不安なときはインプットよりアウトプット
先日、ライター仲間が「仕事と音楽」についてnoteを書いていた。
なんともおしゃれなテーマだ。
わたしも書きたい。
しかしわたしは仕事中にあまり音楽を聴かない。
聴くとしたら音楽よりもラジオや語り系のYouTubeも含む「音声配信」だ。
その日スマホでYouTubeを開くと、ふだん見たことのないボタンが表示された。
「I'm feeling lucky」と書かれている。
はっはーん。
わたしへのおすすめ動画をなにか適当に選んでくれるってわけね。
いいぜ。
I'm feeling lucky.
動画の再生が始まった。
『漢・神取忍チャンネル』
…
…
なかなか尖ったチョイスをありがとう。
もう、仕事と音楽についてはわたしには書けそうな気がしないよ。
以前はわりと仕事中も家事の最中も移動中もどんなときも音楽を聴いていたんだけどな。
かといって音声配信も耳の穴をかっぽじって真剣に聴くというよりは、ほぼBGMとして流しているだけなのだけれど。
おそらく、今のわたしは仕事に自信がないのだ。
だからなにか情報にふれていたいのだ。
頭に入らなかったとしても。
誰かと空間を共有して働く「職場」があって、先輩や同僚とデスクを並べて仕事をしていれば、人との比較によって自分の現在地を客観的に見られる。
やたら一服が多いが仕事が早い先輩、事務作業をあとまわしにしすぎて月初から残業する先輩、電話には99%出ない同期…。
あの人ほど事務作業を溜めない自分はまだちゃんとしているほうだ。
あいつ電話に出ないくせに仕事遅…
そうやって人とくらべて自分ができていることを見つけては心の安定を保つのだと思う。事実、過去にそうだった。
けれども同じ空間で誰かと働くことがない在宅フリーランスだと、まわりの同僚たちの様子がわからない。
みなの平均も自分のポジションもわからなくて怖いのだ。
もしかして自分はずば抜けて仕事が遅いのではないか。
仕事のクオリティが著しく低いのではないか。
自分が思う自分の強みは、実は強みじゃなくみんなあたり前にできるのではないか。
…どうしよう、詰んでる?
ひょっとしてフリーランスに向いてない?!
四方八方木が生い茂る、霧深く電波も入らない樹海をただただ右往左往しているような、現在地の分からない不安感。
だからビジネス系の音声配信を聴く。
自分ができている内容を聴いたときに思う「あ、わたし大丈夫だ」がほしくて。
「くらべるのは過去の自分」と頭ではわかっていながら、自分以外の比較対象を探している。
そういうときはだいたい、アウトプットをさぼっている。
まだやれることから目をそらしている。
嫌なことから逃げるのと、楽なほうへ逃げるのとはちょっと違う。
嫌なことからは全力で逃げていい。
でも楽なほうへ安易に逃げたって、結局ぐるっと1周して戻ってくるのがだいたいの相場である。
音声配信もたしかに勉強にはなるけれど、楽なほうに逃げるために使わない。
自分はなにができていないのか、うすうす気づいているんだから目をそらさない。
あがいて樹海を突き抜けよ。
押忍
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