月を眺めて遥かな人を思う
遠く離れていても、同じ月を見ている。
そう思うだけで、何となくその人と一緒に今を過ごしている感じがする。
暖かい気持ちになる。☺️
現代の私たちもスマホで連絡を取り合ったりして、遠い誰かとの「繋がり」を大切にしますよね〜
このコロナ禍で、人と直接は会えないけど、でもインターネットなら繋がれる、その喜びを感じた人も多いのではないでしょうか。
実はその感覚って、インターネットなんて無かった昔の人も変わりません。
今から1000年も前の人にとって、この詩でも登場する「明るい月」は、遠くに住む友人、家族、恋人と繋がる一つの手段でした🌙
古代版SNS、とも言えるかもしれないですね(笑)
全文は次の通りです✍️
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唐・張九齢〈望月懐遠〉月を望みて遠きを懐う
海上生明月 海上 明月 生じ
天涯共此時 天涯 此の時を 共にす
情人怨遥夜 情人 遥夜(ようや)を怨み
竟夕起相思 竟夕(きょうせき) 起きて相い思う
滅燭憐光満 燭を滅して 光の満つるを憐み
披衣覚露滋 衣を披(はお)りて 露の滋きを覚ゆ
不堪盈手贈 手を盈(み)たして贈るに堪えず
還寝夢佳期 還た寝て佳期(かき)を夢みん
〈月を眺めて遥かな人を思う〉
海の上に明るい月が昇った。天の果てに遠く離れた人と、今この時を共にする。
私は明けない夜を悲しみながら、夜中に起き出してその人を思う。
灯を消して溢れる月光を愛おしみ、羽織った上着に夜露を冷たく感じる。
月の光を手に満たして贈ることはできないけれど、せめて眠ってまた会える日を夢みよう。
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私が好きなのは最後の部分です!🌙
「月の光を手に満たして贈ることはできないけれど、せめて眠ってまた会える日を夢みよう。」
現代の人なら、きれいな景色を見たり、おいしいご飯を食べたりしたら、それを誰かと共有したくて、写真をSNSにアップしたりしますよね〜
古代の人にはそれはできないけれど、でも「この美しい月の光を、手にすくい取って、あの人に贈ってあげたい」と思った。
......なんて素敵なんでしょう😂✨
ちなみに、ここでの「遠く離れた人」が誰なのかという答えはありません。
友人でも家族でも恋人でも、読む人によって、自由に当てはめることができますね!👌
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大学院で中国文学を専攻している私が、
漢詩の言葉を、ゆるいアルパカのイラストとともに紹介するアカウントです
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難しい、堅苦しい、何だか説教めいている…?
でも、一つ一つの詩を見れば、
おおらかで暖かい言葉もあれば、
現代の我々と変わらない、不安や迷いを伝えようとした言葉もあります
そんな人間味ある言葉が、
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