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食欲不振中の叫び

東日本大震災のとき、各地の様子や被害をテレビで見ていて、
まるで食事をする気になりませんでした。
それでも何か食べないと自分がもたないと思って何かしら食べたと思いますが、
そのときの「何か食べないと」とは違う「何食べよう」が
抗がん剤服用中にはありました。


食欲不振中の叫び

タブレットに抗がん剤治療中の記録を毎日残しています。
そこに記されていた、食欲不振中の心の叫びの数々です。

なーんにも食べたくないんだけどなー

仕事してるとき以外はほぼごはんのこと、考えてる気がする。
何も食べたくないけど、食べなアカンから「何食べよ」をずーっと考えてる。

街を歩いていても、テレビを見ていても、
「あれ、おいしそう」「これ、おいしそう」
「あれ、食べたい」「これ、食べたい」ってしょっちゅうなってるけど、
脂っこい、量多い、無理やー、で終了。

ピザ食いたい、焼きそば食いたい(これはイケそうな気がしている)、
ハンバーガー食いたい、ラーメン食いたい、焼肉食いたい、炒飯食いたい、
食いたい、食いたい、食いたい。
食いたいのに食えなくて泣けてくる。あーしんど。

焼きたてのバターたっぷりクロワッサン、カツサンド、
モスバーガーのロースカツサンド、マクドナルドのエビフィレオとナゲット、
唐揚げ、とんかつ、王将のチャーハンと唐揚げ、酢豚、ナムル、
ぼんち揚げ、歌舞伎揚、バターたっぷりの分厚いトースト、カレーパン、
ビール、ビール、ビール、ビーーーーール!!

これまで、衣食住、仕事、睡眠の中でもっとも軽視されてきたのが「食」で、
時間のないときに、睡眠・仕事・食事で削れるのはどこだ? と考えると、
真っ先に食事ってなるタイプで、ビールが飲めてればご機嫌だったんですけどね。
こんなに食への欲望があるのか、と自分でも驚きました。

もう聞かんといて

この言葉、LINEで母に送ったものです。

毎日のように「食事はどうですか?」「食べられるようになりましたか?」
「食べられるようになったらいいのに」と送ってきていた母に、
「本人が一番それを望んでる」と送っても、一向に減らないLINE。
食べられることを一番望んでいるのは本人だから、何度も聞いてくれるな、
と暗に伝えたつもりだったんですけどね。
なので、ついに「何度聞かれても、食べる量は増えん。聞かれれば聞かれるほど、
食べられへんのがつらくなる」の続きに、上記の言葉を送りました。

心配だから聞いているのは、痛いほどわかるんです。
わかるからこそ心配をかけていることを改めて思い知ってつらいし、
LINEが送られてくるたびに、
食べなきゃいけないのに食べられないことを痛感して、またしんどくなる。

心配してくれている人に対して、ひどい言葉だと思います。
でも、しんどいねん。ごめん。

いつ体は慣れてくれるの?

ネットでは、胃を切除した人向けのさまざまな情報が得られます。
そこには術後の食事についての情報も。

術後3か月ほどすれば、胃がないことに体が慣れてきて、
最初は間食込みで栄養を摂取する必要があるけれども、
そのうち1日3食でいいようになる、と。

抗がん剤の服用を始めるまでは、そうなる実感がありました。
うどんや沖縄ソバを1人前、食べることができるようになっていたし。

体が慣れるという約3か月のうちに、抗がん剤治療を始めて
ガッツリ食欲不振の副作用が出てしまい、ロクに食事が摂れなくなった人は、
いつになれば手術前の食事回数で足りるようになるの?

1年、なげーなー。

体重の変化

1回目の入院時から退院時までに4kg減っていた体重。
2回目の入院前まで、その体重はキープできていました。
ただ、2回目の入院時には食事が摂れていなかったこともあり、
1回目の退院時から3kg減。
そこから抗がん剤を服用しはじめて、現時点(2024年5月)で7kg減り、
手術前から計14kgも減ってしまいました。

今現在は、休薬期間中に少し戻し、服用を始めると減る、を繰り返しています。

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