テストステロンの進化系、RAD140

本書ではSARMカテゴリーに属する、RAD140について述べる。

RAD140について話をする前に、RAD140が属する、SARMというカテゴリーについて説明したい。
ご存知の通りアナボリックステロイドは全身のAR(アンドロゲンレセプター)と結び付き筋肥大作用を呈する。
この時、脳や性機能までに影響を及ぼし、
自己男性ホルモンの減少を起こしてしまう。
そこでSARMは脳や性機能への影響をほぼゼロにし、アナボリックステロイドの筋肥大作用を残したまま、男性機能の抑制などの都合の悪い副作用を都合よくカットすべく開発された。
実際SARMには副作用は殆ど無く、ステロイドの宿命的欠陥である女性ホルモンへの変換も分子構造上起こらない。
そんな完全無欠のSARMだが、一つ欠点がある。
単純にアナボリックパワーが低いのだ。
現在のドーピング市場では強力な作用を持つ薬剤を高性能なケア剤で副作用を抑えながら使うのが主流である。
ここではいくらリスクが低いといえどSARMはニーズに合わない。
これがSARMがイマイチ普及していない一因である。
しかしそんなSARMにいくつか例外が存在する。
本剤、RAD140がその代表格である。

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