見出し画像

”Untitled”

まだ 何者でもないわたしたちは
夢を見ている

ひそひそ話し声がする
移動教室の隅っこ

忘れていたね
忘れていたんだよ

まだ 何者でもないわたしたちは
焦がれている

そわそわ着せ替えをしてみる
季節が巡るたび

会いたかったね
会いたかったんだよ


まだ 何者でもないわたしたちは
つぼみの中で

どちらにも行ける
どちらにも行かない

揺らいでいる
揺らいだままで


まだ 何者でもない  名前はあとからでいい

会いにいきます
手渡そうと思うのです

言葉にならない色たちが
あふれ出して広がる

広がって
ゆけ。

広がりきった先で

この わたしのまま

あなたに 届け。

祈っているよ
祈っているんだよ。



大切な友人が 初の個展を開くにあたって
お祝いに 贈った詩です。

ログインなしで「スキ」できます。 ポチッとな。していただけると、小踊りして喜びます。 最後まで読んでくださり、とてもうれしいです。