あめ

気ままに書いています。

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漫画感想文「ガラスの仮面」39巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

紅天女の話が進みます。 「なんてこと…!」 「この子…! きのうのあれは演技じゃなかったの…?」 「まさかそんな…!」 と驚く亜弓さんの、 後ろへ風が吹くような、腰から上を後ろに引いて左肘を広げ右手を口元にもってくる体勢が、らしさ盛り盛りで楽しいです。 月影先生が足首につけた鈴を鳴らさずに歩くことができる凄さを見せつけたシーンで、取れて拾った鈴を自ら掲げ、「フフフ…」と飾り文字までつけて笑っている大きなコマに、「めっちゃキメるじゃん」と思いました。 月影先生はたまにキメゴ

    • 漫画感想文「ガラスの仮面」38巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

      千草巻。かなり劇的な半生を歩んでおられます。千草がこんなにひとりの人に対して情熱を抱く人だったなんて知りませんでした。 初期、まだマヤが中華料理屋住み込み店員の母のもとにいた頃に、千草が大きなベッドで体を起こし、紅天女を譲れと言う真澄に対しにべもなく断っていた場面を思い出して、これほどのいきさつがあったならあの態度も当然だと思いました。

      • 漫画感想文「ガラスの仮面」37巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

        この巻は、感情がたかぶって、思いを言葉に落ち着かせるのに時間がかかります。 全巻から引き続き、マヤと真澄二人の雨宿り。 マヤはついに真澄への思いを自覚します。 夜が明けるまで、マヤの視点に寄った描写でシーンが進みます。 マヤの自覚と思い、真澄の女優マヤへの思い、真澄の見合い相手・紫織さんの存在、けれど薪がなくなり温めあって眠る……。 一連のシーンの中に心の浮き沈みが激しいです。わたし的には最初のほうの、 というところの本心を隠す真澄、とくに「けっこうだ」のコマの真澄に、甘

        • 漫画感想文「ガラスの仮面」36巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

          表紙の淡くて華やかなピンク色がかわいいです。 真澄が父の捜索のため紅天女のふるさとにやってきて、マヤと並んで星空を見ます。 父への、憎んですらいるような、それゆえにこそこのまま自分の前からいなくなることを許さないという思い、マヤへの変わらぬ思い……。 大雨の中探しに来てくれた真澄と二人で雨宿りをしているとき、マヤはこれまでの、憎まれ役の仮面におおわれていた真澄のやさしさに気づきます。 真澄が貸してくれたコートの中でぽろぽろ涙をこぼして、パーティー会場で闘牛のように狼少女を

        漫画感想文「ガラスの仮面」39巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

        • 漫画感想文「ガラスの仮面」38巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

        • 漫画感想文「ガラスの仮面」37巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

        • 漫画感想文「ガラスの仮面」36巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

          漫画感想文「ワンピース」102巻 尾田栄一郎(ジャンプコミックス)

          ワンピースは、1コマ読み飛ばしたかと思うくらいテンポがいいです。 この巻でも、最初の1026話でルフィがモモに乗って「おいモモ!」と呼びかけた次のコマではもうモモの上空高く飛び上がっていて、モモは「ムリムリ!ムリでござるぞ!」と答えています。左ページの左下と右ページの右上の2コマだったので、2ページめくっていないか確認しちゃいました。 マンガには速さがあって、ワンピースの速度に乗って読めれば、そのように戸惑うことなく爽快に読むことができます。 かきこみが多くて、バトルシ

          漫画感想文「ワンピース」102巻 尾田栄一郎(ジャンプコミックス)

          漫画感想文「ガラスの仮面」35巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS) 紅天女のふるさとで「風」のエチュードを演じた亜弓さんの、細い線で描かれた、肩口を振り返ったような瞬間がきれいで、不躾にもまじまじと見つめてしまいました。

          漫画感想文「ガラスの仮面」35巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS) 紅天女のふるさとで「風」のエチュードを演じた亜弓さんの、細い線で描かれた、肩口を振り返ったような瞬間がきれいで、不躾にもまじまじと見つめてしまいました。

          漫画感想文「ガラスの仮面」34巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

          真澄さま巻でした。 父・速水英介が絵や衣装を飾った紅天女部屋を作るガチヲタだったことにも驚きましたが、真澄さまの過去が丁寧に語られたので、この巻の終わりのほうで紅天女のふるさとへ行くマヤたちのホームの陰に立っているのが大ゴマで映されたとき、はっと胸を衝かれるような気持ちになりました。 マヤが紫のバラのひとは速水さんだと気づき、信じがたくて悩んでいるのが、丁寧な回想とともに紙幅を割いて描かれています。 「そのひとがよりによってあの速水真澄だなんて…!」というモノローグで地面の草

          漫画感想文「ガラスの仮面」34巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)

          音楽感想文「永遠市」amazarashi 「君はまだ夏を知らない」に慈愛を感じて、胸を衝かれるような思いです。 とくに、サビに入るとき強い音が鳴らなくてそう感じます。 amazarashi の曲に慈愛が滲む日が来るなんて想像していませんでした。

