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ヒグチユウコ展で不思議かわいいを堪能

2月中旬、都内で開催されているヒグチユウコ展に行ってきました。
記事を上げるのが遅くなってしまったけどレポします。

展示に行く前のヒグチユウコさんのイメージといえば、細かく書き込まれてリアルでありながらもファンタジックな絵柄。猫の絵。
あとはファッションが好きなので、GUCCIとコラボしている人というイメージも強かったです。
詳しい作品はよく知らなかったけれど、かわいくてダークな絵柄がなんとなく好きだなあと思いチケットを予約購入しました。

実際に展示を見て、その世界観に引き込まれすっかり好きになってしまいました。
ダークな雰囲気はもちろんあるけれど、見慣れると純粋に「かわいい!」という気持ちが強くなる。
そんな不思議な魅力のある絵を浴びるように楽しめる、贅沢な展示です。

🐱展示情報🐱
ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END
開催場所:森アーツセンターギャラリー
会期:2022年2月3日(金)- 2023年4月10日(月)
観覧料:
一般・大学生・専門学校生 前売券1,900円/当日券2,000 円
中高生 前売券1,500円/当日券1,600 円
小学生 前売券600円/当日券600 円 
公式サイト:ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END [Higuchi Yuko CIRCUS] (higuchiyuko-circus.jp)

本題に入る前に脇道にそれますが、混雑は覚悟しておいた方がいいかもしれません。
今回土日のチケットを購入し、ピークを避けようと指定時間より30分以上遅く入口に行ってみました。
エレベーターで展示フロアに行くところまでは順調。しかしそのあとの列が長いので、会場内に入るまでに20~30分ほど並びます。
平日はそこまで混雑していないとは思いますが、土日に行く方は予約していても並ぶこと覚悟で行くことをおすすめします。

展示で印象に残ったこと

そんなわけで、しばらく並んだのちようやく会場内へ。
一つ一つの作品は小さめながら、その量と一つひとつの作品の密度に圧倒されます。

細い線を重ねて緻密に書き込まれた絵は、まるでトランプのよう。
描き込みがすごいので、近くでじっくりと見たくなります。
みんなじっくりと作品を観ようとするので、列が進まない…笑

彩色の方法は作品ごとに違っているので、作品に合わせて変えているのかなと想像したり。
描き文字もファンタジックな世界観づくりに一役買っていて、作品の一部になっていることも印象的でした。

ここからは、個人的に楽しかった・気分が上がったポイントをご紹介します。

文化祭の気分になれた「CIRCUS」

展示会場の内装は余計な装飾がなく、装飾部分は作品の一部のようになっています。
シンプルながらも壁にはっきりした色を使っているので、まさにサーカスのように楽しく愉快な世界観が出来上がっている空間です。
場所によっては小さいトンネルやのぞき穴があったりと、遊び心があるのも楽しい。
そんな空間に所狭しと飾られる作品たち。

個人的には、中学時代にやっていた美術部での文化祭の展示を思い出します。
あのクオリティの高い展示を中学の文化祭に例えるのは失礼かもしれないけど、まさに文化祭を彷彿とさせるようなワクワク感がありました。

美術部あるあるだと思うのですが、私が所属していた美術部は半ば漫研状態で、文化祭の展示のメインはイラストでした。
文化祭では美術室にある大きな額縁を一人一つずつ確保して、そこに大小さまざまなイラストを自由に並べて展示をしていました。
額縁の背景には好きな色の画用紙を貼ったり、書き込みをしたり。
イラストだけが作品なのではなく、額縁の中身全体で思い思いに世界を表現していました。

当時、大きな絵も小さな絵も、ちょっとした落書きさえも一つ一つが大事な作品でした。
誰かが絵をあげると宣言すると、「オークション」と称してみんなでじゃんけんで奪い合っていたのは、懐かしい思い出。

ヒグチユウコ展の大小さまざまな作品が宝物のように詰め込まれた展示スペースは、まさに本気で作品を配置して魅せる、大きな額縁の世界。
小さい作品がたくさん収められているショーケースには、落書きっぽいテイストで描かれて切り抜かれた作品や、下書きっぽさが残った作品も一緒に飾られている。
つい大きい作品、時間をかけた作品に目がいきがちかもしれないけど、小さくて一見するとサッと書いたように見える作品も愛おしい。
バラエティ豊かな形でヒグチさんワールドを楽しめて、わくわくしっぱなしでした。

ギュスターヴくんがかわいい

ヒグチユウコさんは繰り返し同じモチーフを描かれているそうです。
具体的には動植物や少女が多いですが、中でも有名で、展示数も多かったのが猫。
表情豊かで可愛らしいキャラクターがたくさん登場します。

個性豊かなキャラクターの中でも、個人的に気に入ったのはギュスターヴくんです。
顏は愛らしい猫、手が蛇、足がタコという不思議な生き物。
性格は無邪気で自由気まま。
目がくりくりしていて「曇りなきまなこ」という表現がぴったりです。

