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献血放浪記

不在着信が入っていた。とある事務手続きする場所を間違えていたみたいで「ここじゃないです!期限近いので急いで連絡した方がいいです!」と教えてもらって、連絡したら本当に期限が近かったみたいなのでちょっと怒られた。でも期限内なのに怒られた。「お手間とらせて申し訳ありませんでした。」と嫌味たっぷりに吐き捨ててやった。てのは嘘でほんとは大号泣してた。電話切って舌打ちまでしてやった。ふん!
舌打ちの音が大きすぎて唾が飛んで水溜りができて花が咲いて雨が降って千の風になった。

カスは誰かの役に立ちたいと思って献血センターに行った。中に猛者みたいな人たちがいっぱいいて新入りの私はおずおずと入った。なんか飲み物とかお菓子とか食べれるらしい。だいすきなカントリーマアムがあった。でも入ってすぐ食べたらカントリーマアムが食べたくてきたカスと思われるので烏龍茶をちょっとだけ澄ました顔で飲んだ。流れてるテレビに目もくれず真面目に献血の資料を流し目で読んだ。かっこいい。
受付のお姉さんもお医者さんも優しくて「よく来てくれたね」と褒めてくれた。嬉しい。「初めての人はこのカードを首から下げてください」と初心者マークをもらった。カードをぶらぶらと下げて、鼻を膨らませて肩を切ってずんずんと採血室へ向かった。まるで水を得た魚、社会的な役割を得たカスである。

意気揚々と腕まくりをしながら採血室へ入ったけど、なんか来る場所違ったみたい。採血室のお姉さんが「先に検査があるのでそちらへどうぞ」とにこにこ言ってくれたので、ちょっと猫背になりながら検査の方へ向かった。でもカードがぶら下がってるから安心。まだ鼻は膨らませているし、1000年に一度くらいの天使の微笑みを浮かべている。
検査のお姉さんに指先からちょっとだけ血を取ってもらった。「血が薄いから献血できないかも〜」と言われた。なんだって!

ヘモグロビンがちょっと足りなかった。
やはりカス。カントリーマアム食べなくてよかった。鼻はしぼんで猫背になって身長は5
cm縮んだ。てのは嘘で身長は5cmほどになっていた。

終わった後に「良ければゆっくりしていってください。」と言われたのでカントリーマアムを食べようとしたけどここでカントリーマアムまで食べてしまったらカスすぎると思ってやめた。てのは嘘で一個食べた。さいあく☆

たくさん褒められたし、明日も来たらまたたくさん褒められるかもと思ったけど、
「ヘモグロビンが上がると思われるまた1ヶ月後くらいに来てくださいね」と言われてしまった。

カントリーマアムと鉄剤を買って帰った。
献血ルームだいすき〜♡

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