あまたす
ひとはただ リズムを刻むそのために くちずさむのだ つまらぬうたを
ささやかながら冷酷な壁を行き来するおはなしたち。
写真とそれにまつわるいろいろをまとめてみました。
タイトルそのまんまの記事です。 ■現在作っているマガジンはこの3つです ゆめを、あるく。 (ちいさなおはなしとともに) ひかりを、みる。 (写真のキロク) こころを、いろどる。 (ありきたりなうたをそえて) ちなみに、ヘッダに使っている写真は全部自分で撮ったものです。 だいたい、カッコ書きで内容が書いてありますが、 「ゆめを、あるく。」=ショートショート的な文章 「ひかりを、みる。」=自分で撮った写真(たまに知ったかぶったtips) 「こころを、いろどる。」=
はいどうもー。 創作大賞をそこはかとなく目指してしっちゃかめっちゃかな日々を送っております、あまたすでございます。 先月の月記のとおり、物語をちょっとだけシステマチックに作る方法を勉強するところからはじめて、今ようやく本編を書き始めたところなのですが…… まあ事前に決めた通りに進められるんだったら毎回プロット立ててるよねっていう話でして……がんばります。 そんな中ではありますが、月イチ雑談企画、なんとか今月も思い出すことが出来ました(もう少し自分で決めたルールを守ろうとす
はいどうもー。 4回目にして毎月5日の投稿日を忘れておりました、歩くダメ人間ことあまたすでございます。 今回の月記は4月5日に執筆しております。今まで3日くらいには書き上げていたのになー……。 その月の出来事からひとつだけ印象に残ったことをピックアップしてだらだら書き散らすマンスリー企画、第4回です。 今回もゆるるっとお楽しみください。 今月の印象に残ったこと 人生最長の小説を書いた これでございます。 2月くらいから途中休憩をはさみつつダラダラ書いていた作品、『骨ま
山下さん夫婦は、今も変わらず俺達を気にかけてくれている。 山下さんは狩猟を辞めると宣言した後、本当に全ての猟具を俺に譲り渡してしまった。猟友会からも抜けて、あれ以来狩猟免許の更新も一切していないそうだ。そのことを奥さんはとても喜んでいた。 後で奥さんが俺に「主人には内緒にしてね」と前置きしてから、彼が病院に行くほどの怪我をしたのは初めてのことでとてもショックだった、自分から辞めると言ってくれてホッとしたと話してくれた。「自分から辞めるなんて言い出すとは思わなかったのよ
「……へっくしゅん!」 「やだ、大丈夫?」 玄関先で盛大にくしゃみをした俺の声が聞こえたのか、妻の美咲が洗面所から顔を出してそう言った。 「今日は冷えるな。骨まで凍りそうだ」 「骨まで凍るって、なにそれ」 美咲が歯ブラシを手にしたままおかしそうに笑った。 初めての狩猟に行ったあの日から、もう5年の月日が経っている。 その間に、俺の生活には色々と変化があった。その最たるものが美咲との結婚だ。 美咲と知り合ったのは、初めて猟師として山に行ったあの日から3ヶ月ほど後の
「うちの爺さんは大酒飲みでさ。いっつもベロベロに酔っ払うとこの話をするもんだから、僕は子供心に『ああ、爺ちゃんまた酔っ払ってるな』としか思ってなかった。けど、本当だったんだね」 話し終えた後、しばらくの沈黙を挟んでから山下さんは静かにそう言った。その視線は右手の包帯に向けられている。 俺はといえば、混乱していた。その話の内容は、あまりにも昨日の出来事と似ていた。 もう亡くなってしまった、会いたくても会えない家族。追いかける、凍ってしまう…………。 あの時感じた恐怖がま
山下さんが話してくれたのは、彼の祖父が子供の頃に体験したというこんな話だった。 ――昔はこの辺りの子供の遊び場なんて山くらいしかない。だから、彼の祖父は毎日友達と連れ立っては山へ行き、山菜や木の実を採ったりして遊んでいた。 ある秋の終わりごろ、その日はいわゆる『骨まで凍る』ような寒い日だった。アケビを取りに行こうと誘われて、彼の祖父は友達と三人で山に行った。 山の中を歩いているうち、一人が急に叫んだ。 「姉ちゃん! どうしてこんなところにいるんだ!」 見れば、少
なんとか車を停めた場所まで戻ってくると、山下さんを俺の車に乗せて町で唯一の病院に連れていき、彼の奥さんに連絡した。 その間、俺は彼に「怪我は痛みますか」「水でも買ってきましょうか」とあれこれ話しかけた。けれども、彼は何を聞いても感情のよくわからない顔で「ああ、そうだねえ」とぼんやりとした返事をするばかりだった。 診察を待つ間に、奥さんが駆けつけてくれた。俺から一応事情を話したが、どう話したものかと悩んだ末にかなり端折ってぼかしたせいで、もはや嘘に近いものになっていた。
