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あしたのあたしのつくりかた(1)

 11月3日(土・祝)に三鷹SCOOLにて、「あしたのあたし」という実体験を演じる試行錯誤をみせる実験という公演をぶちかまします。

絶賛予約受付中!!

http://scool.jp/event/20181103/

 まあ、わかりやすくいうと、ワーク・イン・プログレスなのですが、それだけではないものになりそうなのでそういう感じの説明をさせていただいてます。なので、稽古をがんがんやって、出来上がったものをみせるような舞台ではなく、そういうものをご希望のかたにはあまり、おすすめできないかもしれませんが、なにかが立ち上がる瞬間やあたらしいものが観たい!と思っているかたにとっては刺激的なものになると思います。こう書くと、いい加減でクオリティの低いものだろうと思われがちですが、即興演奏を20年以上やってきたわたしがやるわけですから、そんなものさしでは測れないような感じになりそうですし、します。

 そもそも、原案Yuko Nexus6とあるのはなんだという話からしましょうか。なんか、吉田アミさんがイキってるけど、まったく意味わかんない!となってるころだと思うので説明していきたいと思います。

 Yukoさんとは、ひょんなことからとある公演に参加した約88人のひとりとして20年ぶりに再会しました。その公演後、同じく参加していたすずえりさんと、たまたま入った飲み屋でYukoさんと早くも再会! 三人で飲んだ後、ちかくにステイしているというYukoさんが、そのままうちに寄り、夜更けまでおおいに語り合ったのでした。それからたびたびうちにやってきて、いろんな話をあれこれするようになり、Yukoさんが感じたことやその身に起こった半生をまとめて舞台にしてみたら面白いのではないか、というのがこの「あしたのあたし」の出発点でした。そもそも、そのまえにやった舞台が「あしたのきょうだい」というもので、うち(シェアハウス)に移り住むことになった女の子が主人公のこれもまたドキュメンタリーとフィクションのあいまを行ったり来たりするようなもので、彼女が感じたことをインタビューで聞き取りまくり、そこから物語を構築していきました。

YouTubeに動画がアップされています。
https://www.youtube.com/watch?v=ITlaTGKN7ks&index=17&list=PLbrEKZMgjSMr76QkQao7pJuCnA6_kYwoQ&t=0s

 もともと、自分というものが実体験からしか物語を作れないところがあり、それが処女作の「サマースプリング」でもあるわけですが、高校から19歳くらいまで、誰に求められるわけでもなく、自分のなかのトラウマを外部化するために書き続けていた文章を大人のわたしが再構築し直して、作ったものでした。自伝的作品!というやつですが、これには前例があって、内田春菊の「ファザーファッカー」やさくらももこの「ちびまる子ちゃん」に影響を受けていたものだと思います。わたしには常に書くことでしか癒されない痛みがあるような気がします。

 なぜだかわからないのですが、わたしは聞き上手なのかなんなのか、そんなことを言われたこともあんまりないのですが、人がつい気を許して自分のつらい過去や嫌だったことを話しやすいみたいで、いままでにも何人もの人に「こんなはなしを人にしたのははじめてです」と言われるような、結構壮絶な話を聞かされることが多いのです。もうたぶん、宿命というかなんというか。もちろん、インタビューとかも仕事でしたり、鼎談とか対談とか、トークの司会とかやってるので、テクニックとして話しやすいムードにするのは得意なほうだとは思うのですが。たぶん、わたしの顔がまぬけなかんじで、歩いていてもよく道を聞かれたり、気を許しやすい雰囲気なんだとは思います。思えば小学校のときからそうでした。いろんな女子の好きな男子を誰よりも知る羽目になるわたし。一方で、相手の気持ちを先読みしすぎて「わたしの思ってることを全部言語化するのはやめてください!」とか言われたこともあります。なんでも言語化して欲しい人には好かれますが、盛ったり誤魔化したり騙して得したりしたい感じがある場合は倦厭されます。どうせ誤魔化したりしても自分は自分だし、他人にどう思われようがそれはどうでもいい。というふうに達観している人にはわりと気に入られる傾向があります。だいたい、「そんなふうに思ってないよ!」と、顔を真っ赤にしてカンカンになる人ほど、本心がバレて焦っていることが多いのです。あとから、「実は……」なんて、切り出されて「図星でムカついた」と告白され、それで仲直りするという厄介な友人もいます。…………おまえのことだ!

 まあそういう性分であるということがわたしの特徴のひとつであるわけで、それを才能だという言い方もできるわけです。ええ。相手が気を許しやすい、間抜けな顔をしているというのも才能の一つなのですよ。

 そんなわけでYukoさんからいろいろ話をどっさり聞いたんですよね。それがもう三年前。ここ一年はYukoさんが泊まりに来るたびに試作を連ねていました。そう、さらに、彼女がすごいのはそれをかなり克明に覚えているんです。これはなかなかできないことです。彼女の中には「日記」というものが自分の礎のようになっていて、日々の思ったことを残しておく、という作業を習慣にされていらっしゃる。それにかんして、嘘や偽りはなく、ありのままのものをとにかく、記録しておくということを大事になさっている。日記なんか三日坊主だ。という人がこの世の大半だと思います。けっこうこれは稀なことなんですよ。これもまた才能の一つといっていいでしょう。

 というわけで、まず第一回はこんなかんじで、はじまりはさりげなく。なるべく、毎日少しでも書けるように書きたいと思っています。まだまだ出演してくださる、女優のふたりのことなどもがっつり書きたいと思っています。すばらしい、ふたりが参加してくださっています。あまりにもみんなが好きすぎていくらでも書けそうですが長く書くとなかなか読まれないものになってしまうので、きょうはこれまで。

 ちなみに制作日誌的には三宅里沙の舞台が終わった頃に女優ふたりと打ち合わせをおこなう予定です。それまでには台本ができあがっている予定です。もしくは違う形のなにかができあがっている予定です。予定は未定です。

 わたしといえば、1Fのリビングでひとりで3役を演じながらストップウォッチで測って時間を計算、曲を流したり照明をどうにかする、というのを試しながら孤独に作っています。勢い余ってテーブルに向こうずねをぶつけて、くうくう泣いたりしてます。おそらく、そんなアホなことをしている演出家なんていないんだと思いますが、はっきりいって、演劇経験ないっすからね、あははは。っていうか、やりかたなんてみんなそれぞれでいいんだよ。とも開き直っています。このあとどんな登場人物がでてくるのか、このエッセイのつづきもとくとご期待ください!!!




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