るなこ365〔44〕

5月14日のるなこ


20XX年、巷に軽毒天然痘が流行りだし、ありとあらゆる人があばたになった
恥じてAIアバターを使う人が(初期は)続出したが、みんなあばたなのでだんだん慣れてしまい、奇跡的にあばたにならずに済んだ人は、『AIアバター?』と揶揄されたりするようになったのだった
あばた界なりの美人基準も出来て、ここやそこにあばたがないと駄目とか、そういう基準が出来ていった
小さいるなこは驚いた

えー!?昔はあばたのない人がいたの?

母親はるなこの美形あばたの位置を確認しながら、うわの空で答える

だそうよ
昔って不自由よねえ
美形あばたが絶対手に入らないってことですものね
かわいそうねえ


時代時代の美意識、感性
るなこらはそうした価値観の中で生きていくしかないのだろう




それでも地球は回っている