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任天堂の次世代機が今年でるらしいのでリークをまとめて考えてみる

今年も早いもので2月になった。ニンテンドースイッチは実は今年の3月で7年選手になる。
これは長い任天堂の過去の据え置きハード遷移(gc→wii 5年 wii→wiiu 6年 wiiu→Switch 3.4年)を見ても異例のロングランで、そろそろ次世代機が出る、出そうという噂で昨年から持ちきりである。


2024年の3月期における決算説明会でわかったこと

次世代機を紐解くためには現状の任天堂の姿勢の理解をする必要がある。そこで、昨年11月に行われた決算説明会の資料を引用しつつ振り返ろうと思う。

とにかくソフトウェアの売れ行きが良い。
過去ハードのようにファーストタイトルだけでなくインディーズなども伸長しているのが特徴


任天堂のオンラインサービスでやっと可用性のあるアカウントの作成がSwitchから可能になった。
同社はこのアカウントに関してビジネスの基盤と捉えている。

競合であるソニーのプレイステーションなどはPS3時代から一環してPSアカウントが継続利用できているのに対して、任天堂はSwitchでようやくアカウント運用が上手に行っている。
アカウントが継続利用できれば、例えばプレイ記録の収集などが容易になる他、次世代機が出た際に購入済のタイトルに互換性を持たせたりすることができるので、どんどん便利な機能を追加して行ってもらいたいところ。

とはいいつつもSwitchの販売台数は落ちることを知らない。
引き続き稼働の維持と拡大を目指す形でハードのスライドは締めくくられている。

決算資料通り、2024もリメイクを含めて新作タイトルの投下が予定されている。と同時にこれまでのプラットフォームのサイクルに囚われない姿勢を見せている。
ただ任天堂にとって年末年始は年に一度の勝負時でもあるため、年末前に次世代機があることを決算でチラつかせるわけにはいかないというのもまた一理あるわけだ。


最近の任天堂の噂をまとめてみる

昨年の10月、信頼性の高いリーカーのNate the Hate氏がYou Tube上で公開した情報によると、次世代機はNVIDIA DLSS 3.5 Ray Reconstructionをサポートするとのこと。

DLSSというのは、画質向上やフレームレートを改善するもので、DLSS 3.5で導入されるRay Reconstructionは、AIがゲームエンジンから受け取ったデータを分析・処理し、よりリアルで細やかな表現を実現する。
これにより、レイトレーシングの品質が大幅に向上することが期待されます。

また同10月に任天堂が公開した特許から次世代機には着脱可能なデュアルスクリーンが搭載されるのではないかと噂がされていた。

このデバイスの外側にもタッチスクリーンがあり、プレーヤーはデュアルディスプレイ
を閉じた状態でも操作できるよう


年が明けて1月、Gamesindustry.bizの2024 年の予測記事によると任天堂の2024年の計画についていくつか発言し、次世代機の価格が現行よりも100ドル近く高くなる(約400ドル)ことを伝えている。

記事内では「次のシステムは革命というよりは反復になる可能性が高い。」と言うように、ハードウェアの強化やいくつかの新しいギミックを提供するものの、真に画期的なものは搭載されない可能性が高いそうだ。

同1月にBloombergは、「英調査会社Omdiaは、今年中に任天堂が次世代機を発売するに伴い、中小型ゲーム機耀ディスプレイの出荷が1460万枚程度増加するとの予測を明らかにした。」と報じた。

英調査会社によると次世代機に搭載されるのは8インチの液晶ディスプレイで、有機ELの搭載は今年に関してはないということ

と噂の絶えない次世代Switch。火のない所に煙は立たぬというが、ここまでの情報をすべて実現できているとも思えない。
現実的に携帯機でDLSSやレイトレーシングを実現する場合400ドルでは逆ザヤも良いところな具合で赤字である。
また、任天堂が届けたい次世代機は「新しい体験(アソビ)」が加わる事が多いが、単純な性能を上げたSwitchという情報にとどまっている。

