妊娠・出産時のトラブルで無痛分娩ができない場合、帝王切開も可能であると返答してくださったのだ!!
更に、検診時の超音波検査や触診など痛みに配慮する旨をカルテに記載してくださり、医師で共有してくださった。
この時の医師、私にとっては神的存在で、産後も助けていただくことになる。

ありがたいことに、妊娠中大きなトラブルはなかった。
つわりやお腹が大きくなるといった自己コントロールできないことに対して受け入れられるのだろうかと不安だったが、つわりはほぼ無く、身体の変化も許容できた。
そして無事、無痛分娩で出産することができた。
無痛分娩といっても陣痛を少し経験し、痛みに耐えられなくなると、注射を打ってもらう。硬膜外鎮痛…この注射自体も怖かったが、陣痛に比べたらどうってことなかった。出産時に痛みはよく分からなかったのであまり無かったんだろうと思う。痛みがない分、赤ちゃんが産道を通っているであろう感覚は鮮明だった。今までに感じたことがないほど大きな何か(赤ちゃん)が出てくるあの感覚…気持ち悪いと私は感じた。
(こんな感想、誰にも言えない)

私はあっという間に産まれたように思ったが、陣痛開始から6時間も経過していたらしい。夫は仕事を抜けて早々に同室していたので、そんなに長い時間背中をさすったり励ましのことばをかけていたのかと思うと尊敬する。私が逆の立場だったら、早く産んでくれよとか思いそう。
そして、産婦人科で働く医療スタッフの方にも感謝だ。

医療スタッフは、赤ちゃんを私のところに連れてきてくれたが、先に抱っこしたのは夫だ。これは事前打ち合わせ済みなのである。
産まれたての赤ちゃんって、体液などでぐちょぐちょのイメージだったし、まだ私にとっては”死んでも守る”対象ではなかったのだ。
…しばらくして、私の上に赤ちゃんを寝かせてもらった。
正直、かわいいとか感動はない。
終わったのだ、出産という一大事が。
赤ちゃんのことより、こちら都合の気持ちの方が強いとは…産んですぐに母親になるわけではないんだなと。
育児において、自分に対する嫌悪感は始まったばかりなのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?