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あの夏のMrs. Green Apple

一つ前の記事で、好きすぎて辛くなる〜的なことについて書いたのだけど、その一つがミセスだった。

ミセスとの出会いを思い返してみると、おそらく中学生の頃、サママ・フェスティバルが一番最初の記憶。その後、青と夏もいい曲だな〜と思いながら聴いていたけれど、その時はそれ以上他の曲を深掘りするとかではなく、その2曲を永遠リピートしていた。

そこから数年後、もうミセスと再会する二度目の機会があった。それがまさかのTOMORROW X TOGETHERのForceだった。当時ワールドトリガーをなんとなく見ていて、異様なまでにその主題歌だったForceが刺さったのだ。なんかおかしいなと思いながらも、ちょっと調べてみると”大森元貴 楽曲提供”の文字。あぁ、そういうことか、きっと無意識下で大森元貴センサーが働いたんだろうな、と腑に落ちた。しかし、その時もそれ以上追いかけるわけでもなく、活動休止やコロナ禍、自身の進学準備なども色々重なってそれっきり、という感じだった。

そして三度目の正直が、去年の夏。ちょうど一時帰国で帰ってきている時だった。そしてミセスも活動再開し、Antennaのリリースとも重なってメディア露出が増えている時だった。きっと多くの人がミセスを好きになった時期だろう。恥ずかしながら、二度目の出会いの後、活動休止していたことも知らず、あれ?久しぶりに見たらなんか人数減ってるよね?という感じだった。(謝罪)

そのあとは、狂ったようにフェーズ1の曲を聴き漁り、その世界観に完全に魅せられて、2023年夏はミセスなくして成り立たなかっただろうとさえ思う。
昨夏は、イギリス生活一年目を終えて、心身ともに疲弊して迎えた帰国だった。

↑この記事でも少し書いたように、渡英して以降内省という自分との闘いが始まり、中高校生の時には感じたことのなかった苦しさをいつも身近に感じるようになった。
本来は、多くの若者が中高生時代にミセスの音楽と自分を重ねて生きる希望や強さを貰っているのだろうと容易に想像がつくが、自分には一足遅れてその時期がやってきた。

内省が始まってからは、自分の性格も重なって、今まで押さえ込んできた名もない苦しさや絶望感、不安、痛み、とにかく色々な負の感情が毎日頭の中を駆け巡り、夜も眠れないような日々が続く毎日だった。そして、帰国してからは安心できる場所に帰ってきて緊張の糸が切れたのか、それらの感情が一気に溢れ出るようになった。

そんな状態で聴くミセスは、自分の気持ちを代弁してくれているようで、驚くほど素直に自分の中に入ってくるものがあった。特にフェーズ1の大森元貴が織りなす生々しさ、痛々しさはその時の自分と十分に重なるものがあったし、フェーズ2の大森元貴が生み出す優しさや、前向きな姿は暗い場所から引っ張り上げてくれるような安心感があった。

ミセスの創り出す芸術は、夜に聴けば心に重く響く、共に悩み泣いてくれるような考えさせられる時間、朝に聴けば清々しく響く、マーチのように背中をそっと押してくれるような、一筋の光が見えるような時間を過ごさせてくれる。

一年経った今でも、あの日眠れずにミセスを聴きながら迎えた明け方、ベランダで感じた涼しく、湿った朝の空気を今でも鮮明に覚えている。

個人的には、今でもフェーズ1の曲たちは自分にはエネルギーが大きすぎて、聴く時にある程度準備をしておかないと平気で飲み込まれてしまうような感じがする。その分、それが大きな力になることも数え切れないくらいあるんだけどね。

哲学者大森元貴が生み出す曲たちの陰と陽というか、明と暗の振れ幅がすごいのって、本人の暗の部分が明の必要性とか素晴らしさを痛いほど、眩しいほど知っているからだと思うんだ。そしてその明や陽のエネルギーの裏にある不安や孤独、劣等感、とか色々複雑で、必ずしも綺麗とは言えない部分があるからこそ、今の自分に刺さる。そして、多くの人の”生きる”という当たり前のようで一番難しいことをそっと後押ししてくれているんだろうな、と思う。

こんな感じで、日本で過ごした夏はミセスと共にあっという間に過ぎ去って、途中好きすぎて辛くなったりしながらも、ミセスにたくさんの感情を経験させてもらった数ヶ月間だった。

本音を言えば、こんなにいいバンドに出会っていたのに深追いしなかった中学生の自分を少し恨んだりもしたが、きっと中高時代の自分では今ほど彼らの音楽が身に沁みることはなかったと思うし、受け止め切れなかったと思う。

だから、一周回って、少し大人になったこのタイミングで好きになることができたのも一つのご縁だと思うし、このタイミングだったからこそあの世界観から得られたものがたくさんあったのだと信じたい。

一つ後悔があるとすれば、それはライブに行ってみたかった、ということ。
ミセス御一行の血と汗の滲んだ、リアルな世界線の端っこにでも行けようものなら、そんなの光栄極まりない。

そのためにもこれからも細く長く、ミセスを聴き続けて、そこから何か受け取れるアンテナをちゃんと持っていたい。

こんな感じで、しがない新参者のくせに分かったようなことをつらつら語ってしまった、申し訳ない。

P.S. もし、ミセス海外進出!!!!!みたいなことがあればヨーロッパ圏は全力でサポートしたい、と密かに思ってる。笑




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