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留学の思い出 ~秋のトルコとパスピエ~

はじめに言っておくと、おそらくパスピエとトルコの間に公式な関係性はありません。
ただ、私の思い出のなかでこの2つは深く結びついています。ある曲を聴くと、秋のトルコでの日々が脳裏をかけめぐる。そんな話をします。


お腹痛い…。帰りたい…。

2017年10月。私は留学先のアンカラ(トルコ)にいました。
留学開始から1ヵ月ほど経ち、やっと生活のペースができそうなタイミングでお腹を壊しました。食あたりです。

疲れもあいまってか発熱もありました。
「薬買わないとだ…。でも外国の薬飲むのってなんか不安…」
「病院とかどうすればいいんだろう?」
「保険ってちゃんと適用されるのか?」
異国の地で病気になることがこんなに不安で辛いものだとは思ってもおらず、このときばかりは本当に日本に帰りたかった。

どうにかして保険会社に連絡したところ、保険がちゃんと適用される提携先の病院を紹介してもらうことができました。
たしか、お医者さんにきちんと説明しなきゃと思って、「食あたり」「下痢」などの単語を事前に調べていったんだったかな(笑)


高層ビル・マンションが建ち並ぶ町・ソウトズ(Söğütözü)
ここの病院にかかりました。

その後、熱は無事おさまりました。腹痛も徐々によくなっていきましたが、結局もう1週間は続きました。
実は日本から正露丸を持ってきていたのですが、不思議なことにまったく効果が出ませんでした…(あるあるらしい)。


回復の「あかつき」

そのころ聞いていたのが、パスピエの「あかつき」。
YouTubeを見ていたとき、このMVがおすすめされたのでした。

腹痛と回復の一進一退を繰り返していた当時の自分の心には、深く染みわたるものがありました。
この曲に支えられながら、「元気になったらおいしいお店探しまくろう!」と、回復したあとの楽しみもだんだん考えるようになってきました。


全快のあと…

10月の下旬にもなると、すっかり体調は回復していました。
いや回復したどころか、食欲が爆発的に出てきました(笑) それまでの反動かもしれません。

学校終わりには毎日アンカラの街を探索し、良さげなお店を見つけては食を楽しんでいました。
アンカラには、ウズベキスタンやウイグルなど中央アジア系の料理や、イラン料理を食べられるお店もありました。「アンカラにいるうちに食わなきゃもったいない!」と思い、マップで調べて片っ端から行きました。

名前は忘れてしまいましたがイラン料理(誰か教えてください)。
ご飯の上にのっているのはザクロ。パラパラのお米と、ソースのかかった鶏肉がたまりません。


さらに私が目を向けたのは甘味。もともと甘いものはそこまで好きじゃなかったのですが、食欲爆発状態のこのときは不思議と積極的にスイーツを求めていました。

チャイ(紅茶)とキュネフェ。緑色はピスタチオです。お店によっては激甘だったりします。

食をむさぼる楽しむ日々で気付いたのは、好きなものをおいしく食べられることがどれだけQOLにつながっているかということ。食と幸福は直結している。

おわりに

いつの間に「あかつき」の話からご飯の話に変わってしまった…(笑)

それはまあいいとして。
今でも晩秋になると、誘われるように「あかつき」が聴きたくなります。

イントロを聞いた瞬間、10月のトルコの少し冷え込んで乾いてきた空気感がよみがえります。
そして、苦しかった当時のことや、学校終わりにアンカラの街を旅したこと、いろんなお店に入りまくって爆食ライフを満喫したことなどが、頭のなかを一気に駆け巡るのです。

そうやって当時を思い出しては、「楽しい留学だったなあ」としみじみノスタルジーに浸る。そんな秋の終わりです。

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