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【AMDlabってどんな受託開発してるの?】第一弾 パブリックトイレ自動設計サービスA-SPEC 後編

こんにちは!株式会社AMDlab採用担当の加賀美早希です。
本日は受託開発紹介シリーズ後編。LIXILさん、髙木秀太事務所さんと共同開発しているA-SPECについて、髙木秀太事務所 代表の髙木さん、A-SPECプロジェクトの初期段階よりエンジニアとして開発に携わり、現在はプロジェクトマネージャーを務める弊社柴田へのインタビューをお届けします。ここでしか聞けない使用技術や、開発に対する想い、追加予定機能の情報は必読です!A-SPECの概要について知りたい方は、本記事前編をご確認ください。

◇前半記事リンク◇


開発者インタビュー

それでは早速、髙木さん、弊社柴田に質問していきましょう。

CEATEC2022にて。LIXILさん、髙木秀太事務所さん、弊社のメンバーでA-SPECポーズ。

Q1.A-SPECを開発する上で、普段から意識していることはありますか?
AMDlab 柴田:まだまだプロジェクトマネージャーとしては未熟ですが、立ち回りとしては、webの開発チームがスムーズに開発できるように、要件定義の際にできるだけ解像度を上げて、要件に落とし込む必要があると思っています。A-SPECの全体ミーティングでの内容を理解したつもりでも、いざ手を動かしたら必ず不明な点が出てくるので、webの知識に限らず、建築のドメインに関しては社内で都度相談しています。特にA-SPECチーム加入当初はわからないとことだらけでしたので、弊社代表の藤井に頻繁にslackのハドルで質問していました!

Q2.A-SPECに使用している技術で、おもしろいと感じるものはありますか?また、その技術は他にどんなことに役立てていけそうでしょうか?
AMDlab 柴田:
今更ながら、個人的にすごく興味があるのは遺伝的アルゴリズムを使用した器具配置の最適化です。A-SPECではユーザーから与えられた情報を元に都度計算を行なっているのですが、そこで使用している遺伝的アルゴリズムは最近すごくホットなワード「AI」の開発でも使用しているアルゴリズムなので、これから開発する新機能や他のプロジェクトでも「AI」を交えた開発ができるのかと思っています。
髙木秀太事務所 髙木さん:
Autodesk Platform Services(旧称:Autodesk Forge)ですね。A-SPECでは、作成したトイレ空間の3Dモデルをwebブラウザ上に表示するために利用しています。建築設計でお馴染みAutodeskさんよるWeb サービス APIなので、建築設計に重要な機能が多く備わっている印象です。別のプロジェクトでもいろいろ試したくなります。

Q3.A-SPECの機能の中で、想いのつまったお気に入りの機能や、一押しの機能を教えてください。
髙木秀太事務所 髙木さん:作成したレイアウトをスコアリングして評価してくれる機能です。私のリクエストが影響していると自負しています。自動生成と自動評価のコンビネーションがA-SPECの要です。

Q4.A-SPECには今後どのような機能を追加予定でしょうか?公開可能な範囲でチラ見せしてください!
AMDlab 柴田:今は多機能トイレを中心としたサービスになっていますが、今年は一般トイレに適応可能なサービスをどんどん追加していくと思います!

Q5.最後に、A-SPECに対する熱い想いをお願いします!
AMDlab 柴田:自分はまだプロダクトマネジメントの経験が浅く、建築業界もまだまだ勉強中の身ですが、少しでもA-SPECが良いプロダクトになるように精進してまいります!
髙木秀太事務所 髙木さん:「A-SPECを世に放つ」というファースト・ミッションを終えた今、我々の目標は「実務で実用たるサービスに昇華させる」という、よりタフでハードなものに移行しています。期待も不安も楽しみましょう。我々がトイレ設計の最前線です。

Q6(おまけ).髙木秀太事務所さんは、A-SPECプロジェクト以外で今後AMDlabと組むとしたら、どんなことをしてみたいですか?
髙木秀太事務所 髙木さん:
一緒に建物を作りたいです。実験建築のような、、、できるかぎり、小さい規模で1棟まるまる。誰にも文句が言われないような環境で、建築を。僕らのバックグラウンドは建築設計ですから。やってみたいですね。

