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”こうじゃなきゃいけない” なんてない。

これは、母が私に贈ってくれた、すごく大事にしている言葉。

恥ずかしながら、私は小学生の頃から国連で働く人になりたいと思っていた。緒方貞子さんの存在を知って、彼女みたいに世界をよりよくするために頑張る人に憧れた。
その根底には自分が恵まれているという自覚があって、世界にはそうではない人がたくさんいるのに、自分は恵まれている、という事実に罪悪感があったんだと思う。

そんなこんなで、漠然とした”世界を良くしたい”と途方もない思いは今の今まで小さく灯り続けて、それはイギリスに来て勉強する理由にもなった。

しかし、私はイギリスに来て、自分のちっぽけさを痛いほどに見せつけられた。今までは自分の中の小さい世界でそれなりにやってきて、それなりに自分ならできると思っていた。でも、世界は自分が理解しきれないほどもっと大きくて、もっとすごい場所で、もっと美しい場所で、もっと残酷な場所だった。

そんなことを知ってから一人で過ごす時間は、自分との闘いの時間に変わった。せっかくイギリスに来たんだからああしないといけない、こうしないといけない、そう思えば思うほど、理想と現実のギャップに耐えられず自分の欠片が静かに崩れてくる。

今までずっと上昇成長志向だけが正しいんだ、それから逃げようとするのは甘えなんだ、何か成し遂げたいなら走り続けることから逃げちゃいけないんだと、そう自分に言い聞かせてきた人生だった。

でも、イギリスに来てひとりになって、自分と闘っていくうちに、自分の本性が姿を現した。もう”世界を良くしたい”なんていう余裕もなくなって、ただただ疲れていた。自分の”こうじゃなきゃいけない”という勝手な呪縛に囚われて、自分で自分を苦しめていた。どこにもそうしなきゃいけないなんてルールはないのに。

でもやっぱりそれに気づいても、はじめは真に心でそれを理解するのは難しくて、”こうじゃなきゃいけない”から逃げ出そうとする自分が許せなかったし、そこから逃げたら、自分にもう価値はないと本気で思い込んでいた。

そうしたら、YouTubeのフィードに出てきたある動画

このチャンネルは、自分の中にある”こうじゃなきゃいけない”は全てエゴで、尚且つ”こうじゃなきゃいけない”から逃げるのは悪と思っていることもまたエゴの仕業だ、という。

一本見た後、食い入るように何本も動画を見てしまった。もしも、生きるのって辛いな、苦しいなと思っている人がいれば、ぜひフェリファブさんの動画を見てみてほしい。まさに、[楽に生きるための知恵]がたくさん詰まっている。

確かに、今思えば、イギリスに来たんだから”世界をよくする”という夢を成し遂げなきゃいけない、それに見合った成果を何としても出さなきゃいけない、そうしないと自分に価値はない、とか色々エゴを信じていただけだったんだな、と。そうしないと幸せになれない思っていたかは定かではないけど、とにかくいろんなことが腑に落ちた。

そして、本来は、”世界を良くしたい”の先に自分の幸せもあるべきだったのに、その幸せのために不幸を感じるならそれは違う、と言ってもらえた気がした。

やっぱり自分に余裕がないと、人には優しくできないんだなとつくづく思う。たとえ、心の中では優しくなりたいと思っていても、やっぱり自分が幸せで、それなりに万全で、余裕がないと、自分の外側に優しくなるのも、そのための強さを持ち合わせるのも難しい。

もちろん、今でも世界中の人たちにそれぞれの形で幸せになってほしいと、心の底から思っている。
でも、とりあえず今は”世界を良くしたい”を一度お休みして、自分はこれから先どうしたいのか、どうしたらまずは自分を幸せにできるのか、ゆっくり考えながらゆっくり進んで行こうと思っている最中。

”こうじゃなきゃいけない”なんてない、という言葉と共に。

この場をお借りして、フェリファブ哲学さんにはお礼をしたいです。
本当にこのチャンネルをしてくださって、ありがとうございます。

そして、ここまで読んでくれたみなさんも、ありがとうございます。




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