怒っているヤクザを抱きしめた人の話。

こんにちは、天宮です。

以前、こちらの投稿で
かっこちゃん　こと
山元加津子さんのお話を書かせていただきました。

かっこちゃんは、
養護学校の先生をしながら、
作家としても活躍されている方です。

かっこちゃんがゲストで登場された
とある集まりで、
かっこちゃん関する
素敵なエピソードが紹介されていました。

それは、
かっこちゃんが電車に乗ったときのお話です。

他の車両は混雑していたにも関わらず
かっこちゃんが乗り込んだ車両だけ、
なぜかガラガラだったのだそう。

その理由はすぐにわかりました。
なんと！　コワモテのヤクザが
高校生の男の子をボコボコにしていたのです。

みんながコソコソと他の車両に避難する中
かっこちゃんはどうしたと思いますか？

正解はタイトルに書いちゃいましたが笑
なんと、かっこちゃんは
そのヤクザに歩み寄り。
ギュッと抱きしめたのだそう。

ボコボコにされた高校生ではなく
ボコボコにしたヤクザさんを！ですよ！笑

で、
こう言ったそうです。

「大丈夫よ。怖くない怖くない」

すると、そのヤクザさん
声をあげて泣き出したというのです。

そんな映画みたいなこと、あります？笑

そして、その日以来、
ヤクザさんとかっこちゃんは
大の仲良しになったそうです。

後日、ヤクザさんは
あのときなぜあんなことしたのか
カッコちゃんに尋ねたそうです。

するとかっこちゃんは
「なんだかすごく怖がっているみたいに見えたから」と答えたのだとか。

⭐︎

宮崎駿監督の
風の谷のナウシカの中に
こんなシーンがありました。

闘いをやめないクシャナに、ナウシカはこう語りかけるのです。

「あなたは何をおびえているの。
まるで迷子のキツネリスのよう。
怖がらないで、私はただあなたに
自分の国へ帰ってもらいたいだけ」

かっこちゃんは、
ナウシカのように
ヤクザさんの怖い見た目じゃなく
怯えている心の中を見ていたんですね。
そして、その心を抱きしめずにはいられなかったのでしょう。

そして、ひとは、
そんな風に怯える自分を
抱きしめてくれる誰かに出会ったら、
もう泣くしかなくなるのかもしれません。

一般人にはなかなか
真似できることではありませんが。

かっこちゃんのような方が存在すると思うだけで、世界が少しだけ、優しいものに思えてきますよね。

私も、
人の現れだけでなく
その奥が見られる人でありたい。

このエピソードを聞いた時
そんな風に思いました。

決して簡単なことではないですけど。
一歩ずつ、そちらの方に向かいたいと思います。

今日も最後まで読んでくださり
どうもありがとうございました。

GWもそろそろ後半ですね。
みなさま。よいお休みをお過ごしください。

天宮一美