女権拡張/男権縮小主義の混同

　このnoteは、人がフェミニストを一括りにして話してしまうせいで混乱しているこの状況に対する苦言である。ただし僕は専門家でも何でもないので、アホの独り言だと思って適当に見てほしい。

はじめに

　最近、フェミニズムについての話題をよく見かける。聞くところによると、フェミニストに対して反対意見を述べる人たちを「アンチフェミニスト」と呼ぶらしい。僕にはこの「アンチフェミニスト」という言葉にどうも違和感を感じてしまうのだが、いちいち定義するのも面倒なのでこのままでいく。

　僕には互いが互いを誤解しているようにしか見えないのだ。

　上記2つとも、最終的には男女平等を目指しているようだ。異なるのは、その目的を達成するための手段である。これ以下では、これらを混同してしまうことによるめんどくさいことについて、話していこうと思う。

女権拡張主義

　よく聞くフェミニズムとは元々こう和訳されるものである。「女性の権利を拡張して男性と同じにし、最終的には男女平等にしよう！」というものである。

　話が少しそれるが、以前どこかで「男女平等主義者はフェミニスト」という風なことを言っている人を見かけたが、正確には「フェミニストは男女平等主義者」なのではないだろうか？いわば、フェミニスト⊂男女平等主義者なのでは？とその時思ってしまった。ここについてはのちに詳しく説明する。

男権縮小主義

　この「男権縮小主義」という言葉は僕が考えた。言葉の通り、「男性の権利を縮小して女性と同じにし、最終的には男女平等にしよう！」というものである。

女権拡張主義者、男女平等主義者、男権縮小主義者、そしてアンチフェミニストの構造

　先述しておくが、上図には一切根拠となる情報はなく、僕が見て来た極めて小さな範囲のみで起きている状況を図にしたものであり、これが社会全体に、そしてすべての人に言えるわけではないということをここに明記しておく。

　この図を見れば僕が言いたいことの大半が分かるが、一応補足説明しておく。ここからは各主義者の主張例を挙げながら説明していく。

　女権拡張論者が「女性の給料が男性と同じ仕事を同じ時間同じ量しているのに少ないのはおかしい！」と主張したとする。僕の足りない脳みそではこれに対しては反論できないので、賛成！ということになる。もし、『男性と同じ仕事を同じ時間同じ量しているのに』というところが抜けていたら批判がくるであろうが……

　次に男権縮小主義者が「このイラストは女性への性的搾取だ！すぐに撤去しろ！！」と主張したとする。これには批判が来てしまうのも無理はないだろう。性的搾取かどうかはともかく、撤去という行為は「見るという権利のはく奪」に等しい。

　もし「このイラストを不快に感じる人がいる可能性がある！だから誰しもが見れる場所に展示するのは控え、見たい人以外はなかなか見れないところにだけ展示し、それ以外のところには別のイラストを展示しろ！！」ならまだ批判は少ないだろう。尤も、「イラストを2枚書く労力はどうするんだ！」、「そうするとこの展示によって得れたはずの利益が少なくなるのではないか？」などの批判はあり得るが……しかし、これらの問題も詳しく決めて、また反対意見にも寛容ならばそれはもはや有益な存在だ。(某問題の胸がでかいだけでダメ！というのはアレだが。)

問題は、「どちらもフェミニストを名乗り、
どちらもフェミニストと呼んでいること」

　ここが一番の混乱の原因である。しかも、一部の人たちが「これだから男/女は……」と話し、これがまた炎上したりするのだ。この発言が非論理的だということはここに詳しく書いてあるので、ぜひ参照してほしい。

早まった一般化 - Wikipedia

　また恐ろしいことに、重要な女権拡張論者たちが全然目立っていないのだ。というのも、大量にいる男女平等主義者がみな「そら当たり前だろ」と思ってしまうので、むしろ反感を買って炎上する少数派の男権縮小主義者の方が目立ってしまっているのだ。何たる皮肉だろう。

　フェミニストと呼ばれる者同士が中で共食いしているかどうかは知らないが、たまに「女性としても迷惑」という意見も見かけるので、実は冷戦状態なのかも？ただ男女平等という目的は同じなので、なかなか見分けがつかないというのも恐ろしいところである。

理想郷

　実現することはほぼ不可能だがこうすれば解決するのでは？という文を以下に記す。少なくともこの分を読んだ人はこれについて考えてみてほしい。

　アンチフェミニストは、「これだからフェミは……」とひとくくりにせず、正確な「相手の限定」を行い批判する。

　女権拡張主義者はどうにかして男権縮小主義者の勢力を押さえつける。

これができるとどうなるかは想像しがたいが、少なくとも悪くなることはないのではないだろうか。もっとも、実現は不可能に等しいが……

まとめ

・フェミニストと言っても2種類いる説
　→女権拡張主義者・男権縮小主義者(ある種差別主義者)
・よく燃えているのは男権縮小主義者
　→アンチフェミが「これだからフェミは……」とひとくくりに早まった発言
　　をする→普通の女権拡張主義者もキレる

なので

・アンチフェミは、「これだからフェミは……」とひとくくりにせず、正確な「相手の限定」を行い批判する。→無駄な諍いを生まない。
・女権拡張主義者はどうにかして男権縮小主義者の勢力を押さえつける。

最後に

　　ここまでここまでの話でなんとなく思ってしまうのは、「男権縮小主義者は女権拡張主義者にとってもお荷物なのでは？」というところだ。ここのところは実際女権拡張主義者たちがどう感じているか僕は知らないので、とても気になるところだ……男権縮小主義者は声がでかいわりに大して数はいないので、我々はこれからこれらにどう対処してくか、そして、互いの誤解をいかにして解くかが今後の課題といえよう。