概ねリークの情報をまとめると

  • 次世代機は今年の発表・発売(今年3月発売という噂も昨年あった)

  • 基本的にSwitchの性能を上げ、画面は大きいor拡張している

  • 性能向上に伴って価格はアップする


では次世代機はどうなっていくのか(考察)

振り返れば任天堂の希望としてはSwitchの勢いを維持・拡大したまま次世代機への移行が完了すること。またSwitchの性能じゃできないサードパーティーのタイトルや、前世代機にはなかったアソビを提供すること。
ここがミッションである。

任天堂は次世代機の方向性で岐路に立たされている

次世代機はズバリ「攻め」なのか「守り」なのかというところだ。

任天堂の過去のハードで例に挙げるなら、ゲームキューブからWiiは「攻め」である。ボタンの数は大幅に削減し性能も大幅な向上を図ることなく販売した。逆に姿かたちはほぼ変わらずにマイナーチェンジをしているのはDSから3DSは「守り」の世代移行だった。
同様にWiiUからSwitch移行も同じて基本コンセプトを変えていない。

思えばSwitchは新しいアソビというにはだいぶ堅実で機能的なところに振っている。突飛な機能としてはIRカメラくらいで、その他の機能は携帯機につけ外し可能なコントローラーをつけて、テレビ出力機能をつけただけである。

この機能を活かしきれているタイトルは7年経っても少ない。

今までのリーク、それから決算の内容から見ると今回の次世代機は「守り」に徹するように思う。
基本コンセプトはWiiUから変わらず、テレビを占領しない自由な体験とSwitchからの外に持っていくことも、持ち寄ることもできてスリープ機能でサクサクとい部分も変わらないだろう。
現在のリークにあるような不足している部分を補いつつ(GPUやCPU向上、ジョイコンの壊れやすさ、オンライン機能の物足りなさ)をしつつ次世代機として出てくるのではなかろうか。

とはいえ性能向上とマイナーアップデートだけだとSwitch Proになってしまうため、コストが掛からない & 必須ではない形でのプラスαを容易してくることはあるだろう。

現世代機にはない新しいアソビの形とは

ゲームハードにおいてプラスアルファ要素は往々にして歓迎されていない事が多い。PlayStationVitaの背面パッド、3DSの3D機能など様々挙げられるだろう。

大画面化は現実的だが二画面拡張はマルチ開発の観点から現実的ではない

ここではありそうな線でいくつか新しいアソビを紹介していく。

コントローラー不要!カメラの空間認識を活かしたアソビ

そう、それはXBOXにあったキネクトのような…

昨今の画像認識能力の高さを活かしたアソビということで、Wiiのセンサーバーのようにセットか直接本体に奥行きがわかる複眼のカメラを搭載する。
誰でも遊べるゲームの最も簡単な入り口はコントローラーがなくても遊べることだ。
例えば右膝と左膝を叩いて操作したり、実際に本物のコップを持ってミニゲームをしたり現実の物体や体の一部をコントローラーにできても面白いと思う。
他にも今まではジョイコンやWiiFitなど外部機器が必要だった実際に足を上げたり、腕を伸ばしたりしてゲームをクリアしていくエクササイズ系のゲームとも相性が良い。

その辺のものがコントローラーになるというのも非常に面白いと思うし、テレビの前に色オニごっこ的な、指示された色のものを家から探してテレビの前に持ってくるなんてアソビができるのも楽しいだろう。


スマホとテレビでスイッチできるゲーム体験



Nintendoのアプリを使うことでゲーム体験をより広げようというもの。
「エブリバディ 1-2-Switch!」に思想は近いが、大人に限らず子供も今は持っているスマートフォンを活かして、WiiUのゲームパッドのようなゲーム内で連動した情報を表示したりコントローラーとして利用する。

傾けてマリオカートのハンドルして利用したり、簡単操作の2Dマリオのコントローラーとして接続すれば、コントローラーを来客用に増やさなくても持ち寄って遊ぶことができる等アソビの幅はかなり広い。
WiiUのときは二画面を前提としていたがこの機能であれば、必要に応じて多くの人が持っているデバイスを活用するだけなので、そこまで製造コストに影響なく機能を追加できるのではなかろうか。



任天堂ライクな独自のオンライン要素に特化

現在のNintendoに足りていないのは録画機能と配信機能だ!

