千夜一夜物語 (アメリ)

株式会社アメリが執筆するポエム。 アメリHP:https://amelie-cfp.c…

千夜一夜物語 (アメリ)

株式会社アメリが執筆するポエム。 アメリHP:https://amelie-cfp.com/

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第一夜 『千夜一夜物語』

はじめに。 千夜一夜物語はサーサーン王朝時代にペルシアをはじめとする各地域の民話を編纂した作品である。 正直、株式会社アメリとは縁もゆかりもない作品である。 今回、この作品の名前を我々のコラムの表題とした意図はある。 それは、一つのことを続けることで何かを成し遂げるシェヘラザード(千夜一夜物語の主要人物)と株式会社アメリを重ね、長い期間を使って達成するための記録を残し、「明日はもっと面白い話になる」と伝えていきたいと考えたからである。 ご存知の通り、「千夜一夜」とは単に

    • 第百九十七夜 『パンドラの匣』

      29日にその事件は起こった。 なんと彼はリスケしたのである。 前々から準備をしていたものの、万全な状態に調整ができないと判断してのことだという。 私自身は来月の3日にそれを控えており、多少の調整をかけているところである。 アルコールを抜き、簡単な運動をし代謝を上げている。 食事にも気を使い、油ものは控えている。 しかし、今回は普段からトライアスロン競技を嗜む彼が自身の設定した日付をリスケしたのである。 これは以外であると思ったものの、彼からの報告を見て断腸の思いで

      • 第百九十六夜 『とめはねっ』

        「私の親戚がちょうど事務所の近くで書の個展を開催していて、午後にHさんと一緒に行く予定なのですが、ご一緒にどうですか。」 いつも通り、会社で会議を終えた後、午後に休暇を予定している彼に声をかけてみる。 彼は書に精通しているわけではない。 しかし、ただなんとなしに、彼の感性で見たときにどんな反応をするのかを見てみたかったのである。 いっぽうのHさんは美大出身(卒業はしていない)のため、その親戚の作品をどう見るのかを知りたいし、Hさん自身も興味があるとのことで利害が一致した

        • 第百九十五夜 『必殺仕事人』

          「Iさんに依頼した企画が年明けから実に税引き利益で⚪万円を超えました。」 昨年、彼の企画をもとに業務委託社員のIさんに依頼したセミナー企画は半年を経て、ようやく大きな収益化に成功したことは以前も触れた。 そして、今その企画が無事、安定して案件を生み出すようになるほどにまで成長した。 第2の矢もすでに放っており、来月の頭に収益化につながるかどうかというところである。 またS企画の第3の矢も準備中である。 「もう一つ報告があります。」 「報告ですか。」 「はい。Iさ

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        第一夜 『千夜一夜物語』

          第百九十四夜 『青のフラッグ』

          私は協会の研修でとある公演を聴いている。 登壇者幾度となく、ダイバーシティ、すなわち多様性を訴える。 さて傾聴してみよう。 何度聞いてもその多様性は男性社会への投石であった。 検事は男社会であり、体育会系であり、私の味方をしたのは女性だけであった。 そのような意図がなかったとしても、そう伝わりかねない論理展開に辟易する。 昨今、いささか病的とも言えるマイノリティ変調にいい加減うんざりしてしまう。 多様性を認めるということは、特別扱いをすることではないのである。

          第百九十四夜 『青のフラッグ』

          第百九十三夜 『桜の森の満開の下』

          「建物管理のS社から排水溝清掃の件で入居者情報ほしいって言われたんだけどわかる?」 N社で同期入社のHからきた知らせはつい2ヶ月前に購入した物件についてである。 株式会社アメリが売主となった初の物件でもある。 「入居者情報は細かいとこまでであれば、賃貸会社のK社だね。契約書の控えは手元にあるかい。」 「K社の連絡先あったから連絡入れました。よくわからないけど、清掃の通知出したのに受け取った形跡がない。その上ベランダに虫が多発しているとか笑」 不穏な空気である。 「

          第百九十三夜 『桜の森の満開の下』

          第百九十二夜 『ジャックと豆の木』

          前四半期はようやく目が出てきたというところであろうか。 株式会社アメリが昨年、種を植えた土壌から成果物が上がってきたように思える。 その上で、新たな種を植え、水を与えている。 まだ収穫していないものもあれば、収穫した結果新たな種を落とした企画もある。 我々はただひたすらに耕して水をやりそれらを育て、また種を植える。 その中である一つの木を天まで届くものに育てていかなくてはいけない。 それがアメリのミッションである。 天まで届くくらい大きな木を上、彼と私は次の世代

          第百九十二夜 『ジャックと豆の木』

          第百九十一夜 『22年目の告白』 

          「今回のセミナーの申し込みに関してなのですが、このY様って年齢的にも名前も以前V社で一緒に働いてた方と被るのですが、本人ですかね。」 「そうでしたっけ。言われるまで気が付きませんでした。」 「気になるので聞けたら確認してください。」 「承知しました。」 私がその申し込み情報を確認した際は、珍しい名前というわけでもなかったので、冗談半分のなんなら世間話程度の笑い話のつもりであった。 後日、当日のセミナー担当のSが確認のメールを送るまでは。 そう。Y様はかつて共に仕事

