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「インナーチャイルド」との会話

インナーチャイルドと出会うワークで、自分の中に体育すわりをした女の子を見つけた私。その子は、とても傷つき怒っている、幼少期の私自身でした。もう一度この子とつながるために、私はこの子との会話に取り組み始めます。

もともと私は、あまり自分の意志がない人間でした。

たとえば、友達に「何を食べたい?」と聞かれたら

「私は何でも大丈夫、
あなたの食べたいものでいいよ」。

と答えます。

「どこに行きたい?」と聞かれたら

「私はどこでもいいよ。
どこか行きたいところある?」

と答えます。


「お腹空いた?ご飯食べない?」

と聞かれると、
たとえまったく空いてなくても
「うん、食べられるよ」

と答えて、ご飯に付き合いました。

相手がどうしたいのか。
いつもそれだけを考えており
私の気持ちは置き去りだったのです。

そもそも、自分を置き去りにしている
意識さえありません。

まるで息を吸うように、
相手を優先していたのです。

今思えば、

私が自分のやりたいことを言うことで
相手が何かを我慢したり
傷ついたりすることが
とても嫌だったのだと思います。

それだったら、自分がちょっとくらい
我慢する方が良かったのです。

そういうと、とても優しいひとみたいに
思えるかも知れませんが

そういうわけでもたぶんなく……。

カウンセラーのMさんいわく

私は幼少時からずっとそうやって、
お母さんを優先して生きてきたのではないか。
とのことでした。

これも、まったくの無意識の世界です。

そんな風に誰かを優先し続けるなか
置き去りにされた私の「インナーチャイルド」は
ずっと怒り、絶望し

そして、助けを求めていました。

だからこそ、私は、
同じく助けを求めていたユウヤと出会い

その子を助けるかわりに、
ユウヤを助けようとしていたようです。

本来私が助けるべきだったのは、
ユウヤではなく、
この「内なる子」だと気づかずに。

この子とつながるために、私は日々、
この子の声を聞くようになりました。

喉が渇いたら
「水が飲みたい?それともお茶?」
と聞いてみます。

お腹が空いたら
「何か食べたいものはある?」
と聞いてみます。

しかし、あまりに怒っていたのでしょう。
始めの頃、この子は何も話してくれませんでした。

問いかけても問いかけても
返ってくるのは沈黙だけ。

この子は、言葉を持たない子でした。

イメージのなかで、
この子がいる暗い部屋に入り
寄り添ってみたりもしました。

怖がらせないように
優しく頭を撫でたり、
手を握ってあげたり。
抱きしめてあげたりしました。

根気強くそれを続けていると
最初はほとんど私に
関心を示さなかった子が

少しずつ、本当に少しずつですが
私を見てくれるようになり。

ある日、ぽつりとこう言いました。

「ずっと、さみしかった」。

私はその子を抱きしめて、
「うん、ごめんね。
ひとりぼっちだったもんね。
さみしかったよね」

そう答えました。

不思議なことに、
その子を抱きしめると、
私自身の心が、あたたかくなるのです。

そして、思い出しました。

ユウヤがうちに来たときに
この子とまったく同じ言葉を
口にしたことを。

「ずっと、さみしかった」。

ああ、本当に、ユウヤは私だったんだな。
私の中にいた、この子だったんだんだ。

そう思ったら。

彼はもしかしたら、
この子に気づかせてくれるために
私に出会ってくれたのかもしれない…。

そんな風にも思えたのです。





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