好きになったきっかけは、絵本「ギュスターヴくん」の原画が壁一面に展示されているコーナーです。
そもそもヒグチさんの定番キャラクターを知らなかった私、もちろん絵本も未履修でした。
原画の展示なので、文字は下書きとしてちょっと入っているだけ。
絵がストーリー順に並んでいるのかはよく分かりませんでしたが、だいたいの設定はつかめました。

子供が考える脈絡のない物語のような、摩訶不思議な設定を思いつくヒグチさんの頭の中はどうなっているんだろう。
当日は絵本の購入は見送ったのですが、やっぱり忘れられなくて後日ポチりました。
印刷された絵は当日見た原画とは少し違う雰囲気にも見えたけど、あの日見てお気に入りになった絵を好きなときに楽しめるのは嬉しい!

グッズもかわいい

展示を一通り見終わった先にあるのは、お楽しみのミュージアムショップ。
グッズがどれも可愛くて目移りしてしまいます。

定番の画集やポストカード、トートバッグの他、
テーブルウェアやトランプ、アクセサリーもありました。
さらに出口付近にはカプセルトイコーナーも充実しています。

私は迷った挙句、星座モチーフのお皿を購入しました。
展示の途中にお皿が飾られているコーナーがあり憧れていたこと、終盤に展示されていた星座モチーフの絵が素敵だと思ったことが理由です。
後から知ったのですが、テーブルウェアは日によって陳列されているデザインが変わるようです。
好きなモチーフのテーブルウェアが出ていてラッキーでした!

食器は十分にあるのと、見えるところに置いておきたいと思ったので、アクセサリーなどの仮置きトレイとしてお皿を活用しています。
ここが溢れる前に片づけると決めておけば、かわいい絵柄が見える状態にしておきたい気持ちと相まって、部屋をきれいに保てそうです。

GUCCIでヒグチユウコさんの世界を堪能

展示を見終わった後は、GUCCI六本木ヒルズ店へ。
ちょうどヒグチさんコラボのカプセルコレクションが出ているので、展示会場のお膝元である六本木ヒルズ店で、展示とは別方向から世界観を楽しみたいと思ったのです。

まず、公式サイトを見て気になっていたトレンチコートを羽織らせていただきました。
ハイブランドのトレンチコートを初めて羽織ってみたのですが、形が綺麗!
そしてなんといってもこの服、ヒグチさんワールド全開です。
まず特大サイズのワッペン。一目でヒグチユウコさんコラボとわかる猫さんにテンションが上がります。

個人的に大好きになったポイントは裏地です。
さらりとした心地よいシルクの生地に、ヒグチユウコさんの絵がでっかくプリントされているのです。
「ヒグチユウコさんの作品を持ち運ぶことができますよ」と・・・販売員さんかた飛び出すなんとも魅力的なトーク!
普段はちょっと個性的なベージュのトレンチコートだけど、コートを脱いで椅子やハンガーにかけるとアートが顔を出すのです。
最高すぎやしませんか?

さらに、同じくヒグチユウコさんコラボのバッグも一緒に持つと、一つ一つは個性的なのに不思議とまとまっており、作家さんとブランドの世界観構築力のすごさを実感しました。(最後に力とつけることで生まれる謎のビジネス感)

前から着になっていた靴やバッグも見せてもらったり、
展示内のGUCCIコラボコーナーにでっかく飾られていた絵をプリントしたスカーフの実物を見せてもらい、その裏話を聞かせてもらったり。
販売員さんが楽しい方で、展示に合わせていろいろ勉強されていることも伝わってきて、盛り上がって楽しかった!

話が逸れますが、途中でデザイナーさんの話がちらっと出てきて、「アレッサンドロ・ミケーレという者が~」と解説する販売員さん。
敬語の使い方として正しいんだけど、「『者』、なのか・・・!」と内心ウケました。笑

クリエイティブディレクター(デザイナー)交代の影響で、ヒグチユウコさんコラボアイテムは今回が最後になってしまう可能性もあるとのこと。
また、六本木ヒルズ店にはヒグチさんコラボアイテムが全国から集結しているらしいです。
こちらは日本限定コレクションなので、実質的に全世界で最もヒグチさんコラボアイテムが豊富にそろっているお店ということになるのでは。

ヒグチさんファンの方ならブランド好きでなくとも、展示を見た後にGUCCIに立ち寄るの、おすすめします。
今回何も購入していませんが、販売員さんはめちゃめちゃ優しかったです。

おわりに

六本木ヒルズで展示とファッション両面からヒグチユウコさんの世界を堪能できた、とても楽しい一日でした。

本や他の媒体で見られる作品も複数あるとは思いますが、やはり原画の生感、生命感は格別です。
そして展示を見た後のGUCCIはいつもよりハードルが低く、かつ普段と違った切り口から楽しめるはずです。

ヒグチユウコさんの作品にどっぷり浸かれるまたとない機会、楽しんでみませんか?

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