髙木さん、柴田さん、お忙しい中有難うございました。
トイレを自動設計するという革新的な取り組みの中で、日々試行錯誤しながら開発をすすめている様子、そして、LIXILさんのトイレ設計への想いと、髙木秀太事務所さんと弊社の建築・ITの知識が繋がり、トイレ設計の可能性が広がっていく様子が窺えました。
今後A-SPECは多機能トイレだけでなく、一般トイレにも適応できるよう進化していくようです。全ての人がより気持ちよく使えるトイレが、A-SPECの普及とともに増えていくといいですね。
また、おまけ質問のQ6では、髙木さんより、いつか一緒に建物を作りたいとのお言葉をいただきました。双方が持つIT×建築の知識を詰め込んで作る建物、想像するだけでワクワクします。実現したら是非また記事にさせてください!


A-SPEC、使ってみました!

A-SEPCのことを知れば知るほど、一度使ってみたいと思いませんか?そんな貴方に朗報です!A-SPECはなんと、下記LIXILさんのサイトから会員登録をすれば、無料で誰でもご利用いただけます。

ということで、非建築設計士の私も使ってみました。簡単な情報の入力での会員登録は2分で完了。空間の広さ入力や器具選択は、図や写真を参照しながら行えるためスムーズでした。たった5分程の入力により、8パターンの多機能トイレ設計案が最終的に画面に表示されるのは感動ものです。他にも、実際に使用してみてわかった感動ポイントをいくつかご紹介します。

感動ポイント1:設計のヒント

適当な数値を入力して先に進もうとしたところ、「設計のヒント」として多くの提案が表示されました。過度な追加器具の追加により、空間の奥行きが不足しているようです。ここでの入力や選択に誤りがある場合には、それを発見できるようです。

狭い空間にベビーキープ、おむつ交換台、ユニバーサルシートを設置しようとした際のヒント

感動ポイント2:様々な利用者への配慮
設計後の3Dシミュレーションでは、利用者のアイコンが選べ、車いすやベビーカーを押す方など、様々なタイプが含まれます。しかし、最後に表示されたアイコンには驚きました。「子供と手を繋ぎ、さらに荷物で手がふさがった人」というアイコンです。私自身も経験がありますが、両手がふさがった状態でトイレに入るのは想定以上に困難です。そのような時、広々としたトイレ空間であればほっとしますよね。このような多くの状況を想定できるのは、LIXILさんのトイレづくりに対する細やかな配慮があってこそです。

子供と手を繋いで、重い荷物を片手でなんとか持って、
トイレにたどり着いた時、どんなトイレだと嬉しいですか?

非設計者の私でも、システム自体の使用しやすさや操作のスムーズさ、そしてシステムが徹底的にユーザーの立場に立って設計された優しさに胸が熱くなりました。普段からトイレ設計に携わっている方々には、更に多くの優しさを感じていただけることでしょう。この製品は、多くの方々に実際に体験していただきたいと思います。


読んでいただき有難うございました。A-SPECについては、新たな機能の追加や、使用範囲の拡大等、今後定期的に記事にしていきたいと思いますので楽しみにしていてください!

AMDlabでは、建築業界を良くしたいという想いを持った方からの案件のご依頼、開発メンバーのご応募を受け付けております。下記コンタクトよりお気軽にお問合せください。
【コンタクト】株式会社AMDlab | Contact (amd-lab.com)

A-SPECチームの挑戦は続きます…!

◇インタビュー回答者プロフィール◇
髙木秀太(合同会社髙木秀太事務所)

合同会社髙木秀太事務所 代表。建築家・プログラマー。1984年長野市出身。これまでに東京大学、北海道大学、慶應義塾大学、東京理科大学、法政大学、工学院大学、多摩美術大学、長岡造形大学で非常勤講師を務める(一部担当終了)。2023年3月「髙木秀太事務所白書」を出版。

柴田維新(株式会社AMDlab)
株式会社AMDlab webエンジニア/PM。 神戸で5年間の営業職を経て、2018年、株式会社ヒトクセに転職し、webエンジニアとしてアドテク事業に関わる。2020年に合同会社AMDlabに転職後、現在、webエンジニア、PMとして従事している。

◇会社サイトリンク◇


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