「嘘、だろう」 山下さんの声だった。 その声で俺は少しだけ冷静を取り戻し、かろうじて声がした左後ろへ首を回らすことができた。 彼は目を真ん丸に見開いて、背負子から取ってきたカメラを手に立ち尽くしていた。 あの場所から戻って来るなら、それほど時間はかからなかったはずだ。きっと、俺が見せられていたものを彼も見たに違いない。彼もこの異様な光景に恐怖して、動けずにいるのだろう。 「山下さん」 あの光景を目にした人が他にもいると思うだけで気持ちに余裕ができたのか、俺は声を出す
イノシシから視線を逸らし、木々の向こうに目をやると、視線が合った。 山下さんではない。別の人間とだ。木の陰に隠れていたのか、それまで存在に全く気づかなかった。 青のスタジャンと黒のズボン姿のその人間は、体つきと背丈だけなら小学生くらいの男の子に見えた。しかし、顔がその体格に釣り合っていない。大きすぎるのだ。子供の体に大人の男の首を乗せたような、なんともバランスの悪い容姿をしていた。顔つきも明らかに子供のそれではなく、そこだけ見れば40代くらいに見えた。 視界に突然予
しばらく待っていても、山下さんからはなんの合図もなかった。 斜面の下を覗くと、イノシシを前にしてなにやら考えている様子だ。周りを見回したり、イノシシの体を色々な角度から眺めていたかと思うと、かぶっていたキャップを取って小脇にはさみ、白髪頭をガシガシと掻き出した。 何かあったのだろうか。俺は斜面を降りてみることにした。 斜面を降りるのには苦労したが、下は少し平らな場所だった。落葉樹が多くて、罠を隠すのに良さそうだ。罠を設置する支柱になる立ち木もある。いくつか点在している
「じゃあ、今日から僕が使ってる罠を見てもらいながらね、少しずつ勉強していってください。まあ、僕がやってるのもお手本とは程遠いんだけど」 山下さんは軽トラックの荷台から年季の入った背負子を引っ張り出して背負った。背負子にはシャベルや工具、ロープといった罠猟に必要な道具が整然とまとめられている。 「よろしくお願いします」 ついに狩猟免許を取ってから初めての猟期を迎え、俺は緊張していた。 移住前はごく普通の会社勤めをしていた。趣味でハイキング程度はしていたものの、実のところ狩
「……っくしゅん!」 くしゃみをした途端に、冬の山から下りてくる冴え冴えとした空気が全身の毛穴から一気に入ってくるような感覚がした。 俺はそばに停めていた自分の車に慌てて戻ると、着ていたベストを脱いで、助手席に置いたままだったゴアテックスのウインドブレーカーを着込んだ。 この町の冬は、特に山の寒さは想像していた以上に厳しい。移住前は趣味のハイキングくらいでしか使っていなかったウエアたちが、今は生活必需品だ。 上着を一枚足しても、入り込んだ寒さは体の中に居座ったままだ
はいどうもー。 ソシャゲのイベントを走ったり、書いてる話のボリュームを見誤って結局書き終えることができなかったりしたあまたすでございます。 ……本当にすみません…………。 でも今は月記があるのでちょっと気がラクです。 さて、その月の出来事から印象に残ったことをひとつピックアップしてゆるゆる語るマンスリー雑談『月記』、第3回でございます。 なんとかソシャゲ以外の印象に残ったことを思い出しましたので(えっ)、ゆるるっとお付き合いいただけましたら幸いでございます。 今月の印象
はいどうもー。 2月中に1本おはなしを書こうと思っていたのに、見事に自分内締め切りをブッちぎったあまたすでございます。 いやーひさびさにアクの強い風邪引いちゃいまして。 さて、その月に起こった出来事から印象に残ったことを1つピックアップしてお届けするゆるゆる雑談企画、『月記』の2回目でございます。 今回ものんびりやっていきますので、ゆるるっとお付き合いいただけましたら幸いです。 今月の印象に残ったこと流行りに乗ってBlueskyをはじめてみた! これですかねえ。 なん
はいどうもー。 noteの片隅でへんな小説もどきを書き続けております、あまたすと申します。 今年はちょっと新しいことをしてみようと考えついたのがこの『月記(げっき)』です。 要は日記のマンスリー版です。 内容は その月でいちばん印象に残ったこと その月に撮った写真を1枚 くらいしか決まっていません。 はじめは有料エリアを設けて、普段紙に書いているマジ日記を1日だけ全文公開しようかと思っていましたが、それどこに需要あんの? と思ったのでいったんペンディングとさせてくだ