【詩】ナイチンゲール

黄金色の鳥籠に囚われた小夜啼鳥
ココロの在りかを見失い
霞んでいく景色を求めて
今宵も緋色の思いを声に乗せる

小さな雫を振り絞るように
月明かりに届くように
消えていく影法師をなぞるように

誰もいない部屋で一人
美声を響かせる小夜啼鳥
怖い程の静寂を飲み込んで
あの時の囁きを呼び起こそうとしている