          音楽感想文「永遠市」amazarashi 「君はまだ夏を知らない」に慈愛を感じて、胸を衝かれるような思いです。 とくに、サビに入るとき強い音が鳴らなくてそう感じます。 amazarashi の曲に慈愛が滲む日が来るなんて想像していませんでした。

          読書感想文「宮本武蔵(一)」吉川英治(講談社文庫) ストーリーがころころと軽快に展開していくのがおもしろかったです。新聞連載だったからかも。この厚みで五まで続くなんて軽く衝撃。

          読書感想文「宮本武蔵(一)」吉川英治(講談社文庫) ストーリーがころころと軽快に展開していくのがおもしろかったです。新聞連載だったからかも。この厚みで五まで続くなんて軽く衝撃。

          読書感想文「嵐が丘」E・ブロンテ 田中西二郎(新潮文庫)

          初めに手に取ったときはページをめくる手が早々に止まってしまいましたが、ガラスの仮面でマヤが演じたのを見たあとではすんなりと最後まで読めました。ちょっと厚い文庫本だけれど。 ガラスの仮面では、キャサリンとヒースクリフの仲は無邪気で、キャサリンの兄の仕打ち?が不当だという印象を受けましたが、この新潮文庫で読みましたら、ヒースクリフが意地の悪い人物に見え、嵐が丘ともう一つの屋敷の皆はヒースクリフ一人に食い荒らされたように見えました。 最後に「結局ヒースクリフは何者だったのか」と

          読書感想文「嵐が丘」E・ブロンテ 田中西二郎(新潮文庫)

          季節のお便りが届きました[通信芸大日記2024.4.12]

          「季節のお便り」と題されたメールマガジンが、4月の1週目に届きました! 文芸コース主任の川埼先生のコラムと、事務局からのお知らせです。 三日坊主になることを恐れずに、新しいことに挑戦しよう! という内容の1500字くらいのコラム。くすりと共感できるコラムが書けるのかっこいいです。

          季節のお便りが届きました[通信芸大日記2024.4.12]

          ひよっこ校正者の反省と楽天性の日記

          わたしはフリーの校正者をしています。 とはいっても、校正プロダクションに登録して、 お仕事の発注を待ち、発注されたら何であれ受注する、 というかたちです。 自分で仕事を獲得したり持ち掛けたり、 打ち合わせや請求書の作成をしたり、 という、フリーランスときいて思い浮かべるようなことはしていません。 スーツを着てメールを打ったり電話を取ったり打ち合わせをしたりという経験がなかったので、 校正の作業以外を代行してくださるプロダクションの存在がありがたく、担当の方に頭

          ひよっこ校正者の反省と楽天性の日記

          読書感想文「オリバー・ツイスト 下」チャールズ・ディケンズ、山本史郎・斎藤兆史(偕成社)

          三人称視点で書かれていますが、章の導入に作者の主観が入り込んでいたり、泥棒の形容詞に皮肉がきいていたりするところがあっておもしろいです。 わたしの推しは、オリバーに救いの手をのべてくれたブラウンロウ氏の友人、グリムウィッグ氏です。自分の頭を食べてみせる! と言う愉快な人です。 オリバーの行く末にはらはらしましたが、ハッピーエンドでよかった!

          読書感想文「オリバー・ツイスト 下」チャールズ・ディケンズ、山本史郎・斎藤兆史(偕成社)

          読書感想文「詩を考える」谷川俊太郎(思潮社・詩の森文庫)

          わたしは何かを学ばなければならないと感じます。 けれど何を学べばよいのかは分かりません。 言語学や文学の大学の授業を真面目に四年間受ければよいのではないと思います。 文学の形式を学ぶことも必要でしょうが、それだけでは何にもならないと思います。 何にもとは言いすぎでしょうか。 大学の文芸コースに入ることが、ぽっと小さく灯る安心になります。 それで安心してはいけないという緊張をもたらします。 詩の世界に入っていけるのか不安に、恐ろしく、なります。芸術の世界に。文芸の

          読書感想文「詩を考える」谷川俊太郎(思潮社・詩の森文庫)

          藍染作家のお話を聞きました[通信芸大日記2024.4.13] 学内に向けて公開されたオンラインセミナーの動画を見ました! 日常的に染め物をなさっている方の存在に初めて出会いました。芸術っていいな。

          藍染作家のお話を聞きました[通信芸大日記2024.4.13] 学内に向けて公開されたオンラインセミナーの動画を見ました! 日常的に染め物をなさっている方の存在に初めて出会いました。芸術っていいな。

          4/7京都瓜生山キャンパスのガイダンスに行きました[通信芸大日記2024.4.13]

          入学式に行けなかったことに端を発する内省わたしは元気がありません。 入学式の模様をこの目で見たかったのに、その時その場にいられなかったからです。 わたしは自由に曳かれています。 学校があっても行かないし、 入試があってもすっぽかすし、 そういうことを、やむをえずやっていた時期があり、 今もまだその時期を完全に抜けたとは思っていません。 いつか抜けるのではないのかもしれないと思っています。 だましだまし、 なだめすかして、 工夫して生活をしていくのだと思っ

          4/7京都瓜生山キャンパスのガイダンスに行きました[通信芸大日記2024.4.13]