オンライン機能の物足りなさを先程私はマイナーアップデートで挙げたが、現在Nintendoはスクリーンショットでの共有に留まっており、本体単体での配信機能は備えていない。「今の戻したい!」という画面録画も30秒前までしか遡ることができない。
最近だとスーパープレイなどをアップロードしたり、編集がいらない配信をする人も増えてきている。同社のタイトルである「Splatoon」などは非常に配信ウケしやすいコンテンツでもあるだろう。
これらを任天堂ライクな味付けで動画配信or動画編集できないかというもの。いわば「Miiverse」のTwitchバージョンとも言える。

現在はアプリを使わないといけないボイスチャットも標準で搭載して、オンラインプレイの利便性向上は測って欲しいところである。

任天堂ライクな試みとして常に全プレイヤーが配信orゲームプレイを録画しており、オンラインゲームのやられた敵視点をあとから自分が見ることができるとか、フレンドが遊んでいるのを覗き見できたりとか、配信を許可しているもの同士でゲームのお誘いが送信できるーとかゆるりとつながるオンラインも面白そう。

ただ現在サービスが終了しているMiiverseも、良い部分がある反面小中学生と思しきユーザーと一部の悪い大人によって民度が微妙に悪い時期があったのも事実。このあたりの小さい子供から遊ぶことを想定したポリシー整備などの手間を考えると任天堂が二の足を踏むのも分からなくはない。

VRヘッドギアとスイッチ!

無難すぎて逆にない

おそらく予想で一番多いであろう。VRヘッドギアとのスイッチだ。
現在VRゴーグルは為替の影響もあって非常に高価で、PlayStationVR2が7万近い価格がする上に型の古いMeta Quest 2ですら4万円してしまう。

ここに次世代ハードの画面を挟み込むことでVR体験ができるというもの。
高度なモーションセンサーとヘッドギアに取り付けられたカメラを使って実現する。AppleのVisionProなどヘッドギア製品が領域問わず各社から出ている現在、非常に流行りの手法でハズれない新機能をつけているとも取れる。
ただ私はこの可能性は低いと思ってしまう。

  1. VRで革新的なゲームがない。本格的なタイトルがない。
    PSVRの様子を見れば分かる通り、おまけの機能になってしまう。

  2. VRでの長時間ゲームは難しい
    気持ち悪くなりやすいというのと、仕組み上目の疲労がかかる。
    3DS時代の任天堂には痛い思い出。

  3. みんなで遊びにくい
    特性上一人で遊ぶコンテンツにとどまってしまい、
    任天堂タイトルお得意のいわゆるパーティーゲーと相性が良くない。

上記の理由から、かけたコストに対してスイッチのコンセプトから離れていくようにも思える。
また老若男女が手を伸ばす任天堂ハードにおいて、VRゲームというのはまだまだニッチでギークな領域だと思う。


まとめ

ここまでつらつらと次世代機の予想や方向性を個人的な見解でまとめたが、言ってしまえばここまでの予想を裏切ってくるのが任天堂だろう

今年発売するのであれば2月から3月には発表していてもおかしくない。
おそらく発表も大々的なカンファレンスなどではなく、ある日突然公式サイトが更新されていて、Youtubeに紹介動画がアップされているのがオチだろう。

ゲーマーの予想を裏切って、斬新かつワクワクする体験を楽しみに待っている。


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