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メキシコ旅行記②国際女性デーのデモに遭遇して、ジェンダーギャップについて真剣に考えてみた

※この記事がずっと下書きに入っていたことに気付いたので供養。学生最後に行った旅のことを、社会人2年目の冬に公開することになるとは思ってなかった。

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2022年3月8日。
メキシコシティで過ごす初日。

ホテルの美味しいメキシコ風朝ごはんを食べ、
前日壊れたiPhone11を修理しに行き、
(全く言語が通じない中で修理に出したので物凄くドキドキした)

ようやくひと段落!街を歩いてみよう!!と思ったら、

お分かりいただけるだろうか。

どこに行っても、聳え立つフェンス。おかげで全く中に入れない。

メキシコに来る前、現地の友人から、
『コロナで観光客を入れないようにしてる美術館とかあるから、気をつけてね!』
と言われていたのを思い出す。

これもコロナ対策なのか?いや、そうは見えない。。
もしかしてメンテナンスで閉めてるのかな?

などと色々考えていたら、偶然ベンチで隣に座っていたお母さんが教えてくれた。


今日は国際女性デーだから、これから女性たちによるデモが始まるんだよ。
教会や美術館をデモから守るために街中にフェンスが置かれているんだ。

実際のデモの様子。

メキシコの男女差別

そのお母さんが言うには、メキシコには女性差別による暗い歴史があり、今もまだ女性差別が色濃く残っているらしい。

例えば、妊娠している子供が女の子だと、堕ろせと言われたり、母子共に殺されてしまうこともあるのだという。

お母さんの話が衝撃的すぎて、自分でも調べてみた。

女性を標的とした拉致や殺害事件(通常フェミサイド)もメキシコ全土で発生しており、
2020年の1年間だけで、殺害されたのは3,728人、そのうちフェミサイドの犠牲者と見られているのは940人にも上るという。

参照:アムネスティ国際ニュース

今回のデモは、フェミサイドに対する捜査当局のなおざりな捜査や、ジェンダー差別の視点の欠如などに対する意義を唱えるものなんだそう。

デモに参加しているのは若い女性が中心だったが、
中には男性の姿もあった。実に大きく激しいデモだった。


『信じられない、こんなの日本じゃ見たことない。』

大きなショックを感じた。その日帰ってからもデモの情景が頭から離れず、ジェンダーギャップについて日本国内についても調べてみた。

日本は男女平等な国なのか?

調べてみたら、もっとショックだった。


フェミサイドについて調べると、実はデータを見る限りでは、日本でも『女性の方が犯罪被害者として殺される可能性が、世界標準的な数字と比べると高い』と言えるのだそうだ。
(詳しくはこの記事

『フェミサイド』としての認知が低かっただけで、実は我々日本人にとっても身近な事象だったのだ。


次は、ジェンダーの問題について話す時によく用いられるのはジェンダーギャップ指数を見てみる。

このジェンダーギャップ指数、日本はめっちゃ低い!G7の中で最低スコアだ!というのは知っていたが、ここでメキシコと比べてみると、改めて見てみると実は日本はメキシコよりもはるかに下位。

日本は156ヵ国中120位、対するメキシコはなんと34位!!!

日本のデータはこんな感じ。

対するメキシコのデータは以下の通り。

メキシコ 34位/156カ国
経済:122位
政治:18位
教育:56位
医療:58位
グローバルジェンダーギャップレポート2021より参照

あんなに大きなデモをやってたくらいだから、メキシコの順位はもっと低いのかと勝手に思ってしまっていた。
まさか日本の方が遥かに低いとは…

『ジェンダーギャップ指数が低い=男女不平等な社会』と言うわけでは当然ないし、あくまで参考として取り上げるが、
それでも日本にもジェンダーに関する課題はまだまだある事が分かる。

特に政治面と経済面の課題が大きい。

日本における国際女性デー


さて、日本のジェンダーギャップはまだ大きそうだが、この『国際女性デー』というイベントがどれだけ日本国内で認知されていて、どれだけの人が何か行動に移しているだろう?

正直とても少ないと思う。自分も何もしない側の一員だった。

ただ、日本が男女格差について抱える問題だったり、メキシコでのデモの光景を目の当たりにすると、これからはもう『何もしない』という訳にはいかない。

フェミニストになる!という訳でもない。けれど、毎年日本のジェンダーギャップの実情を調べて、自分なりに解釈して、周りの信頼できる人たちと話してみようと思った。


全然観光のこと書けてないけど、旅はこういった気付きをくれて楽しいよね。

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