          第百九十一夜 『22年目の告白』 

          第百九十夜 『論語』

          加齢というものには本当に困らされる。 人は歳を重ねると、健康に気をつけなくてはいけないのはもちろんのことだが、新しいこと、価値観への寛容さが著しく低下するものだ。 一方で、その寛容さを保ちながら歳を重ねていく人間もいる。ちなみに私自身は職人気質の人間が昔からの経験に意固地になっている様を見て、それはそれでかっこいいなどと思ってしまう質を持ち合わせているのであるが、その件に関しては今回は深く掘り下げるのは止めよう。脱線もいいところである。 閑話休題。 歳を重ねても寛容さ

          第百九十夜 『論語』

          第百八十九夜 『星の王子様』

          池袋はHと私にとっては馴染みの駅である。 高校時代を共にその街で過ごした思い出の地である。 よく学校をサボタージュしては池袋でやれカラオケだやれゲームセンターだと日々の行き場のないエネルギーを発散していた。 そして、そこから自分の半生と同じだけの月日が経ち、30代になった私は、カフェでHを待つ。 「財布を忘れたので取りに帰ったので少しお待たせします。」 社用の携帯にそんな知らせが届いていた。 「承知しました。」 私は簡単に昼食をとりながらHを待つことにした。

          第百八十九夜 『星の王子様』

          第百八十八夜 『正欲』

          株式会社アメリのセミナーが走り始めてから1年が経とうとしている。 1年間の申込者、参加者の方をリストに並べていく作業をしていると、自ずとその歴史を感じる。 この人はこんなに申し込んでくれたのだなとか。 そういえば申し込んでくださったのにキャンセルになってしまい、その後連絡ができていないなとか。 様々な模様を見ることができる。 私はアメリのセミナー参加者の特典として、ある企画を持ち込もうと考えている。 誰しもが、申し込んでよかったと思えるような施策なのではないか。

          第百八十八夜 『正欲』

          第百八十七夜 『ルサンチマン』

          従業員のSは考える。 「自分ができる集客は何か。」 現在のSが受け取る歩合の大半は彼と私の案件から支払われている。 営業部を自走させるためには、S自身が案件を創出していく必要がある。 目標の年収を叶えるためには、S自身が案件を創出していく必要がある。 だからこそ、考える。 「アメリのサービスの恩恵を受けれる顧客層をターゲットとしたマーケティング企画。」 簡単にいえば、これが今回Sに課された課題である。 アメリのセミナー企画は、昨年度に『節税』を、第一四半期に『

          第百八十七夜 『ルサンチマン』

          第百八十六夜 『老後の資金がありません!』

          「老後2000万円問題という言葉が聞き慣れてきた方も多いのではないでしょうか。」 私はかつてFPの資産形成セミナーの導入でこんな台詞を幾度となく繰り返した。 『老後2000万円問題』は実に今年で5周年だというのだから驚きである。 『人生100年時代』を迎え、老後を今までの20年間から30年間と仮定し直した際に2000万円ほど不足が出るというその言葉はセンセーショナルに巷を沸かせた。 誰しもが老後に不安を持つきっかけとなり、同時にファイナンシャルプランナーという職業が人

          第百八十六夜 『老後の資金がありません!』

          第百八十五夜 『花の慶次〜雲の彼方へ〜後編』

          後編 トライアスロン大会の翌日、彼はいつも通り会社に出社した。 まるで、ルーティンをこなしてきただけという顔つきだ。 トライアスロンであげてきた武功を誇示するでもなく、淡々といつも通り仕事に取り掛かる。 「Jさんは『花の慶次』が好きなんですね。」 彼は口に運んでいた無料のアイスコーヒーを一度置き答える。 「好きなんてものじゃないです。 大好きです。 なぜか我々は自然とそれぞれが、前田慶次、奥村助右衛門の役割を担うことが決まったほどです。」 「役割ですか。」

          第百八十五夜 『花の慶次〜雲の彼方へ〜後編』

          第百八十六夜 『花の慶次〜雲の彼方へ〜前編』

          前編 手記 先日は世界トライアスロンシリーズY市大会に参加して無事完走はする事が出来ましたこと。 改めてお伝えさせて頂きます。 皆さん、ありがとうございました。 大会当日には昨年のA市宝島国際トライアスロンに一緒に参加をしたH君(27歳)が急遽応援に駆けつけました。 そして、今大会のトライアスロンは3歳からの幼馴染のJ君との参加でした。 J君とは43年間同じ時代を過ごして来ましたが、同じ競技に参加をするのは、小学校、中学校の運動会以来かも知れません。 そして、J

          第百八十六夜 『花の慶次〜雲の彼方へ〜前編』

          第百八十三夜 『アドレナリン』

          「アメリの目標として⚪︎万円を仕入れ準備金として今期用意したいです。」 第一四半期、株式会社アメリでは新たな試みとして、売主の販売を行った。 彼の顧客から物件を預かり、それは私の友人であるHが買主となった。 その経験と市場動向を把握した今、次のステップとして、その販売で利益を出せるのではという新たな仮説が立ったのだ。 そんな当たり前のことをと思う方も多いかもしれない。 利益を出すの意味は、顧客が商品として所有しても遜色ないレベルで引き渡すことがもちろんの条件となる。

          第百八十三夜 『アドレナリン』